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GWこそ大掃除に最適! いまやるべき3つの場所

暖かい時期に適した掃除箇所がある。換気扇もそのひとつ

大掃除に最適なのは断然、春から初夏。ゴールデンウイークごろだ。

世の中、合理性だけが全てではないのは重々了解しているのだが、やはり12月後半という時期にわざわざ大がかりな掃除をするという習俗は適していなさすぎる。気温が低く家の外も中も寒く、部屋の換気をするだけでもしんどいし、水も冷たすぎるので、それをお湯にするにもコストがかさみすぎる。

油汚れは寒さで固まり、それを剥がし落とすための温度も洗剤も労力も時間も必要としすぎる。もちろん気分や精神性なども決して侮れはしない。けどやっぱり「大掃除」はもっと暖かい時期にするに越したことはない。とはいえ暑くなっても身体が動かない。

そこでGW前の今、一般的に汚れが溜まっていても放置しやすい、日頃目につくわけでもなく、ゆえになんとなく先送りにしやすいのだが頭の片隅に引っかかっていて、発作的に年末大掃除で手がけてしまい後悔しがちな3カ所「換気扇」「ベランダ・外壁」「洗濯槽」を挙げ、念入りにもできるし手早くもできる方法を紹介する。

今やるべき理由と3カ所の掃除ポイント

換気扇掃除は汗ばむ陽気がチャンス

ちょっと動いたら軽く汗ばむくらいが換気扇掃除の最適気温だ。寒さでカチカチに固まっていた油汚れもベタベタ緩み出し、洗剤もお湯も必要最小限で済む。

【初夏掃除のメリット】

  • 油が柔らかくなっているので、洗剤の効きが良く乳化しやすい
  • 自然換気をしても寒くないので、掃除中換気扇を止めていても家の空気がこもらない
  • 高いところに上ってもまだ暑さでクラクラしにくい(真夏は危険)

【手早く済ませるポイント】

  • 換気扇(ファン)は洗剤を溶かした40℃くらいのお湯に30分〜1時間つけ置いて汚れを浮かせると作業しやすい
  • 壁面やレンジフードの垂直面には、洗剤が染み込んだ使い捨てウエットシートを貼り付け、湿布したのちに拭き取ると道具の始末をせずに済み便利
  • 時間や体力がないなら、一度に終わらせようとせず2~3回に分け、もし途中で切り上げても「やらなかったよりまし」とする

【念入りに掃除したいなら】

  • つけ置きした換気扇(ファン)をすすいで残った汚れは、ポリカーボネート製のヘラで隅々までこそげ落とす
  • 暖かくなってもまだ固い油汚れなら、溶剤を含んだ強めの油汚れ用アルカリ洗剤+エンボスシートで、30分湿布してからしっかり擦り落とす
  • 濡らした古タオルをレンジで2分チンしたホカホカの雑巾で仕上げ拭きすると、油分の白筋も残らず綺麗に

【おすすめのグッズ】
花王「マジックリンEX POWER こびりつき汚れ用つけおきパウダー」……過炭酸ナトリウムに界面活性剤が加わり汚れ落とし力が強い

花王「マジックリンEX POWER こびりつき汚れ用つけおきパウダー」は換気扇だけでなく水回りにも使える

ベランダ・外壁掃除は生き物の繁殖する季節の前に

住まいとはいえ屋外になるベランダや外壁の汚れは自然の、かつ「生き物」由来であることが多い。高まる気温と増える水分に比例して、ドロっとしたオレンジ色の菌のかたまりや、ただの黒ずみに見える苔やカビがどんどん広がっていく。掃除の辛い真冬と真夏のはざまに手をつけるのが大正解だ。

【初夏掃除のメリット】

  • まだ日差しがそこまで強くないが日が伸びているので、暖かく作業しやすい時間帯が長い
  • 昨秋の落ち葉や春の花粉などの汚れも一掃できる
  • ついでにこれからどんどん伸びる植木の手入れやベランダガーデニングの準備もできる

【手早く済ませるポイント】

  • 壁面の黒ずみ(苔、カビ)、オレンジ色のドロドロの菌には薄めた塩化ベンザルコニウム水溶液を吹き付け、放置するだけで不思議と消える
  • 泥や煤煙で汚れたタイルやFRP防水部分は、少量の食器用洗剤をたらした水の入ったバケツと食器用スポンジを用意し、手で擦る。足腰が痛い場合は柄の長い専用スポンジモップを使用する
  • 掃除後は水気を掻き取りしっかり乾燥させる

【念入りに掃除したいなら】

  • ベランダ排水溝や外壁の泥汚れなどは高圧洗浄機を使って一掃する
  • 雨戸、網戸、窓の外側などは大きなブラシ、スポンジなどカー洗浄グッズを使うと効率的
  • 防虫グッズを仕込む適時なので、虫が嫌いなら忘れずに

【おすすめのグッズ】
アリナミン製薬「オスバンS」……市販品の中でも入手しやすい塩化ベンザルコニウム溶液

アリナミン製薬「オスバンS」
100倍以上に希釈して使用する

洗濯槽掃除はお出かけ中にできるリセット作業

ゴールデンウイークが大掃除に最適と言われたところで、気候は良いのだしやっぱり外に出かけたいのは至極当然の感情だ。とはいえ洗濯槽の裏側はこの初夏から梅雨・夏にかけてカビや雑菌が繁殖、放置すればあの嫌な生乾き臭の原因になるが、掃除方法は基本「長時間の放置」のみ。つまりお出かけタイミングこそ掃除の好機だ。

【初夏掃除のメリット】

  • 水温が上がることで、洗濯槽クリーナーの成分がより活発に働く
  • 汚れ物が多くなり洗濯機を使う頻度がますます増える前に、リセットしておける
  • 洗濯槽清掃により毎日の洗濯物がますますいい匂いになる

【手早く済ませるポイント】

  • 市販の洗濯槽クリーナー(酸素系漂白剤など)を使用、洗濯機の「槽洗浄コース」をフル(長時間モード)で回す
  • 終了後はゴミ取りネットや排水フィルター、洗剤自動投入口もチェックし、必要なら水洗いする
  • 洗浄後は乾燥モードを使うか、しっかりフタを開けて中を乾燥させる

【念入りに掃除したいなら】

  • 洗濯機の外周、蓋の内側、洗濯機置き場周辺にもブラシがけ、掃除機がけを行ないホコリを一掃する
  • 傷んでいるゴミ取りネットは交換する
  • 洗濯機や脱衣カゴ周辺はゴキブリ発生ポイントなので、ついでに毒餌剤などを仕込んでおく

【おすすめのグッズ】

リンレイ「ウルトラハードクリーナー 洗たく槽用」……浸透と発泡の作用で汚れが激しく剥がれる

リンレイ「ウルトラハードクリーナー 洗たく槽用」
1剤を入れてつけ置き、2剤を入れて発泡が収まったら標準洗濯コースで運転して終了。購入時はゴミ取りネットが付属していた

GW掃除で暮らしをラクに

春から初夏という、このちょっと気持ちが明るくなっているタイミングで、1カ所でも手をつけておくことが、のちの自分の暮らしをラクにしてくれる。

例えば油汚れなら、夏の間は驚くほどシャバシャバに緩い。なので一度この初夏のタイミングで念入りな掃除をしておけば、しばらく手近なウエットシートなどで軽く拭くだけでも汚れが落とせるようになる。

翻って年末「またこの寒さの中で換気扇と格闘するのか……」などと絶望しないで済む。

気が向いたところから、ぜひ試してみてほしい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。