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いま補助金でお得?「窓リフォーム」で電気代は変わるのか、LIXILで体験
- 提供:
- LIXIL
2025年8月8日 10:00
電気代の高騰が続くいま、節電したいと考える人は多いはずです。でも、今の日本はエアコンなしでは命に関わる気温。暑さや寒さをガマンで乗り切るのは現実的ではありません。
そこで注目されているのが、入れものである家の断熱性能を高めて冷暖房の効率を上げる方法。なかでも建材メーカーであるLIXILが提案するのは「窓」の断熱リフォームです。熱の出入りが大きい窓だけの強化でも、コストを抑えながら十分に快適性がアップするというわけです。
しかも今年中に工事をすれば、補助金制度の活用で費用を半額程度に抑えられる可能性もあるので、検討するには今がちょうどいいタイミング。
とはいえ、「本当に窓だけで違いがあるの?」「コストはどれくらい?」など気になる点も多いでしょう。そこで今回は、LIXILの体験型ショールーム「住まいStudio」にて、断熱性能の違いを0℃環境下で比較体験。あわせて補助金やリフォーム費用についてもチェックしてきました。
熱の出入りの6~7割は窓からって知っていた?
「断熱」とは、室内の暖かさや涼しさを外に逃がさず、外気の暑さや寒さを室内に伝えにくくするための仕組み。断熱性能が高いと冷暖房の冷気や熱が逃げにくくなり省エネ性がアップしておサイフに優しいほか、家の中の温度差を減らすことで健康リスクを抑える効果も期待できます。ただし、一口に断熱といってもその性能はさまざま。現在の日本ではこの性能を「断熱等級」という基準で7段階に分類しています。等級の数字が大きいほど、断熱性能が高くなるのが特徴です。
これらを踏まえて日本の断熱事情は……というと、実は世界的にみてかなり残念なのが実情。日本に約5,000万戸あるといわれる既存住宅のうち、およそ9割が1992年基準(等級3)以下の断熱性能しかありません。しかも全体の6割以上は1980年基準(等級2)以下なのだそう。
これは、イギリスやドイツといった断熱先進国と比べても大きな差。たとえばイギリスでは、WHO(世界保健機関)のガイドラインに沿って、冬場の室温が18℃を下回らないことが健康の観点から推奨されています。このため、新築住宅は日本の等級5以上、場合によっては等級6に近いレベルの断熱性能が義務化されているそうです。
日本も2025年4月から新築時に断熱性能を4等級(2016年基準)以上に引き上げることが義務化されました。数字だけ見ると「9年前の基準?」と思うかもしれませんが、現時点でその水準すら満たしていない住宅が圧倒的多数なのです。逆にいえば、既存住宅の多くは、断熱リフォームをすることで驚くほど快適かつ省エネな家に生まれ変われる可能性があります。
断熱性能は高ければ高いほど快適で、冷暖房の効きも良くなり、省エネ効果も向上します。ただし、それに比例してリフォームのコストも飛躍的に上がるため、やみくもに最高等級を目指すのが正解とは限りません。では、できるだけ無駄なコストをかけず断熱の効果を実感したい場合はどうすれば良いのでしょうか。
LIXILによると、この答えは「窓」。
というのも、エアコンの冷気や暖房の熱は家のあらゆる場所から逃げますが、その「熱が逃げる出口」の約6~7割は窓や玄関ドアといった開口部なのです。
どの等級を選べば正解? 実際に3つの断熱性能を体験!
断熱性能を上げると住まいは快適になる――それは理屈ではわかっていても、「実際にどれくらい違うの?」「うちの場合はどの等級を目指せばいいの?」という疑問は尽きません。そこで今回は、「住まいStudio」にて断熱等級の異なる3つの家を実際に体験してきました。
体験できるのは、1980年基準(断熱等級2)の「昔の家」、2016年基準(等級4)の「今の家」、そして等級6である「これからの家」の3タイプ。それぞれの部屋が、外気温0℃の空間内に設置されています。どの家も掃き出し窓があるリビングがあり、そのほか廊下とトイレが配置された、共通レイアウトです。また、リビングには設定20℃で運転するエアコンを1台設置しています。
現在は夏ということもあり「断熱による冷房の効きの違いが知りたい」と感じる人もいるかもしれません。もちろん夏でも断熱性は重要ですが、実はエアコンの電気代がかさみやすいのは冬。たとえば、室温40℃の部屋を25℃に冷やす場合、温度差は15℃ですが、冬は0℃の室温を25℃まで暖める必要があることも。つまり、夏よりも冬のほうがエアコンがカバーすべき温度差が大きく、エネルギー消費も大きくなりがちなのです。そのぶん、冬こそ断熱性能の差が光ります。
昔の家
体験は、もっとも断熱性能が低い「昔の家(等級2相当)」からスタート。約45年前の一般的な家ですが、部屋に入った途端、胸より上はあたたかいのに、膝より下は底冷えを感じます。実際に部屋の温度を測定してみると、胸元付近は22℃以上あるのに対して床温度は16.9℃。一般的に「身体の上下で温度差が4℃以上あると不快に感じやすい」そうなので、これはかなり不快な状況といえそうです。
エアコンがあるリビングをサーモグラフィーでチェックすると、窓付近と部屋の下側が黒や濃い青の暗い色になっており、窓付近がとくに冷えているのがわかります。実際に窓の近くに立つと、エアコンを運転しているのにゾクゾクとした冷気を感じます。
今の家や未来の家では暖かさにどんな違いがある?
