やじうまミニレビュー

マストラッド「トップチップス」

~油を使わない野菜チップスが電子レンジで作れる

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
マストラッド「トップチップス」

 学校から帰ってきた子供達はおなかがペコペコなので、真っ先におやつを食べる。特に好きなのがポテトチップスなどのスナック菓子だ。おなかにたまるし、刺激的な味なので気持ちはわかるが、スナック菓子類はカロリーも塩分も高いので親としては控えたい。

 そこで電子レンジで野菜チップスが作れるシリコーン製のチップスメーカー「トップチップス」を購入し、自分で作ってみることにした。トップチップスは2011年6月発売以来、世界30カ国以上で100万個以上も販売されているという商品。油を使わず、電子レンジで加熱するだけとヘルシーだが、味が子供達に受け入れられるか、気になるところだ。

メーカーマストラッド
製品名トップチップス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格5,300円

 改めてトップチップスを紹介すると、野菜や果物を並べて電子レンジでチンするだけで、簡単にヘルシーなノンオイルチップスを作ることができるシリコーン製の調理グッズだ。セット内容は円状のシリコーン製プレート「トップチップス」本体2枚、スライサー、専用ホルダーとなっている。プレートは直径約28cmと大きめなので、電子レンジによっては入らない場合もある。サイズは購入する前に確認しておきたい。

トップチップスのプレートはシリコーン製。やわらかい
プレートは2枚重ねて加熱できる
スライサーと専用ホルダー
専用ホルダーには突起があり、食品がずれないようになっている
スライサーの取扱説明書、レシピブック、本体の取扱説明書が付属。本体の取扱説明書は日本語表記はない
レシピはカラーで見やすい

ノンフライのポテトチップスは、素材の味が楽しめる

 トップチップスの基本的な使い方は、ハンドスライサーで野菜・果物をスライスし、次に水分をキッチンペーパーで拭き取り、最後にスライスした野菜・果物ををプレートに並べて、電子レンジの600Wで約4分加熱すれば完了だ(プレートが一段の場合)。

 好みの野菜や果物が使えるとのことなので、今回はじゃがいも、さつまいも、にんじん、りんごで作ってみることにした。

 まずは、じゃがいものカットからスタート。スライサーは使いやすく、専用ホルダーがあるので最後まで無駄なく薄切りにすることができる。カット後はキッチンペーパーで抑えて、しっかり水分を取る。

スライサーでじゃがいもを薄切りにする
じゃがいもの残りが少なくなっても、専用ホルダーがあるので怖くない
こんなに小さくなるまで薄切りできた
キッチンペーパーの上にスライスしたじゃがいもを並べる
上からキッチンペーパーで抑えて、しっかり水分を吸い取る

 じゃがいも(中サイズ)1個で、トップチップスの2枚のプレートに並べることができた。プレートは二段重ねて加熱できるので、一緒に加熱することにした。600Wで6分加熱したが、まだしんなりしていたので追加で2分加熱し、トータルで8分程となった。

 出来上がったチップスは27g。市販の一般的なポテトチップは一袋60gなので、トップチップス2枚分でその半分弱といったところだ。8才と4才の子供のおやつとしてはちょうどいい分量だが、家族全員で食べるには物足りないかもしれない。

 食感は全体的にパリッとしているが、部分的にしんなりしているところもある。これは電子レンジの状態にもよるだろう。我が家のレンジは古く、加熱にムラがあるので買い換えを検討しているところ。上の段より下の段がパリパリに仕上がっていた。

薄切りにしたじゃがいもをトップチップスに並べる
二段にして電子レンジで加熱する。一段でも可
電子レンジに入れる
パリパリに仕上がっている

 困ったのは味付けだ。油を使っていないので、表面はサラサラしている。塩をかけても表面につかず、塩がみんな落ちてしまう。いっぺんにかけてしまうよりも、食べる直前に口に入れる分だけ少しずつかけたほうが無駄がなかった。そのため、購入したポテトチップスと食べ比べると、ちょっと物足りない印象だ。

 しかし、これはこれで美味しい。ジャンクフード特有の油っぽさがなく、とてもさっぱりしており、じゃがいもの香りが口いっぱいに広がるので、素材の味は楽しめる。子供達はトップチップスで作ったチップスのほうが美味しいと喜んでいた。塩はほとんどかけていなかったが、「じゃがいもの味がスゴイ!」とバリバリ食べてしまった。

 ノンオイルで手作りなので、安心して食べさせることができる。ダイエット中の方も、口がさみしいときにちょうどいいおやつになりそうだ。

できあがったチップス。おいしそう!
じゃがいもの香りが口に広がる
じゃがいも中サイズ1個で、でき上がったチップスは27g
一般的なポテトチップスの一袋の分量は60gなのでその半分だ
左が一般的なポテトチップス、右がトップチップスで作ったポテトチップス。油っぽさは全くない

