家電製品ミニレビュー

E17ダウンライト器具に最適な1個600円のLED電球

安くなったE17口金LED電球

 今回は、東芝ライテックの「LDA4L-H-E17/S」という、E17口金LED電球を紹介しよう。

 この製品は、昨年の8月末に発売されたもので、ライテックのE17口金LED電球のラインナップではベーシックにあたり、ラインナップの底辺を守る製品だ。

東芝ライテック「LDA4L-H-E17/S」
1個売りのほかに、2個入りのパッケージも用意されている。左が昼白色、右が電球色

 仕様も地味で、明るさは250lmで、25W形小型電球相当。光が広がる角度も120度で、下方向だけ照らすタイプだ。光色は電球色で、「LDA4N-H-E17/S」という昼白色で320lmの姉妹品がある。

 しかし、一見地味なこの製品だが、ある用途には必要十分な仕様であり、価格が手頃なこともあって実用性の高い製品なのだ。

 実売価格は600円前後と安い。さらに2個入りのセットだと千円をちょっと越えるぐらいで買えることもある。

メーカー名東芝ライテック
製品名LDA4L-H-E17/S
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格600円

ダウンライト器具に最適

 結論から書いてしまうと、このLED電球はE17口金のダウンライト形照明器具をLED化するのに最適な製品だ。

電球の下半分はフィンレスのカバーで覆われている
東芝のロゴ入り
口金方向がスリムで器具を選ばない
点灯した状態。半透明のカバー部分だけが光る
電球の口金方向には光が回らない

 LDA4L-H-E17/Sの大きさは、ミニクリプトンサイズの白熱電球とほぼ同じなので器具を選ばない。また、電球自体も無理に明るさを求めていないので、あまり熱くならない。密閉型器具はもちろん、断熱材施工器具にも対応しているので、ダウンライト器具の種別を考えずにセットできる。

 電球の大きさや熱のことを考えずに、パッと買って、サッと使えるE17電球なのだ。

 例えば、我が家の例で言うと、寝室のクローゼットの前とか、洗面台の鏡の前などの天井に、E17ダウンライト器具が2個ペアで設けられている。これを1カ所、千円ちょっとでLED化できるのだから、前向きに検討したくなる。

ダウンライト器具に取り付けた状態
電球が小さいので器具との間に余裕がある。放熱でも有利だ
フードの部分を電球がふさがないので、スポット感が高くなる

 もともと、これらの器具には40W形のミニレフ球という白熱電球が使われていた。今回のLDA4L-H-E17/Sは、消費電力が3.7Wなので、元の電球に比べると1/10以下になる。点灯している時間が短い場所なので、電気代で元が取れるのはいつか分からないが、節電になることは間違いない。この電球は、25W形ということで明るさが心配になるところだが、直下はかなり明るいので、ダウンライト器具で補助光として使うのであれば、明るさは十分だ。

クローゼット前は、メインの照明器具に合わせて昼白色をセットした
洗面台の鏡前には電球色をセットした

 また、白熱電球や電球形蛍光灯に比べると、ずっと寿命が長いので、交換の手間が省けるという利点もある。

 ちょっと前なら、E17のLED電球は高価だったので、E17口金をE26口金に変換するアダプターを使う場面だが、E17電球が1個600円で買えるなら、もうアダプターを使うには及ばないだろう。

万能ではないが、必要な製品

 LDA4L-H-E17/Sは、コストパフォーマンスが高く、優れたLED電球だが万能ではない。使う場所を間違えれば、単なる安物の暗いLED電球に見えてしまう。

 例えば、下方向だけしか照らさないので、電球が斜めにセットされるタイプのダウンライト器具には向かない。同じ理由で、口金方向にも明るさが必要な密閉型器具や、半透明のシェードを光らせるタイプのデスクスタンドなどにも向かない。そういう製品は「光が広がるタイプ」のLED電球を選んだ方が良い。

 また、ダウンライト器具でも、主照明として使っていて、明るさが必要な場所であれば、もっと明るいLED電球を選ぶという選択もある。ライテックのラインナップでも、60W形相当の760lmの製品まで用意されている。

 今回は、補助光として使うダウンライト器具という、この製品に適した場所で使ったので満足度が高かったのだ。当たり前のことだが、使う場所に対して適した製品を選ぶことが大切だと思う。

 今回の電球のように、必要なだけの明るさを、手頃な価格で提供してくれるベーシックな製品が大手メーカーから出ているのはありがたい。これも、LED電球という製品が成熟し、誰もが選ぶ普通の製品への道を順調に歩んでいる表れだと思う。こういう製品があることで、家庭内のLED電球化も無理の無い形で進められる。

伊達 浩二