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洗濯機の完成形!? 節電+ラクを両立した日立ビッグドラム

日立 ビッグドラム BD-STX130J

家電 Watchの洗濯機レビュー記事でもおなじみ、家電ライターの田中真紀子さんが、11月に発売される注目の新しい「ビッグドラム」をいち早く取材。気になる進化ポイントを聞いて、その魅力を確かめてきました。

取材&執筆:家電ライター 田中真紀子
生活家電、キッチン家電、美容家電など幅広い製品を実際に使ってレビューを執筆。洗濯機では自宅に各社のドラム式洗濯乾燥機を入れ替えて設置、試用した連続レビュー記事も人気。
※本稿は日立グローバルライフソリューションズから田中真紀子さんに依頼し、その内容をあらかじめ同社で確認して掲載しています

洗濯物を干して取り込む手間が省けて、家事の時短になることから人気のドラム式洗濯乾燥機。欲しいけれど、洗浄力が高いのはどれ? 乾燥の仕上がりがいいのは? 電気代が安いのは? ……悩みに悩んで、購入に踏み切れない人も多いのではないでしょうか。実際、ドラム式は各メーカーで得意とする機能が異なるため、筆者もこれまでは「重視したい機能を優先して選ぶといい」と考えてきました。

しかし今回、日立グローバルライフソリューションズ(日立)から、全方位的に高機能なドラム式洗濯乾燥機が今年11月に発売されることに。それが「らく・はや・きれい」というキーワードに省エネ性まで実現した、洗濯13kg/乾燥7kgのドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム BD-STX130J」です。ひと足先に実機を見てきましたが、これは「もうドラム式選びに迷わなくていいかも?」と思えるほどの完成度。さっそくご紹介しましょう。

ヒートポンプと風アイロンが乾燥性能と省エネ性を大幅アップ!

まず驚いたのが、洗濯容量13kg/乾燥容量7kgの大容量を実現したこと。洗濯乾燥機は年々大容量化が進んでおり、最近は洗濯12kgの大容量モデルが出てきたな、と思っていたところ、洗濯/乾燥ともに1kgアップしてきたのです。洗濯物1kgといえばシーツ2枚分なので、まとめ洗いしやすくなれば節電/節水にもつながりますし、毛布なども気兼ねなく洗えます。ドラム槽が大型化しているぶん、衣類をフワッと舞わせて乾燥できるので、さらなるシワ軽減も期待できそう。

一方、本体サイズも大きくなったのでは、と思いましたが、外寸は従来モデルとほぼ同等で、従来モデルが置けたわが家にも置けると、ひと安心。大型化したドラム槽は投入口までの高さを約510mmにすることで、洗濯物の出し入れしやすさにも配慮しています。

多くためてしまいがちな洗濯物。洗濯容量13kg、乾燥容量7kgでたっぷり洗えます

ところで「ドラム式洗濯乾燥機は各メーカーで得意とする機能がある」と先ほど説明しましたが、日立の得意とする機能は、乾燥時のシワが少ない「風アイロン」です。本体手前の吹出口から高速風を吹き付け、衣類のシワを伸ばしながら乾燥する機能で、「アイロンなしで着られる仕上がり」と高く評価されているのです。この「風アイロン」を実現できたのは、“モーターの日立”だからこそ。優れたモーターを搭載したファンが高効率な風を生み出し、手前から衣類に直接風を当てることにより可能となっています。

ビッグドラムの大きな特徴「風アイロン」

一方で、気になってしまうのが電気代。洗濯機の乾燥方式には、除湿しながら低温で乾かす「ヒートポンプ式」と、ヒーターで温めた温風で乾かす「ヒーター式」がありますが、ヒーター式はドライヤーの温風を長時間当て続けるようなものなので、どうしても電気代が高くなってしまいます。日立は従来、「風アイロン」の高い乾燥性能を担保するためにヒーター式を採用してきました。

しかし今回、「風アイロン」の良さを維持しながら、ヒーター式からヒートポンプ式に変更! 乾燥の仕上がりの良さはそのまま、電気代を抑えられる「らくはや 風アイロン」に進化したのです。

では電気代はどれくらい安くなったかを従来モデルと比較すると、「BD-STX120HL」の1回あたりの洗濯~乾燥6kgの消費電力量が約1,570Wh、電気代が約48.7円であるのに対し、新モデル「BD-STX130J」の洗濯~乾燥7kgでは消費電力量が1,150Wh、電気代は約35.7円と大幅な省エネに。これなら今のエネルギー価格高騰の時代も安心して使えそうです(目安単価31円で計算)。