 次に作ったのはさつまいもだ。さつまいもはじゃがいもに比べて水分が少なく、スライスがしにくい。添付のスライサーは、硬いさつまいもだと端の部分が刃にひっかかってしまった。刃の角度の問題もあるかもしれないが、きれいに切れないのは残念だった。

 しかし、できあがりは良かった。さつまいものチップスはとても甘くて美味しい。下の子にも好評で、あっという間になくなってしまった。

使用したさつまいもは1本250g
さつまいもはスライスするのが難しく、あまりきれいにカットできなかった
電子レンジで加熱後、パリパリに
甘くておいしい!!
チップスはすぐなくなったが、さつまいもは119g分も残ってしまった。小さめのさつまいもで十分だ

水分の多い果物・野菜は一段ずつ加熱がおすすめ

 にんじん、りんごも同じようにチップスを作ったのだが、この2つは水分が多いため、最初はうまくできなかった。

 なぜなら、にんじんから蒸発した水分がレンジの中にたまり、電子レンジの庫内は水滴がびっしりついてしまう。結果、蒸し焼きのようになって、しんなりしてしまった。

 にんじんやりんごのように水分が多い野菜で作るときは、あらかじめ念入りに水分を取り、一段ずつ加熱したほうがパリッと仕上がる。じゃがいもに比べると少々手間はかかる。

使用したにんじんは132g
にんじんはしっかり水分をとってトップチップスに並べる
水分が蒸発したら、こんなに縮んだ
小さなにんじんを使ったが、26g残ってしまった
りんごは541gのかなり大きなものを使用した。1/4でトップチップス2枚分ができた
りんごもしっかり水分をとってから並べる
にんじんほどは縮まなかった
りんごのチップスは甘酸っぱい

 しかし、できあがりがったチップスはとても美味しい。にんじんは甘味が凝縮し、塩コショウをかけると、さらに甘さが際立つ。ちょっと甘いものが食べたくなったときにおやつ代わりにもなる甘さだ。

 りんごも甘酸っぱくて、後を引くおいしさがある。紅茶などによく合うためおやつにピッタリ。家族にも好評だった。

パリパリなラスクも作れる!

 トップチップスはラスクも作れる。フランスパンを1cmほどに輪切りにして、溶かしたバターに表面を浸け、砂糖をまぶしてレンジに掛ける。レシピによればレンジの加熱時間は2分30秒~3分とのことだったが、表面にバターをたっぷりぬったせいか、なかなか固くならずに4分ほどかかった。

 少し置いて冷ますと固くなり、市販のラスクのように仕上がった。とても美味しいが、バターに有塩バターを使ったためか、かなりしょっぱくも感じた。市販のラスクに近付けるには、無塩バターの方が良さそうだ。水分を取る必要もなく簡単にできるので、おやつに最適だ。

ラスクも作れてしまう。パン屋でフランスパンを購入
バターと砂糖を表面にまぶす
様子を見ながら加熱し、表面が固くなれば取り出す
甘くて美味しい! ただし、有塩バターだと予想外にしょっぱさが強く感じられたので無塩バターがおすすめ

ノンオイルのヘルシーなチップスが楽しめる

トップチップスで作ったにんじんとさつまいものチップスは、子供達に大好評だった。市販のものより美味しいそうだ

 実際に作って気になったのは、水分をとらなければならない作業が少々面倒なこと。しっかり水分をとらなければパリパリにならないので、キッチンペーパーはケチらずどんどん使ったほうが良い。

 また、加熱は二段同時ではなく一段ずつ作った方が、水蒸気が溜まりづらいのでムラなくおいしくできる。お使いの電子レンジによって加熱時間も変わるので、最初は設定時間を短めにして、様子を見つつ加熱時間を追加していただきたい。

 お手入れは簡単だ。油や調味料を使わないので、汚れは水でサッと落ちる。トップチップスは食洗機も対応しているが、我が家ではサッとスポンジで水洗いするだけできれいに汚れが落ちるので、食洗機を使うことはなかった。

 ふだん市販のポテトチップスを食べている子供達がどういう反応を示すか不安だったが、すぐになくなるほど好評だった。油をいっさい使わず、塩分も抑えることができるので、子供にも安心して出せる。今後も色々な野菜や果物でヘルシーなチップスを作ってみるつもりだ。

 ほかにもゴーヤや生姜などを乾燥させて、料理に使っても便利。アイデア次第で色々楽しめそうなので、ダイエット中の方、お子さんのおやつでお困りの方におすすめしたい製品だ。

石井 和美