トピック
ポータブル電源をもっと日常に。注目ブランドBLUETTIのこれからを秋葉原ストアで聞いた
- 提供:
- BLUETTI JAPAN
2023年4月10日 09:00
大容量から小容量のポータブル電源、さらには家庭用蓄電池まで幅広く展開するポータブル電源ブランドの「BLUETTI(ブルーティ)」が、東京・神田にショールーム「BLUETTIストア秋葉原店」を2022年12月にオープンした。
BLUETTIは従来のリチウムイオン電池よりも安全で長寿命なリン酸鉄リチウムイオン電池をいち早く全モデルに採用し、ユニークな点として、拡張バッテリーを組み合わせることで容量を拡張できる機種も幅広く取りそろえている。
今年4月に発売する、タフなIP65の防塵(じん)防水性能と、容量を拡張できる特徴を持つ「AC60」は、かなり注目度の高い新商品だ。
キャンプブームなどもあって様々なメーカーが競い合うポータブル電源において、BLUETTIがリアルな場所としてショールームをオープンした狙いや、気になる今後の製品展開などについて、ブルーティパワーの周鵬程 副社長と、長澤文明 営業マネージャーに話を聞いた。
ポータブル電源に家電やデジタル機器をつないで本当に使えるか、実際に試せる
2022年12月に東京・神田にショールームを開設した大きな目的は、顧客とのリアルなタッチポイント作りにある。
「公式サイトやAmazon、楽天、Yahoo! ショッピングで製品を販売しているほか、現在BtoBの販売も強化しています。その中で商品を見て触れるだけでなく、実際に重さや機能、性能を体験できる場所が必要ということでオープンしました。電源につないで動かしてみたい家電を持ってきてもらえれば、動くか動かないかのテストもできますので、ご自由に持ってきていただきたいです」(ブルーティパワー 営業マネージャーの長澤文明さん)
BLUETTIブランドの日本での販売は2019年からスタートしており、2021年には親会社のPowerOak(パワーオーク)からBLUETTIブランドを独立させた形で、サポート拠点としてBLUETTI JAPANを設立した。2022年8月には営業の拠点となるBLUETTI POWERを設立しており、東京・神田のショールームが大きな役割を持つ。
「BLUETTI JAPANでは、かつては修理やお客様に対する技術的な回答などECのアフターサービスが中心でした。一方、高まるBtoBニーズに対応するため、BLUETTI POWERを設立しました。BtoBの営業をBLUETTI POWERが担当し、(神奈川県)相模原市にあるBLUETTI JAPANが引き続きサポートを担当しています」(長澤さん)
BLUETTIブランド製品はネット通販からスタートしたが、2022年12月にはアイリスオーヤマとのダブルブランドでポータブル電源「PS720AA」を発売し、家電量販店やホームセンターでの店頭販売も開始している。
さらに2023年4月からはBLUETTIブランドでの大手家電量販店での展開も予定しており、ブランド認知の拡大を着々と進めている状況だ。
キャンプブームでポータブル電源も人気、レンタルサービスなども登場
現在のポータブル電源市場について長澤さんは「キャンプブームがけん引してポータブル電源もブームになっています」と語る。
「キャンプ需要だけではなくて、考えもつかないようなところから問い合わせが来ている状況です。例えばキッチンカーでの使用であったり、介護施設での停電時の安全確保などの用途に問い合わせを受けることが増えています。各社の製品も進化していますし、低価格製品もどんどん出てきているので、ブームにまた火が付いたような印象です」(長澤さん)
キャンプブームを中心にポータブル電源が人気になっている中で、新たなビジネスも出てきている。
「キャンプのレンタル用品にポータブル電源を組み込むサービスが増えているのに加えて、ポータブル電源などをレンタルするサービスも出てきており、そのあたりからの問い合わせも結構増えています」(長澤さん)
ポータブル電源は数百Whの小型モデルから2,000Whを超える大型モデルまで幅広いが、「片手で持てるようなモデルより、2,000Wh程度の大型モデルを持ち歩く人が多いですね」とのこと。
「キャンプブームの中でも、キャンピングカーによる車中泊がメインという人も増えているようです。車中泊の需要としては、場所を取らないことと、コネクターは横にあるより前にある方がいいということで選ばれているお客さんも結構多いです」(長澤さん)
安全性の高さや拡張性の高い商品構成などがBLUETTIの強み
BLUETTIブランドの現在の売れ筋商品は2,048Whの大容量モデル「AC200MAX」だ。
「4月26日には新製品の防塵防水モデル『AC60』(403Whモデル)を発売します。現在のラインナップは700Whクラスの次が2,000Whクラスで、その間の1,000Whクラスがありませんでした。そこで『AC180』という1,000Whクラスの製品を発売しますので、これでようやくラインナップがそろいます。今後は防塵防水の『AC60』と1,000Whクラスの『AC180』の2つが注目の製品です」(長澤さん)
ポータブル電源市場の競争が激しくなっている中で、BLUETTIブランドの強みは「拡張バッテリーを接続できる“セパレートタイプ”を幅広く用意していることと、今度発売する“防塵防水タイプ”をどこよりも早く市場に出せることです」と長澤さんは語る。