※衣類の量や種類、使用環境、利用者の契約内容により電気代が異なります

※データは一般社団法人 日本電機工業会・自主基準「乾燥性能評価方法」によるものです
※電力料金目安単価31円/kWh(税込)。2022年7月改定、家電公取協調べ。2023年7月現在

乾燥方式が変わったことに合わせて、「風アイロン」の風質も変わりました。従来は、高速風をピンポイントに衣類へ当てていましたが、本モデルは高速なだけでなく、高速風×大風量の風を衣類に面で当てるようなイメージで“吹き付け力”が高まり、乾燥容量7kgでも、従来と同等のシワ伸ばし力を実現しています。

このヒートポンプ式と新しい風アイロンにより、洗濯~乾燥時間は、洗濯容量7kgで約93分と時短も実現。これなら仕事から帰った後に使用しても、その日のうちに家事が済ませられるかもしれません。

※衣類の量や種類,使用環境により運転時間が異なります

※2022年モデルBD-STX120H、洗濯~乾燥6kg時、標準コース約98分との比較
※データは一般社団法人 日本電機工業会・自主基準「乾燥性能評価方法」によるものです

一般的な乾燥でシワになりやすい綿素材のシャツも、自然な仕上がりに
カジュアルシャツ(防シワ加工なし/綿100%)
※日立調べ。衣類乾燥機DE-N60HV(洗濯後の衣類3kgを乾燥、標準コース)とドラム式洗濯乾燥機BD-STX130J(洗濯~乾燥3kg、標準コース)との比較。衣類の量や素材、一緒に乾燥するものの種類によって仕上がりが異なります
らくはや 風アイロンの乾燥によって、仕上がりに差が出やすいものの一つがタオル。日常的に使うものが、右側のようにふんわりと快適になるのはうれしいポイントです
タオル(綿100%)
※日立調べ。BD-STX130J(洗濯後の衣類3㎏を天日干し)と(洗濯~乾燥3㎏時、標準コース)との比較。衣類の量や素材、一緒に乾燥するものの種類によって仕上がりが異なります

お手入れの手間を減らす「らくメンテ」がヒートポンプ搭載を実現

こんなにメリットだらけのヒートポンプ式なら、もっと早く採用してくれたらよかったのに……と思ってしまうのが、私を含めたユーザーの声かもしれません。実現した裏には、いまや日立の大きなウリである「らくメンテ」があるそうです。

「らくメンテ」とは、日立が採用しているお手入れ(メンテナンス)をラクにしてくれる機能。一般的にドラム式洗濯乾燥機にはお手入れの手間がつきもので、乾燥後には乾燥フィルターに溜まったホコリや糸くずを取り除き、数回に1回は糸くずフィルターの糸くずを取り除く必要があります。しかし日立は、このうち乾燥フィルターに溜まるはずのホコリや糸くずを、大容量糸くずフィルターまで流すことで、乾燥フィルターをなくしました。さらに大容量糸くずフィルターのお手入れも約1カ月に1回だけでOKに。

※日立調べ。洗濯~乾燥7kg、1日1回運転時。衣類の量・種類により効果は異なります

「らくメンテ」乾燥フィルターをなくしてお手入れの手間が大幅に減りました

筆者も従来モデルを試用したことがありますが、お手入れの手間が省けるのは本当にラクでした。ちょっとした手間とはいえ、時には忘れてしまうこともあり、忘れたら忘れたで乾燥効率が落ちるなど問題が起きてしまうため、「お手入れ不要って本当に便利なんだな」と痛感しました。

ほかにも「らくメンテ」機能として、「洗濯槽自動おそうじ」「乾燥経路自動おそうじ」「ドアパッキン自動おそうじ」などがあります。いずれも、お手入れしないと大変なことになりますし、お手入れをこまめにやっている人ほどありがたさを実感する機能ではないでしょうか。

この「らくメンテ」を採用したことで、乾燥フィルターのスペースが丸ごと空きました。これに伴い内部構造を見直すことで、ヒートポンプを搭載するスペースが捻出できたほか、風路抵抗も大幅に改善でき、晴れてヒートポンプ搭載が可能になったのだそうです。

ラクという点でもう1つ。一度使うとやめられないのが、「液体洗剤・柔軟剤自動投入」機能です。新モデルはタンク容量を液体洗剤、柔軟剤ともに1,000mlと大容量。タンク容量が多いほうが補充頻度も減りますので、やはりラクポイントの1つといえそうです。

液体洗剤と柔軟剤は自動投入。あらかじめ大容量のタンクに入れておけば、毎回適切な量で洗ってくれます

この液体洗剤・柔軟剤自動投入タンクは、洗濯機から丸ごと取り外すこともできます。これは細かいけれど実は大事なポイント。液体洗剤や柔軟剤を別の銘柄に変えたいときなど、タンクを分解して洗いやすいため、ここでもお手入れのラクさが実感できます。

