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e-bikeの充電もできて車中泊の快適性もアップ! BLUETTIのポータブル電源「AC180」を使ってみた

6月8日に発売されるBLUETTI「AC180」。価格は148,000円。6月22日までは限定価格の109,800円で購入可能

キャンプなどアウトドアでの電源確保の手段として、また災害時などの停電に対する備えとして、ユーザーが増えているポータブル電源。数百Whの小型モデルから2,000Whを超える大型モデルまで幅広い容量が揃っていますが、最近は1,000Whくらいのサイズが人気です。家庭用蓄電池まで幅広く展開するポータブル電源ブランドの「BLUETTI(ブルーティ)」から、容量1,152Whの「AC180」というモデルが登場したので、実際に使用してみました。

トレンドの機能をおさえたスペック

BLUETTIは、これまで非常用電源として使えるような大容量モデルで実績を積んできたブランド。数百Whの小型モデルも展開していましたが、1,000Whクラスのモデルは「AC180」が初めてです。満を持して投入された売れ筋クラスのモデルだけに、意欲的なスペックを備えています。

まず、リチウムイオンバッテリーはリン酸鉄を採用しています。一般的なリチウムイオンに比べて安全性が高く、放充電サイクルの寿命も数倍なので、繰り返し使用しても容量の劣化が少ないのが特徴。ポータブル電源を長く使いたいのであれば、確認しておきたいポイントです。「AC180」は3,500回以上の充放電に対応し、保証期間は5年ですが製品寿命としては1日に1回充放電するとしても10年は使える計算になります。

サイズは340×247.3×317.3mm(奥行×幅×高さ)。重量は16kgで、その重さに合わせて両手で持てるようにグリップが両側に設けられています。

近年、対応しているモデルが増えてきている急速充電にも、もちろん対応。家庭用のAC100Vコンセントで充電した場合、最大1,440Wでの充電が可能で、充電がゼロの状態から80%まではわずか45分で充電することができます。フル充電までの時間は1.3~1.8時間とされていますが、これはリチウムイオンバッテリーの特性で、80%を超えると充電速度を落とす必要があるためで仕方のないところです。

ポータブル電源を選ぶ際、容量と同じくらい気になるのが出力の大きさです。出力が小さいと、使いたい家電を動かせなかったりしますが「AC180」の定格出力は1,800Wなので、ほとんどの家電が動かせるレベルだと言えます。さらに、電力リフト機能も備えているので最大2,700Wの家電まで動かすことができるため、単体であれば動かせない家電を見つけるほうが難しいかもしれません。待機電力を抑えてバッテリーの持ち時間を延長するECOモード機能も搭載しています。

出力のポートは前面に集中しています。AC100のコンセントは合計4つ。USBの出力ポートは3つ装備されています。そのほかに、シガーソケットの出力も1つ搭載し、上面はワイヤレス充電に対応していますので、対応するスマホは上に置くだけで充電できます。

前面に出力ポートが集められているので、使いやすい。ディスプレイも同じ面にあるので消費電力もひと目でわかります

もう1つ嬉しいのが簡易UPS(無停電電源装置)機能に対応していること。これにより停電時にはわずか0.02秒で緊急電源に切り替わるので、パソコンのデータ消失やハードウェアの故障などを防ぐことができます。停電時の電源として活用したい場合、備えていてほしい機能です。

車中泊で「AC180」を試してみた

このサイズのポータブル電源に求められるスペックは、ほぼおさえている「AC180」ですが、実際の使い勝手も確かめてみました。筆者がe-bikeに乗ったり、車中泊をする機会が多いので、そうしたシーンで試用してみました。

まず試してみたのがe-bikeの充電。筆者はe-bikeをクルマに積んで出かけることが多いので、ポータブル電源を一緒に積んで行けば、出先で充電することができます。近年のe-bikeは500Whを超えるバッテリーを搭載しているものが多いので、充電にはある程度の容量と出力が必要ですが、「AC180」では問題なく充電することができました。

e-bikeに充電器を繋いで直接充電しましたが、モニターを見ると出力は180W程度で「AC180」で十分に対応

続いて、車中泊でも使ってみました。筆者が車中泊をする際には、車内でパソコンを開いて仕事をすることも多いので、ノートパソコンやスマホを寝ている間に充電したい。また、車中泊では車内が暑くなるので扇風機を回したいのですが、それもポータブル電源があれば簡単に使うことができます。

