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家電大賞11年連続受賞、ダイソンの人気はなぜ?

数々の進化。掃除機は「吸う」から「磨く」へ

なぜダイソンの掃除機は、ここまで長く支持されてきたのか。家電ライターの田中真紀子さんに、ダイソンの魅力について家電 Watchの中林 暁 編集長が話を聞いた

数多くのコードレス掃除機がある中で、ダイソン製品を使ったことがある人から聞くのは「他の製品も使ってきたけれど、やっぱり使い続けたいのはダイソン」という声。一方で、「ダイソンは人気だけれど、他の製品とはどう違うの?」と、まだ購入を迷っている人もいるかもしれない。

ダイソンの機能面での特徴で知られているのはやはり「吸引力」。それだけではなく、光による「ホコリの見える化」や、最新モデルPencilVac(ペンシルバック)のスイスイ動くような新しい掃除体験など、いくつも魅力的な部分がある。

これまで積み重ねてきた進化によって、ただ「ゴミをなるべく多く吸い集める」レベルを超え、まるで拭き掃除をした後のような”磨く”域にまで達した、という表現が今のダイソンの掃除機には合っている。これが、一度ダイソンを体験すると離れられない理由の一つではないだろうか?

今回は、家電ライターの田中真紀子さんに、これまで数多くの掃除機を使ってきたからこそわかるダイソンの魅力と、最新モデル「Dyson PencilVac」の良さについて家電 Watchの中林 暁 編集長が話を聞いた。過去のモデルも振り返りながら、ダイソンがこれまで掃除機にどんな変化をもたらしてきたのか、現在も多くの人に選ばれ続けるのはなぜなのか、その理由が浮かび上がってきた。

“コードレスはサブ機”という常識を変えた

中林編集長:ダイソン製品の良さは、これまでの多くのモデルで進化を続けてきた蓄積によって生まれているように思います。私たち「家電 Watch」は、ワン・パブリッシング社のアイテム情報誌「GetNavi」と共同で「家電大賞」を実施していますが、この賞が始まったころのダイソンのコードレス掃除機Vシリーズは、2016年受賞の「V6」や、2017年受賞の「V8」などが人気でした。その頃、ダイソンに対してどんなイメージをもっていましたか。

田中さん:ダイソンは「みんなの憧れの家電」という印象が強いブランドで、私にとってもそうでした。それで、実際に使ってみたら、本当に驚きましたね。

かつての「コードレスはあまり吸わない」という常識を覆して、「これならメインの掃除機として使えるかもしれない」と感じるだけの吸引力がありました。吸い込んだときにヘッドが床にピタッと吸い付いて、しっかりゴミを取っている感覚がとても心地よかったです。

中林:以前のコードレス掃除機は、メインに使うというよりは、「2階用」などのサブ機のイメージもまだ強かったですよね。

田中さん:最初のコードレス掃除機は(スティックが短い)ハンディタイプが主流でした。使って5分経たずに切れてしまうこともありましたね。ダイソンは立ったまま自然な姿勢で掃除ができるサイズ感なども含めて「ちゃんと掃除機をかけている」という実感につながりましたし、かつてのコードレスとは別物だと感じましたね。

中林:一般の方からの評価でいえば、家電大賞が始まってから現在までの11年間、ダイソンは連続で受賞してきました。家電大賞は読者投票で決まるアワードで、投票時に寄せられるコメントも、家電に対する熱い想いが込められていることが少なくありません。

第1回(2016年)に掃除機部門で受賞したDyson V6 Fluffyについては「吸引力が凄いのにコードレスでコンパクトでとても使いやすい! 買ってよかったと思える商品」というコメントが届いたほか、全家電のなかでグランプリを獲得したDyson V8 Fluffyには「メンテナンスの改善、使用時間の延長と不満点を全て解決した」という声がありました。

Dyson V6 Fluffy:特許技術のサイクロン構造を採用。強い遠心力でゴミと空気を分離し、フィルター任せにせず吸引力の低下を抑える技術で、高い吸引力と集じん力を実現。フローリング専用の「ソフトローラークリーナーヘッド」を初搭載し、大きなゴミと微細なホコリを同時に吸引できる構造は、当時のコードレス掃除機として非常に画期的だった

中林:2018年には「V10」が登場しましたね。ダイソンの創業者ジェームズ・ダイソンさんが“コード付き掃除機への別れ”を告げた、象徴的なモデルでもあります。まさに2018年は、国内でスティック掃除機の販売数量構成比が、キャニスタータイプを初めて上回った年でもありました。

