走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

足裏で大地を感じながら走りたい人にお薦めのシューズ

<実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 ランニングカテゴリーにおけるメレルといえば、オフロードそしてベアフットタイプのイメージが強かったが、裸足感覚シューズのブームは過ぎ、以前と比較するとランニングシーンにおけるメレルの存在感は薄れていた。しかしながら2017F/Wの新製品として登場した「ベアアクセス フレックス」は、同ブランドが再びランナーから注目を集めるキッカケとなりそうな完成度の高いモデルとなっている。

メレル「ベアアクセス フレックス」
メーカー名メレル
製品名ベアアクセス フレックス
実勢価格10,800円

 一時期はランニングシューズの新たな潮流として注目された裸足感覚シューズ。ナイキ、ニューバランス、アディダスといったビッグブランドも参入するなど活況を呈したが、正しい使い方をしないと故障の原因にもなりかねず、ナイキのナイキフリーを除くと、かつての人気がウソのように見る影もない。

 そんな状況で今シーズン、日本市場でも展開が再開されたのがメレルのベアフットコレクション。なかでもこのベアアクセス フレックスは、初めて裸足感覚シューズを履くランナーも履きこなしやすいスペック、その高い機能性を考慮すると優れたコストパフォーマンスが評価されて、ディーラー向け展示会でも受注結果は良好であったという。

 筆者はメレルのベアフットコレクションの最初期モデルであるトレイルグローブを始めとして、数々の同社の裸足感覚シューズを履いてきたが、このモデルはそのなかでは最もミッドソールは厚い。

メレル独自のテクノロジーであるFLEX CONNECTは異なる方向に刻まれた屈曲溝を採用したミッドソールで、不整地においても高い安定性と瞬発力を確保する

 実際に走ってみると一般的なランニングシューズのミッドソールよりは薄いが、トレイルグローブの極薄の圧縮EVA(エチレンビニールアセテート)製ミッドソールと比べると数倍は厚い。それだけに着地時の地面からの衝撃を効果的に吸収してくれる。それでいて適度な路面感覚は伝わるので、「足裏で地球を感じながら走りたい!」というクッションの効きすぎるシューズが嫌いなランナーにも対応するだろう。

 そしてこのシューズで注目すべきはそのアウトソール。中程度の深さの刻みが入ったアウトソールパターンはアスファルトやコンクリートといったオンロードから、固めのトレイルまで十分にグリップするなど、高い汎用性を誇る。

アスファルトやコンクリートといったオンロードから、ちょっとしたオフロードまで対応するアウトソールパターンを採用している

 これ1足で街からちょっとした山道まで走ることができるのだ。また最近筆者は普段履きのシューズとラン用シューズを兼用することが多かったのだが、このシューズは一般的なシューズと比較して体積がかなり少なく、リュックやトートバッグなどへコンパクトに収納でき、使い分けられるのも嬉しいところだ。

写真のように100円ショップなどで売っているベルクロテープ式の配線ベルトを活用すれば、通常のランニングシューズと比較してかなりコンパクトに収納できる

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。