ノートパソコンとスマホを充電しながらコンパクトな扇風機を動かしましたが、消費電力的にはまったく余裕

出力的にはまだまだ余裕があるので、これからさらに暑くなってきてもポータブルクーラーなどを動かすこともできそう。また、これくらい容量があれば、アウトドア用の冷蔵庫を積んでおいてドリンクや食べ物などを冷たいまま保存することもできます。冬場であれば、電気毛布を使ったり、電気ケトルで温かい飲み物を飲んだり。車中泊の快適性を高めるためには、欠かせないアイテムになりそうです。

個人的には、クルマに装着しているベッドキットの下にちょうど収まるサイズであること、出力ポートが前面に集中しているので、片面あるいは2面を壁につけた状態で使用することが多い車中泊シーンでも使いやすいことが好印象でした。

停電時を想定して自宅でも「AC180」を試してみる

最後に、自宅でも家電をいくつか動かしてみました。ポータブル電源を購入する理由の1つとして災害時の電源確保が挙げられると思いますが、実際にどれくらいの家電が動かせるのかが気になるところ。電力リフト機能も備えているので、消費電力の大きい家電でテストをしました。

停電時にまず心配になるのがスマホの充電だと思われるので、まずは家族のスマホを充電しながら、消費電力の大きいドライヤーを動かしてみました。一番出力の大きい温風でのターボモードで使ってみましたが、まったく問題なく使えます。ちなみに、公式サイトでは冷蔵庫も17時間動かせるとされているので、停電時に中の食べ物がダメになってしまうことも防げそうです。

スマホを充電しながらドライヤーを使った場合の消費電力は約1,250W。「AC180」は1,800Wの出力に対応しているのでまったく問題なく動きます

続いて、電子レンジも動かしてみましたが、こちらも1,200Wくらいの消費電力なので普通に使えてしまいます。停電時でも、食事を暖められるのは災害時には心強いポイントです。ただ、電子レンジを動かしながら、ドライヤーも使ってみたところ、出力容量をオーバーしてしまったようで、ブレーカーが作動し給電が停止してしまいました。

「AC180」の定格出力である1,800Wはオーバーしますが、電力リフト機能によって2,700Wまでの出力に対応できるとのことだったので、動かせるかもと思ったのですが、ちょっと負荷が高かったようです。電力リフト機能は家電側の消費電力を落として稼働させる仕組みですが、電子レンジやドライヤーは瞬間的に大きな出力が必要なので、そのことも関係あるかもしれません。

いろいろ試してみた結果、充電が20%程度まで低下してきたので、家庭用AC100Vのコンセントで充電してみました。100%までの充電時間は1.3~1.8時間とのことだったので、90分ほど経ったところで確認してみたのですが、その時点で100%まで充電されていました。残量20%から充電を開始したとはいえ、充電速度は期待以上のスピードでした。

通常の充電に加えて、アプリから設定できる「静音充電モード」も搭載し、その場合は排気ファンが動かないため、ほぼ音がしない状態で充電が可能

専用アプリを接続すれば、充電状態やどれくらいの出力・入力で稼働しているかもワイヤレスで確認ができます。キャンプや車中泊などのアウトドアシーンや、停電時の備えとして導入する人が増えている1,000Whクラスのポータブル電源ですが、「AC180」はスペック的にも使い勝手でも購入の候補に加えるに十分な性能を備えていることが実感できました。

ちなみに販売価格は148,000円ですが、6月8日の発売日から6月22日までの間は109,800円の限定価格で購入が可能。かなりお得な価格なので、購入を検討している人は急いだほうがいいかもしれません。

協力:BLUETTI JAPAN