田中さん:V10で一番印象的だったのは、モーターと気流設計の変化です。以前はモーターが横向きに配置されていて、L字型のようなシルエットで、一度空気の流れを曲げてからヘッドへ送る構造でした。

V10ではモーターが本体と一直線上に並び、空気もヘッドまでまっすぐ流れるようになりました。そのぶんパワーをダイレクトにヘッドへ伝えられるようになって、気流のロスがぐっと減ったと感じています。

振り返ると、コードレスが本格的に“メインの掃除機”として前面に出てきた、大きなターニングポイントだったと思います。

Dyson Cyclone V10:パワフルな吸引力により、コードレスをメイン機として使う流れを大きく加速させた

光で“掃除の終わり”が見えるように

中林:2022年に受賞した「Dyson V12 Detect Slim」は、光でゴミを可視化するヘッドがかなり革新的でしたよね。

田中さん:それまでも他社にもライト付きヘッドはありましたが、役割としては“暗いところを照らして見やすくする”程度でしたよね。それがダイソンでは、光によってホコリを浮かび上がらせて、「ここにこれだけゴミがあります」とはっきり見せてくれるようになりました。

Dyson V12 Detect Slim:光で床のホコリを可視化。光が緑色なのは、ホコリが最も見えやすいとされるため

田中さん:それに、センサーで粒子を検知し、「どれだけ汚れていて、どれだけきれいになったか」を液晶ディスプレイに数値で表示してくれる機能も画期的でした。汚れ具合と掃除の結果が“見える成果”として示されるので、掃除のモチベーションアップにも直結します。

ちょうどコロナ禍で家の中の衛生環境への意識が高まり、「汚れを残したくない」と感じる人が増えたタイミングと、きれいさを数値やグラフで見せてくれるこの機能が、うまくかみ合っていたと感じました。

吸い込んだ粒子の量やサイズをわかりやすく表示

最新のPencilVacがもたらした新しい掃除の常識とは?

Dyson PencilVac Fluffycones

中林:2026年に受賞した最新モデル「Dyson PencilVac Fluffycones(ペンシルバック フラフィコーンズ)」は、これまでのダイソンとは形状も大きく変わりました。実際に使い続けているそうですが、率直な感想はどうですか?

田中さん:すごく良いです。まず、ペンシルと付くボディは驚くほどスリムで握りやすい。それに重量は1.8kgと最軽量クラスで、体感としても今までより格段に軽いですね。

動かすときの抵抗も少なく、浮遊感があってサーッと進んでくれるので、力がほとんどいりません。ゴミが気になったときにサッと手に取りやすいので、「掃除機を出して、かける」という一連の作業への心理的なハードルがぐっと下がりました。

中林:一方で掃除の基本性能の高さについても評価されていて、家電大賞に投票した読者からも「スリムなデザインで軽量なのに吸引力はしっかりあり、ベッドの下が掃除しやすくてびっくりしました」とのコメントがあったのが印象的でした。

田中さん:PencilVacは小さくてもパワフルなモーターを搭載しています。このサイズで吸引力はありながら、より暮らしになじむモデルとして、掃除機が“次のステージ”に進んだと感じました。

スリムな本体ながら、パワフルなモーターと新構造により、ダイソンらしい高い吸引力
本体直径38mmとダイソン史上最もスリム
2つのブラシがそれぞれ逆方向に回転し、ヘッド底面にある4つのキャスターが床との摩擦を減らすことで、浮かぶような軽い操作性を生み出している

中林:ヘッドの前後を気にせず、押しても引いても同じようにゴミを取れて、左右にもスルスル動かせる。床の上を縦横無尽に走らせられる点も特徴ですよね。

田中さん:思い通りにヘッドが動いてくれるので、家具が多くて狭い場所でもとても使いやすいです。丸脚の家具の周りもくるくるっと回り込むように掃除できますし、冷蔵庫とシンクの間のような、ほんのわずかなすき間にも、手首をくるっと回すだけでヘッドが縦向きになってスッと入り込んでいきます。方向転換も軽やかで、鼻歌まじりで部屋中を歩き回りながら掃除してしまうくらい、心地よいですね。

中林:お手入れの部分でいえば、ブラシも円筒形ではなく4つの円すいを組み合わせて先端へ向けて細くなる形状なので、巻き取った髪の毛や糸くずが中央にたまりにくく、先端側へ自然に逃がされる構造になっているのも、ダイソンらしい革新的なポイントでしょう。