今の家
次に入ったのは「今の家(等級4相当)」。これは約9年前の基準の家で、今年からは新築される全ての住宅がこの基準以上の断熱性能が必須となります。
部屋に入ると空気はややヒンヤリしているものの、足元と顔の温度差はあきらかに軽減しているのがわかります。温度を計測してみると、胸元付近は22.9℃なのに対して床温度は19.9℃で「温度差4℃以内」の条件もクリア。
部屋をサーモグラフィーでチェックしてみると、一番大きな違いはやはり窓です。「昔の家」では黒に近い濃いブルーだった窓付近が、「今の家」では全体的に緑がかった明るい色になりました。窓を触るとガラス特有の冷たさはあるものの、「昔の家」のような「窓の近くに立っているだけでゾクゾクとした寒気を感じる」ことはありません。
これからの家
最後に体験するのは等級6である「これからの家」。この部屋は入った瞬間、明らかに暖かい。とても今までの2部屋と同じエアコン設定温度(20℃)とは思えません。実際に温度を測ってみると、胸元付近はなんと24℃以上。そして床温度も21.8℃とエアコンの設定温度以上の暖かさがありました。廊下やトイレも20℃近くあり、エアコン1台で家全体を暖められることが体感できました。
この部屋もサーモグラフィーでチェックしてみると、驚いたことに部屋全体がほぼ均一な黄色になっていました。窓も床面近くに少し青い部分があるものの、ほぼ全体が黄色に近い色。実際にガラス面に触ってみても冷たさは感じません。ガラスというより樹脂を触っているような感覚です。
また、サーモグラフィーで驚いたのがエアコン吹き出し口の色。ほかの部屋のエアコン吹き出し口は白色などの高温だったのに対し、「これからの家」のエアコンは吹き出し口の温度が低め。つまり、「これからの家」は他の部屋よりエアコンを弱いパワーで運転しているのに、部屋の温度は他より高いのです。
結局電気代はどれだけ変わる? 「これからの家」では暖房代が約1/4に
体験した3つの部屋では、それぞれの断熱性能によって年間の暖房にかかる電気代も表示されていました。リビング1部屋の1年間の暖房費を比較してみると、最も断熱性能が低い「昔の家(等級2相当)」は約28,000円。一方、「今の家(等級4相当)」では約13,000円、「これからの家(等級6相当)」ではわずか約7,000円にまで抑えられていました。
この試算は、電気代単価を1kWhあたり27円で計算したもの。現在はさらに単価が上がっているため、実際の出費差はもっと大きくなる可能性があります。それでも、この結果から断熱性能の差によって暖房代が4分の1にまで変わることがわかります。
もちろん、これは壁や換気システムを含めて家全体を高断熱化した場合のシミュレーション。しかし、前述の通り窓からの熱の流入出は大きな割合を占めているので、窓を断熱性能の高いものにリフォームするだけでも電気代を大きく抑えられることが期待できます。
思ったより安くなるかも? 自分の家の窓リフォーム代をチェック
暖房代が4分の1になると聞いても「リフォームのお金をかけて元は取れるの?」と思う人も多いはず。たしかに、家全体の断熱リフォームとなると100万円単位の費用がかかる場合もあります。しかし、LIXILが提案する「窓だけ」の断熱リフォームは、効果とコストのバランスがとりやすいのがポイント。そして、いま断熱リフォームが注目されている理由のひとつに「補助金制度」の存在もあります。
現在、日本はカーボンニュートラルの実現を目指しており、断熱性の高い窓へのリフォームに対して最大で工事費の半額を補助する制度「先進的窓リノベ2025事業」が展開されています。この補助金制度は2022年から始まったもので、3年ごとに制度が見直されます。2026年以降の補助金の予定はまだわからないため、今のところ「確実に補助金がもらえる」のは今年2025年中に着工する工事まで。補助金が今後も続く可能性はあったとしても、現時点(2025年8月現在)でいえば、今の割合で確実に補助してもらえるのは今年だけなのです。
LIXILでは、この補助金を使った場合に、工事費を含めてどれくらいの費用で窓リフォームができるのかをシミュレーションできる専用サイトも用意しています。
筆者もこの機会に実際の住まいで試してみました。築25年の戸建てで、熱気や冷気が気になる大きな掃き出し窓は3カ所。さらに、西日などが気になる中型の窓は2カ所あります。この5枚の窓を対象に断熱リフォームをシミュレーションしてみたところ、参考価格は802,000円。そこに国の補助金が283,000円出るとの結果になりました。
さらに東京都では、「クール・ネット東京」という独自の補助制度も展開中。国の補助と組み合わせることで、より大きな金額のサポートが受けられるケースもあります。
筆者は東京都在住のため、クール・ネット東京の制度も活用すれば、50万円を切る費用で工事ができそう。決して安い金額ではありませんが、思ったより手が届く価格だなという印象です。
20年以上付き合っていく家の快適性と今後の電気代の削減効果を考えると、窓リフォームはなかなかコストパフォーマンスの高い投資といえそう。窓の断熱リフォームは、派手なリノベーションとは違って外観も変わらず、短期間で完了する点も魅力です。
本格的な冬が来る前に、そして補助金が確実に使える「今年のうちに」、まずは自分の家の窓をシミュレーションして、現実的な選択肢として断熱リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
(提供:LIXIL)




