液体洗剤・柔軟剤自動投入タンクは丸ごと取り出して分解と水洗いができます

そのほかにも、買った後から気になることがあるのは、洗濯した後の毎回の「衣類の取り出しやすさ」。せっかく容量が大きくなっても、洗濯物が取り出しにくくなっては困ります。今回のビッグドラムは、本体の高さは維持しながら、投入口の位置をできる限り上に配置したことで、体を大きくかがめずに、取り出しやすくしているのもうれしい点です。

洗濯物の出し入れがしやすい高さに槽を配置

「2段シャワー」で皮脂汚れも泥汚れもすっきり!

以上のようにヒートポンプとらくはや 風アイロンで、乾燥性能をさらに高めたビッグドラムですが、そもそも洗濯機ですから、やはり洗浄力が高くなければ意味がありません。その点、日立は、高濃度洗剤液を衣類に素早く浸透。大流量の水を循環させて洗い流す「ナイアガラ洗浄」が高く評価されています。そして新モデルは高濃度洗剤液の部分がパワーアップしました。

大流量で洗い流す「ナイアガラ洗浄」

それを実現したのが、水を循環させるシャワーを上下の2段に設けた「ナイアガラ循環2段シャワー」。従来シャワーは上段にしかなかったため、ある程度の水量がないと循環水を持ち上げられませんでしたが、今回下段にも備えたことで、少量の水でも洗剤液を浸透させられるようになりました。その後に上段シャワーからも水を足して大流量で洗剤液を循環させて洗うという二段構えによって、泥汚れや、奥に隠れた汚れにもアプローチします。最初に少量の水で洗っている時は、洗剤がより高濃度な状態です。高濃度洗剤を繊維の奥までしっかり浸透させることで皮脂汚れまでスッキリ落とせます。

下段シャワーによって、高濃度の洗剤液(少量の水)を衣類に浸透させます
その後、上段シャワーも合わせて大流量で汚れを落とします
エリやソデ部分などの目立ちやすい皮脂汚れ(上)が、洗濯後(下)はスッキリ白く
(ポリエステル65%・綿35%)
※日立調べ。BD-STX130J、洗7.8kg(6割負荷)時、標準コースにおいて。衣類の量、汚れ、洗剤、コースの種類などによって効果は異なります

操作しやすさは大切。大きなタッチパネルが使いこなしに直結

ところで近年の家電は非常に多機能になっているため、「便利そうだと思って買ったけど、操作が難しくて使いこなせない」と感じた経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。洗濯機も、衣類の生地や汚れ具合に合わせてコースをきめ細かく選べるものが増えていますが、いざ操作パネルを見ても何ができるのかわからず、スクロールしてみたり、戻ったり、右往左往してしまうことも。それで最終的には、いつものコースしか使わなくなってしまってはもったいないですよね。

その点、日立のワイドカラー液晶タッチパネルは「直感的に操作できる」のがメリット。選択してページがどんどん進んでも、よく使う機能のアイコンは常に表示されているので、簡単に設定できるのです。さらに、視認性の調査を行なってパネルのデザインを制作しているそうで、いかに直感的に使いやすいかが分かります。

ワイドカラー液晶タッチパネル

さらに便利なのが、エラーの原因や解決法がすぐにわかるところ。日立のタッチパネル未搭載機種は、エラーが起こるとアルファベットと数字でエラー番号を知らせてくれますが、それだけでは何が起きたかわからないので、取扱説明書を調べることになります。その点、このタッチパネルはエラー番号とともに解決方法なども教えてくれるので、すぐに対策できて不安も解消できます。

「らく・はや・きれい」しかも省エネな日立の新型ドラム式洗濯乾燥機

以上、新モデルの機能を1つ1つ丁寧に見てきましたが、前回のモデルを超えるドラム式が誕生したな、というのが率直な感想です。ドラム式洗濯乾燥機はとても便利ですが、「乾燥時のシワが気になる」「汚れ落ちが悪いイメージがある」「お手入れが面倒」「電気代が気になる」など、まだまだ不安の声があるのも事実。

だからこそ今までは「何を重視するか」という視点で選ぶ必要があったわけですが、本モデルはこれら1つ1つが向上しています。特に評価したいのは、やはり乾燥時のシワが少ないのに電気代も抑えられる点。日々の洗濯の手間を省くだけでなく、電気代を抑えて、仕上がりの良さを体感する。そんな小さな積み重ねが、暮らしの質を高めてくれるのだと改めて感じました。

(提供:日立グローバルライフソリューションズ株式会社)