田中さん:実際に使い続けていますが、毛は絡んでいませんね。ゴミ捨てのときにダストボックスを見ると、ちゃんと髪の毛や細かいカケラが中に入っているので、昔の掃除機はヘッドから髪の毛をはがす作業が必要だったことを、今は忘れてしまうくらいですね。

中林:床のゴミを見えやすくする光は、前だけでなく後ろにも付きました。

田中さん:光が付いていなかった頃は、目に見えるゴミをなんとなく取り切ったところで「このくらいでいいかな」と感覚的に終わらせていたと思います。でも、ホコリが光の中に見えるようになると、「このホコリが全部消えるまできれいにしよう」というゴールが生まれる。実際、ホコリが見えなくなった瞬間の達成感がとても大きくて、「これでちゃんと終わった」と実感できるようになり、結果的に家がきれいになることにつながっています。

ゴミ捨ては、ヘッドを外して本体のレバーをスライドするだけで簡単
充電スタンドは設置面積を抑えた新デザインで、本体をマグネットでワンタッチ着脱できるようになっている

中林:PencilVacは、いろいろな面で“サッと掃除しやすい”のが大きな特徴ですね。機能面で見ると、やわらかいフェルト素材のローラーが毎分1,000回転して床表面をなでるように「拭い」、強力な吸引でしっかり「吸い」、さらにLEDでホコリを「逃さず見せる」ことで取り残しを減らすアプローチになっています。そう考えると、単にゴミを吸うだけというより、床を“磨き上げる”ような仕上がり感がありますね。

田中さん:そうですね。実際、掃除のあとに床を歩いたときの足裏の感触がとても気持ちいいんです。フローリングがさらっとした状態に仕上がるので、これまで「フローリングワイパーで十分かな」と思っていた人にとっても、PencilVacは有力な新しい選択肢になり得ると思います。

長年の信頼が「次もダイソン」につながる

「ダイソンを選び続けているケースが、周りを見ていても多いと感じます」(田中さん)

中林:ここまでダイソンの軌跡を振り返ってきましたが、革新的な点は本当に多いですよね。そうした特徴が評価されているのか、実際のユーザーの動きを見ていると、「一度ほかのメーカーに乗り換えたけれど、結局ダイソンに戻ってきた」という人が多い印象もあります。

田中さん:そうですね。「ダイソンってすごいって聞くけど、実際どうなの?」という評判ベースで手に取った人が、「本当に良かった」と感じて、その次のモデルでもダイソンを選び続けているケースが、周りを見ていても多いと感じます。

ダイソンは、カタログの数字だけでは伝わらない良さも本当に多いブランドです。コードレス掃除機はそもそもスペックの見せ方が難しいのですが、モーターとヘッドを直結させたり、気流制御で特許を取ったり、密閉性を高めて狭いところからゴミをかき集めるなど、細かな技術の積み重ねで今の性能を実現しているんですよね。

単なるスペック競争にとどまらず、使い続けたときの満足感や信頼感で選ばれているブランドだとあらためて実感しています。

中林:こうした掃除性能と使いやすさの両面で確かな技術があることが分かります。日常に溶け込む使い心地が実現されているからこそ、長く使って「やっぱり良かった」と感じる人が多い。だからこそ、「やっぱり次もダイソンにしたい」という思いにつながるのでしょうね。

【家電大賞を受賞した歴代ダイソン製品】

受賞年受賞製品製品の特徴
2016Dyson V6 Fluffyソフトローラーヘッドを搭載。フェルト素材が床に密着し、大小のゴミを同時に捕集
2017Dyson V8 Fluffy吸引力をアップしながら、連続運転最大40分に延長
2018Dyson V7 FluffyV6の軽量性とV8の機能性を両立したバランスモデル
2019Dyson Cyclone V10直線的デザインで吸引力向上。コード付きモデルからの転換
2020Dyson V11運転の残り時間がひと目で分かる液晶を搭載
2021Dyson Digital Slim約1.9kgの小型軽量設計。バッテリーが着脱式に
2022Dyson V12 Detect Slim光でホコリを可視化する機能が追加
2023Dyson V12 Detect Slim Complete毛の絡まりを自動で解消する新ヘッドと豊富なツールを搭載。豊富なアタッチメント
2024Dyson Gen5detect Absolute第5世代モーターで強力な吸引力。内蔵ツールで瞬時にハンディ化
2025Dyson WashG1初の水拭き特化型。固形ゴミと液体汚れの同時除去/分離回収
2026Dyson PencilVac Fluffycones超スリムな直径3.8cmかつ軽量な1.8kg。全方位可動のヘッド

撮影:木村 和敬

(提供:ダイソン)