藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

油のこびりついた換気扇掃除には夏がピッタリ!? アルカリ性クリーナーでキレイに

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
ウルトラハードクリーナー 油汚れ用

例年8月のお盆が終わるころに、我が家では暮れの大掃除企画が動き出す。

大掃除といえば、鉄板の掃除箇所に「キッチン換気扇」がある。雑誌の読者アンケートなどで「もっとも大掃除したい場所はどこ?」と聞くと、たいてい一番か二番に換気扇が選ばれる。裏を返せばそれだけ普段掃除ができない場所だからだろう。

しかし率直に言って「暮れの大掃除」でキッチン換気扇を掃除するというのはあまり得策ではない。冬は気温が低く、レンジフードや換気扇ファンなどの油汚れ全般が固まりやすいというのが理由のひとつ。換気扇というのはダクト等で外気に直結しているため、想像以上に外気温の影響を受ける。

加えて、洗剤を使った後ですすぎに使う水の温度が、冬はとても低いというのがふたつ目の理由。お湯にしないと、油を溶かして乳化した洗剤成分をよくすすげない。冬の冷たい水を湯にするのにも、ガスなり電気なりでのコストがかかる。

あと、換気扇の位置的に椅子などを使ってよじ登らないといけないのだけど、万が一転落し怪我したときの医療機関が、暮れは開いていないことが多い。などなど、いろいろよろしくないせいだ。

ならばいつが換気扇掃除に適しているかといったら、それは圧倒的に夏である。油汚れは気温の影響でべとべとに柔らかくなり、水道から出る水はほぼお湯で、手間もコストも少なく済む。

そこに、今回ご紹介するリンレイの「ウルトラハードクリーナー 油汚れ用」が加われば、下手したらノータッチ換気扇掃除すら叶ってしまうかもしれない。

アルカリ性のクリーナー
使用上の注意

じつは、筆者はあまり一般ユーザーが「プロ推奨」系の洗剤を使うことをお勧めしていない。危険が伴うためである。本商品も主成分が水酸化ナトリウムでありアルカリが強く、はっきり安心安全系の洗剤とはいえない。

とはいえ使用上の注意を読み、それを守ることができる人であれば、過剰に怯える必要もないとは思う。最低限、眼鏡等で目をガードし、ゴム手袋などを装着し、素手では使わない。そして目より高い箇所は直接スプレーしない。そのうえで、各々の家のキッチンのコンロ、換気扇周辺の汚れを落としていけばいい。

筆者は洗剤や方法を替えながらおおむね3~4カ月に一度のペースで換気扇周りを掃除するようにしているが(とはいえ最長2年放置した前科はあり、反省した)、もっとも「手」と「時間」を省略できる洗剤がこれだ、という感触をもった。

たとえば、コンロ周りの磁器タイルはスプレーして数分後にペーパーで拭き取るだけで油の飛沫が落ちた。換気扇のシロッコファンは、取り外してシンクに置き、まんべんなくスプレーして20分放置し水ですすいだだけで、羽根に付いたホコリ混じりの油汚れがスルスル流れ落ちた。

筆者宅の場合グリスフィルターは無いタイプの換気扇なので、洗剤で湿らせたペーパーで整流板などを拭くほかなかったが、さっと拭くだけでも十分汚れは落とせた。その後、コンロやコンロ周り、換気扇ファン、レンジフード外周、ついでに冷蔵庫の上(えらいことになっていた!)まで掃除しても、1時間かからないほど。この程度の時間や手間なら大掃除とはいえず、呼びようはせいぜい「中小掃除」だろう。

注意することといえば、換気扇周りの気温は、ダクトのせいで部屋の気温とは大幅に異なり、かなり高い。真夏に掃除をする際には部屋のエアコンをガンガン効かせることをおすすめしたい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。