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【IFA 2019】フィリップス、「新型ノンフライヤー」「いびき防止バンド」などを発表

 フィリップスは、9月6日から11日(現地時間)にドイツ・ベルリンの国際見本市会場にて開催されている、国際コンシューマエレクトロニクス展示会「IFA 2019」で、「新型ノンフライヤー」「いびき防止バンド」を発表した。

 フィリップス パーソナル ヘルス社 チーフ・ビジネス・リーダーのロイ・ジェイコブス氏は記者会見で、例えば歯磨きやヒゲ剃り、調理や身だしなみといった、日々行なわれる健康や幸せを維持するためのルーチン作業を、技術やIoTなどでパーソナライズし、各個人にとってより快適なものにしていくとした。なかでも今回は、"Care better(より良い身だしなみ)"、"Eat better(より良い食生活)"、"Sleep better(より良い睡眠)"の3つの製品を紹介。フィリップスの家庭用製品を、2030年までに30億人のユーザーに製品を届けたいとした。

フィリップス パーソナル ヘルス社 チーフ・ビジネス・リーダーのロイ・ジェイコブス氏

新型フライヤー「Airfryer XXL Premium」

 今回の展示で、"Eat better"として紹介されたのが、新型ノンフライヤー「Airfryer XXL Premium HD9860/90」。従来のフライヤーは、食材投入後に"加熱温度"と"加熱時間"の設定が必要だったが、新製品では、調理メニューを「冷凍食品/生のジャガイモ/魚/切り分けた肉/塊の肉」から選んで、食材を投入すると、センサーが食材温度と重量を計測し、自動で加熱温度と時間が設定される。あとは放っておくだけで調理が完了する。

新型ノンフライヤー「Airfryer XXL Premium HD9860/90」
調理メニューを「冷凍食品/生のジャガイモ/魚/切り分けた肉/塊の肉」から選択する
食材を投入すると、自動で加熱温度と時間が設定される

 自動で設定された加熱温度と時間は、ディスプレイに表示される。また加熱中もセンサーは食材温度を計測しているため、食材によっては設定時間よりも早く調理が完了する場合があるとし、その際は当初の設定時間前でも加熱を終了、調理を完了させることで、食材の加熱しすぎを防ぐという。

 加熱温度・時間設定は、手動での設定も可能で、お気に入りの設定を登録しておくことも可能。ブースで説明を行なってくれた、ドイツの料理研究家は「特にローストチキンの調理におすすめ。加熱を完了すると設定時間前でも調理を終了するので、パサつかず、しっとり仕上げられる」と太鼓判を押していた。ピザ用の網も同梱されており、手動で200℃、6~7分で焼くといいと説明していた。

★マークのボタンで、手動設定した、加熱温度と時間を登録できる
ピザ用の網
本体にピザ用の網をセットした

 展示ブースには、本機で120℃、20~25分乾燥させたケッパーが用意されており、指で潰し粉状にして、味見させてくれた。旨味のある塩のような味で、これを料理のアクセントとして使うと良いという。また、玉ネギ、ニンジン、余った細切れ肉などを、80~100℃で40~50分乾燥させ、フードプロセッサーなどで粉状にしたものをお湯で溶かすと、インスタントスープができるという。その他、ドライトマトやドライマンゴーなどに、乾燥野菜や乾燥フルーツ作りにも使えるとしていた。

 展示品の本機のサイズは、XXLサイズだったが、通常容量と2種類で展開されるとし、現在、日本で販売されているものは、通常容量だという。

120℃、20~25分乾燥させたケッパー
乾燥ケッパーは、指で潰し粉状にして、料理のアクセントに
ドライトマトも作れるという。こちらはセミドライのトマト

いびき防止バンド「SmartSleep Snoring Relief Band」

 "Sleep better"の柱となる機器が「SmartSleep Snoring Relief Band」。胸の下側に巻いて使用することで、いびきを防止するという。アメリカでは199ドルで2019年末に、ヨーロッパでは2020年の発売を予定。

いびき防止機器「SmartSleep Snoring Relief Band」

 いびきは、ユーザーが背中を床につけて眠っているときに発生することから、それをセンシングし、ユーザーがいびきを発する位置で寝た場合に、機器が振動してそれを本人に知らせる。すでに臨床実験でも効果が実証されているという。パートナーと同じベッドで就寝することが多い欧米ならではの機器と言える。

