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シミ、黄ばみ……衣類のトラブル対処法をお洗濯マイスターに聞きました
2024年10月18日 08:05
お気に入りの服にシミがついてしまった、久しぶりに着ようと思ったら黄ばんでいた……。そんな誰もが経験したことがあるであろう衣類のトラブル。解決策や予防法を、ライオンのお洗濯マイスター・大貫和泉さんに教えてもらいました。
・外出先でシミがついたときの対処法
・シミや汚れの適切な落とし方
・シャツの襟の黄ばみは白くできる?
・汗のニオイや臭いタオルのニオイ落とすには
・縮んだニットは元に戻せる?
・手洗いマークが付いていても洗濯機で洗える?
・おしゃれ着洗剤でもちゃんとキレイになる?
【Q】服に食べ物や飲み物をこぼしてしまった! 外出先ですぐには洗えない時の最適な応急処置は?
【A】汚れに合わせた応急処置を行ない、帰宅後にシミをしっかり落とすことが必要です。ゴシゴシと擦ってしまうとシミが広がり、かえって落ちにくくなってしまうため、注意しましょう。
例えば、ミートソースなど固形物の場合は、ティッシュでつまみ取ります。しょうゆ、ワイン、コーヒー、パスタソース、カレー、ハンバーグソース、焼肉のタレといった水溶性の汚れに対しては、水で濡らしたティッシュでつまんで、汚れを移し取った後、乾いたティッシュで押さえて、水分を取り、自然乾燥させましょう。バターやチョコレートなど油溶性の汚れは、乾いたティッシュで軽くつまんで、油分をできるだけ移し取りましょう。
なお、飲食店などのおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されている場合があります。使用することで、色柄部分が色落ちしてしまうことがあるため、使わないようにしましょう。
外出する際には「携帯用のシミとり剤」を持ち歩くのが安心です。水溶性と油溶性のどちらのシミにも効果を発揮するものがおすすめです。
応急処置で目立たなくなっていても、そのままにしてしまうと、時間とともにシミが濃くなり取れにくくなります。帰宅後、お洗濯する際は、「液体酸素系漂白剤」や「シミ用の部分洗い剤」をシミに直接塗ってからお洗濯するか、シミとり剤を使ってシミ抜きを行ないましょう。
【Q】シミや汚れの落とし方を教えて!
【A】それぞれの汚れに適した洗剤、適した方法で落としてあげることで、よりきれいになることが期待できます。以下に汚れの種類と洗い方のコツを紹介します。
泥汚れ
泥汚れは、最初の水洗いによって繊維の中に染み込んでしまう可能性があります。部分的な泥汚れであれば、乾いた状態ではたき落とした後、液体洗剤を直接塗布してから水洗い、もしくは洗濯機で洗います。汚れが広範囲の場合は、洗剤を水に溶かした洗剤液につけて軽くもみ洗いし、すすいだ後に洗濯機で洗います。それでも落ちない場合は、濃いめの洗剤液に2時間程度つけおいてから洗う「つけおき洗い」がおすすめです。
カレー
カレーの固形物を取り除き、シミの部分に液体タイプの酸素系漂白剤を塗布した後、洗濯機で通常どおりにお洗濯します。この際、酸素系漂白剤を使用できる衣類かどうか、事前に洗濯表示を確認しましょう。
カレーのシミは、部屋干しよりも外干しをするほうが薄くなります。紫外線により、カレーに含まれるクルクミンの色素がだんだん退色して色が薄くなっていく性質があるためです。衣類によっては外干しで紫外線に当てることによって、衣類自体の退色を起こしてしまう場合もあるので、あらかじめ洗濯表示を確認しましょう。
血液
水か40℃以下のぬるま湯でできるだけ早く洗い流し、液体タイプの酸素系漂白剤を直接塗布して洗濯機で洗います。時間が経った血液汚れの場合は、液体酸素系漂白剤を塗布後、洗剤を溶かした洗剤液に入れてつけおきし、ふだんどおりに洗濯します。
【Q】久しぶりに着ようとしたTシャツの襟部分が黄ばんでた! 白くする方法はある? 予防法も知りたい
【A】黄ばみが気になる時には、「つけおき洗い」が効果的です。洗濯桶や洗面器に入れた40℃以下の水5Lに対して、洗剤は商品の「使用量の目安」に書いてある水量30Lの時の分量を投入します。加えて、液体酸素系漂白剤を使用量の目安に従って投入し、30分~2時間程度つけおきします。液体酸素系漂白剤は洗濯表示で使用の可否を確認し、使用できない場合は洗剤のみでつけおきしましょう。
つけおき後は、縦型洗濯機の場合は、つけおき液ごと洗濯機に入れ、他の洗濯物と一緒にお洗濯します。ドラム式の場合は、衣類を軽く絞ってから洗濯機に入れて通常どおりお洗濯します。
黄ばみはできてしまうと、落とすのがとても大変です。そこで、予防には毎日のお洗濯で黄ばみの原因となる皮脂汚れをしっかり落とすことが大切です。襟・袖口の汚れの気になる部分には、液体洗剤を直接塗布してから洗濯機へ入れましょう。その際、洗濯機に入れる洗剤は、塗布した分量を差し引いた量を入れます。
【Q】衣類に染みついた汗のニオイや、洗っても落ちないタオルのニオイなど、頑固なニオイを落とす方法は?