「セパレートタイプは他社にもありますが、小容量のモデルまでラインナップしているのは当社の強みです。別々に持ち歩けますし、拡張バッテリーだけを別の場所で充電するといった使い方もできます。拡張バッテリーに搭載するコネクターで使える機器なら、拡張バッテリー単体をポータブル電源として使うこともできます」(長澤さん)
セパレートタイプは拡張バッテリーを追加することで容量を自在に増やせる(機種によって異なるが、4~6台の同時接続が可能)ため、予算に応じて“スモールスタート”し、あとで追加するといった買い方も可能だ。必要に応じて持ち出すバッテリー数を増減させることもできる。
ソーラーパネルは既に防塵防水仕様となっているが、同社のポータブル電源で本格的な防塵防水仕様を採用したのはAC60が世界初となる。
「キャンプで外に出して使っていると、急に雨が降ってきたときに何を先にしまうかを考えなければなりません。そのときに多少は落ち着いて考えつつ、他のものをしまった後でゆっくりポータブル電源をしまえるようになります。それも便利なことではないかと思います」(長澤さん)
もう一つの大事な要素として、安全性の面では「(長寿命や安定性が特徴の)リン酸鉄リチウムイオン電池を採用している点が強みです」と長澤さんは語る。
「全モデルで、従来の三元系リチウムイオン電池などの素材より安全で発火しにくいリン酸鉄リチウムイオン電池を使っています。充電サイクルも多くて製品寿命が長いので、当社も安心して長期保証を付けられます。現在は2年から3年が多いのですが、今後は6年まで伸ばしていく予定です」(長澤さん)
さらに注目が高まっていく家庭用蓄電池をもっと身近な存在に
小容量から大容量モデルまで幅広いラインナップがいよいよそろっていくBLUETTIブランドだが、今後は家庭用蓄電池市場にも力を入れていくと副社長の周鵬程さんは語る。
「東京都が大手住宅メーカー向けに、2025年4月から新築住宅へのソーラーパネル設置を義務化する条例を2022年12月に制定しました。そうすると家庭用蓄電池が必要になります」(周さん)
今後力を入れていくのは、災害用の蓄電池と、ソーラーパネルを利用した蓄電システムだという。
「昨年までは(可搬型大容量蓄電池の)『EP500』を中心に販売し、今年はより大容量の家庭用蓄電池を展開していく予定です。米国や欧州では『EP900』というモデルを発売しましたが、日本では10月くらいにそれよりも少し小型の『EP800』を販売開始します」
家庭用の蓄電池市場に切り込む上で、BLUETTIはどういった部分を特徴として打ち出していくのだろうか。
「当社は約10年間にわたって自社で開発し、生産管理やプロセス管理を続けてきたことによるノウハウの蓄積と安定した品質に自信があります。現在は3つの工場で製造していますが、第4工場も建設中です。品質の高い製品を安定的に生産できるのが我々の強みです」(周さん)
東京都のソーラーパネル設置義務化は2030年の“カーボンハーフ”(2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減すること)に向けた動きで、今後こうした流れは加速するはずだ。米国や欧州では実際に大容量の家庭用蓄電池市場が伸びていると周さんは語る。
「家庭用蓄電地は米国と欧州で5,000Whといった大容量モデルが求められています。米国だと洗濯物を外に出せないため、容量の大きい蓄電池が必須になっています。欧州では、地下室がある戸建て住宅で、その地下室に蓄電池を設置して、ソーラーパネルと組み合わせた蓄電システムの導入が進んでいます。EP800は防塵防水で屋外設置も可能なモデルで、これとソーラーパネルを組み合わせた“蓄電システム”という形でお客様に提案していく予定です」(周さん)
ソーラーパネルと家庭用蓄電池を組み合わせた創エネ・蓄エネはカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量と吸収量を同じにすること)に向けた取り組みとして重要だが、電気代を節約できる側面もあるという。
「最近はEV(電気自動車)も増えており、大容量の家庭用蓄電池とソーラーパネルを組み合わせるのももちろんですが、電気代の安い時間に蓄電して、高い時間に給電すると電気代の節約になります。電気代節約に関する問い合わせもあるので、これからはそういうビジネスも期待できます」(周さん)
深夜に充電するとなると、詳しい人はHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)などの大がかりな仕組みをイメージするかもしれないが、「『AC500』や『AC300』などはアプリなどで充電する時間帯を設定できます」と、シンプルに管理しやすいのもポイントといえる。
「4人家族のあるお客様が試したところ、夜に充電して昼に使う使い方をした時、蓄電池を使う前には1カ月の電気代が約14,000円だったのに対し、蓄電池を使い始めてからは8,000円ぐらいまで安くなったと聞いています」(周さん)
今年は関東大震災から100年を迎える年で、防災に対する関心はさらに高まることが予想される。災害に備えて、家庭用蓄電池やポータブル電源をいつでも使える場所にしまっておくのもいいが、万一のケースがすぐ来なかったとしても、日ごろからソーラーパネルとの組み合わせで電気料金の節約に活用したり、アウトドアに持ち運んだりするような“普段使い”で、より活躍の場を広げることができそうだ。
(協力:BLUETTI JAPAN)