 まずは1晩、バンドを装着して睡眠することで、ユーザーの「寝返り回数」「睡眠時間」「背中で寝た時間」などを計測。その後は、ユーザーが背中で寝ているときに振動することで、いびきを回避するという。

本体は液晶画面を備える
「SmartSleep Snoring Relief Band」利用イメージ

日本で7月発売の電動シェーバー「7000シリーズ」

 "Care better(より良い身だしなみ)"として紹介されたのが、電動シェーバー「7000シリーズ」。日本では「シェーバーS7000 スマート」として7月上旬に発売されている。1秒あたり5,000回のセンシングを行なうほか、刃の外側のリング「SkinGlide Rings(日本では、スキンコンフォートリング」を改善することで、肌すべりの良さと深剃りを備えるという。

電動シェーバー「Shaver Series 7000 S7960/13」

 スキンコンフォートリングの原理は、少し湿り気のある皮膚などでは、ツルツルのガラス面よりも、多少のザラつきのある木など方が滑りが良い点に着目。ガラス状の丸い粒子でコーティングすることにより、肌すべりを良くしたのだという。

刃の外側のリングを粒子でコーティングすることで肌すべりを良くしたという
刃の内側部分

 Blutooth経由で専用スマートフォンアプリと連携し、ヒゲ剃り時にシェーバーを円状に動かすとOK、線上に往復させるとNGが表示されたり、累積シェービング時間と正しくシェービングできた時間の割合などを計測する。

 予めアプリ上でヒゲ剃り時の悩みを選択式で入力しておき、毎回のシェービング後に結果を選択式で入力していくことで、シェービング方法の改善提案をしてくれる機能もあるという。

 ドイツでは179.99ユーロで販売。なお、9000シリーズの価格は、399ユーロ。

アプリでは、累積シェービング時間と正しくシェービングできた時間の割合などを表示
正しくシェービングできた割合を日ごとに表示
ヒゲ剃りの悩みを選択式で入力、毎日のシェービング後にも回答していくことで、より良いシェービングの提案もしてくれる

8月に日本発売の電動歯ブラシ「ソニッケアー エキスパートクリーン」

 電動歯ブラシ「ソニッケアー エキスパートクリーン」は、日本では8月1日発売。Bluetooth経由でスマートフォン専用アプリ「ソニッケアーアプリ」と連動し、ブラッシングの回数・時間・力加減などの歯磨き状況を記録できる。

電動歯ブラシ「ソニッケアー エキスパートクリーン」

 最上位機種「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン」との違いとして、アプリの簡略化を挙げており、ダイヤモンドクリーンでは磨き残しなどを歯の見取り図上に表示していたが、エキスパートクリーンでは、力加減と磨き全体の総評のみを表示することで、ひと目で状況を把握できるようにしたという。

 またブラシ部の交換は、3カ月に1度が推奨されているものの、ユーザー調査の結果、実態は6カ月に1度の交換にとどまっており、交換しない理由はブラシの値段ではなく、前回の交換日を覚えていないことがトップとなったため、Amazonでの自動購入の仕組み「Digital Replenishment System」を取り入れたという。

 ブラシにはRFIDチップが内蔵されており、ブラシごとの累積歯磨き時間や、押し付け強さなどから、歯ブラシの交換時期をユーザーへ告知するという。購入時に付属する3本のブラシを含めて家庭内のブラシ在庫も管理でき、予めAmazonのユーザーID等と連携しておけば、注文動作も不要で歯ブラシが届くという。

アプリを簡略化し、磨き全体の総評と力加減を表示し、ひと目で状況を把握できる
歯ブラシに内蔵されているというRFIDチップ部

歯科医相談システム「Teledentistry Solutions」

 また同社では、「Teledentistry Solutions」という歯科医相談システムを、スマートフォンアプリで展開。「歯に不具合を感じていても歯科へ行かない」という状況を改善するためのもので、アプリで自分の歯の悩みを質問、歯の写真を送信し、定形のいくつかの質問に回答すると、後日歯科医からの回答が個別に届くというもの。質問内容によっては、歯科へ行かずに自宅で対応できるものなどもあるという。

まずは、質問や回答の手順が表示される
自分が聞きたい質問を入力する。ここでは、大切な日のために歯を白くしたいという質問
「喫煙者かどうか」といった定形質問へ回答する
歯の写真の撮影箇所をレクチャー
歯科医から回答が届く
自分の歯の写真とともに改善案が届く。ここでは中程度のステインという評価
回答では、歯科でのホワイトニングが提案されている
同時に、ソニッケアーの利用も推奨される