【A】頑固なニオイを落とすには、黄ばみ対策同様に、酸素系漂白剤を使用した「つけおき洗い」が効果的です。
【Q】ニットを縮ませないように洗濯する方法はある?
【A】ニットは一度縮んでしまうと、もとに戻せないことが多いです。そのため、ニットの縮みを抑えるために、手洗い、あるいは洗濯機の場合はたたんで洗濯ネットに入れて、「手洗いコース」「おしゃれ着コース」「ドライコース」など、弱水流のコースを選んでやさしく洗うことで縮みを防ぎましょう。その際、洗剤は型崩れ防止効果のある「おしゃれ着用洗剤」を使用するのがおすすめです。
羊毛(ウール)やカシミヤなどは洗濯中の摩擦などによって縮みやすい素材です。やさしく洗うことで縮みを防ぎましょう。
【Q】手洗いマークが付いている衣類は、洗濯機の「手洗いコース」で洗っても問題ない?
【A】手洗いマークが付いている衣類を洗濯機で洗う場合は、まずはお使いの洗濯機が手洗いマークの衣類を洗えるどうかを取り扱い説明書などで確認しましょう。
「標準コース」の洗濯工程は、洗い→排水・脱水→すすぎ→排水・脱水→すすぎ→排水・脱水という順が一般的です。水位、洗い・脱水時間、すすぎの回数を任意で変更することができ、タオル、肌着、靴下、パジャマなど普段着のお洗濯に適しています。
「手洗いコース」はやさしい水流や軽めの脱水で、デリケートな衣類をやさしく洗うコースです。機種によっては、「おしゃれ着コース」「ドライコース」「ソフトコース」「おうちクリーニングコース」など、呼び方が異なります。ニット、ワンピース、スカート、制服、スーツなど型くずれしやすい衣類に適しています。
【Q】「おしゃれ着用洗剤(手洗い用洗剤)」ってなんとなく「やさしい」イメージだけど、ちゃんと汚れは落ちる?
【A】「おしゃれ着用洗剤」とは、ニットやレースといったデリケートな衣類や、型くずれを防ぎたい衣類をやさしく洗い上げる、衣類用の中性洗剤です。ふだんのお洗濯で使う「一般衣料用洗剤」にはない、型くずれ、色あせ、毛玉などの防止効果がある成分が入っているのが特徴です。
汚れ落ちについては、手洗いや「手洗いコース」など洗濯機の弱水流コースでやさしく洗っても、汚れやニオイをスッキリ落とすように調整されています。
一方、一般的な衣類用洗剤の場合、「標準コース」で洗った際に、汚れやニオイをすっきりと落とすように調整されています。
日ごろのケアでお気に入りの服を長く着る
お気に入りの衣類は長く愛用したいもの。日ごろのちょっとしたケアやトラブル後の速やかな処置によって、簡単に長持ちさせることができます。今回、ご紹介したお洗濯マイスター・大貫和泉さんによるアドバイスをもとに実践してみてください!