トピック

待ってた! 床拭きできる本命ルンバ コンボ j7+は掃除をガッツリ頼れるロボットでした

ルンバで初めて床の水拭きにも対応した「ルンバ コンボ j7+」

最新トレンドは「クリーンベース」「障害物回避」「床拭き」

「ルンバ」に代表される、高機能なロボット掃除機。そのトレンドは大きく3つあります。

1つめは、ダスト容器のゴミを自動で集めてくれる充電台「クリーンベース(自動ゴミ収集機)」。掃除が終わるたびにいちいちゴミ捨てをする必要がなく、格段に手間は減らせます。例えばルンバなら「最大1年分のゴミを収納でき、ゴミ捨てを最大1年間忘れられる」という快適な良さがあります。

2つめは「障害物回避機能」。床に落ちているものを認識し、避けてくれる機能があれば、掃除前に片付けをする必要がありません。しかも電源コードやスリッパなど、よく床にありがちな障害物は、種類の認識までしてくれます。これについても、世界シェアNo.1のアイロボットだからこそ、使うたびにどんどん賢くなり、回避できる障害物が増えるのは、ルンバならではといえます。

そして3つめが、床拭き(水拭き)機能。ゴミを吸い取ると同時に、濡らしたモップで床拭きまで行なってくれる「2 in 1」タイプが注目を集めているのです。正確にいうと、この機能自体は新しいわけではありませんが、従来は“ついで”的だった床拭き機能が、本格的に進化し始めています。

実は、この3つめの「2 in 1」はこれまでアイロボットにはありませんでした。そもそもアイロボットには、水をジェット噴射し、汚れを浮かせてからゴシゴシ落とす、床拭き掃除に特化したロボット「ブラーバ ジェット m6」があり、ルンバで掃除機がけしたあと、ブラーバ ジェットで床拭きをする連携掃除も行なえます。つまり「2 in 1」は必要がなく、筆者自身もそのような使い方をしていました。

ルンバの掃除が終わったら、自動でブラーバ ジェット m6が掃除を始める連携プレーができます

なので、アイロボットは2 in 1を出さないんだろうと思う一方、「でも、どうせ掃除機がけするなら、ついでに床拭きしてくれたら便利だな」「ロボット掃除機を2台置くと場所を取るし……」と密かに思っていたところ、出ました! 床拭きも同時に行なう掃除機&床拭きロボット「ルンバ コンボ j7+」が11月に発売されたのです。これは意外! これは嬉しい!

では実際、どのような掃除機なのか、さっそく使ってみましたのでレビューしていきます。

今年2月に発売された「ルンバ j7+」に床拭き機能を追加

ボタンが少なく、スタイリッシュなデザインに進化を続けるルンバ

ルンバ コンボ j7+は、今年2月に発売された「ルンバ j7/j7+」をベースにしています。ルンバ j7シリーズ最大の特徴は、床にモノが散らかっていても回避できる点。トレンドの2つめに挙げた「障害物回避機能」の精度が高くなっています。

まずカメラの位置を、従来の天面から本体前面に移動。さらに広角カメラを採用することで、足元まで広範囲に撮影が可能になりました。それがコードなのか、ペットの排泄物なのか、見分けることもできるようになったのです(見分けるペットの排泄物は、犬または猫の固形の糞のみ)。

広角カメラを前面につけることで、見える範囲がぐんと広がりました

このペットの排泄物を見分けてくれる機能は、愛犬家としては小躍りするほど嬉しい機能! 筆者はまさに、愛犬の排泄物をルンバが吸ってしまった過去の経験があり、その大惨事たるやトラウマ級なのです。あまり詳しく書くのは避けますが、ホイールで踏みつけ、あらゆる部位にはまり込み、それを家中に引きずりまわし……その後の片付けとニオイ取りに半日ほどかかってしまいました。

しかしルンバ j7シリーズは、目の前の排泄物を見事に回避してくれました。このときも、まさかのタイミングで、ルンバのルート上に愛犬がポトっとしたので、「あーっ!」と息を呑みましたが……ルンバは立ち止まり、考えるそぶりを見せてからクルッと方向転換したのです。賢い! ちなみにルンバが排泄物を回避できるのは、AIが無数の排泄物を学習したから……そう思うだけで、同情と感謝の念が湧いてきます。

もう1つ、ルンバ j7+になって感動したのは、本体とゴミを自動で収集する「クリーンベース」が格段におしゃれになったこと。スタイリッシュなボックス型になり、背も低くなったので目立ちすぎず、ルンバとの一体感もアップしています。

ボックスの中に収まっているような一体感がいいですね。フタについた皮革調のタグにも高級感があります

これがルンバ j7シリーズの大きな特徴ですが、これに、さらに床拭き機能が追加されたのが、ルンバ コンボ j7+です。全体の見た目はほとんど変わりませんが、天面にモップが搭載されました。なぜ天面に? と思いますが、ここにアイロボットのこだわりがありました。これについては、実際に家を掃除した様子をお伝えしながら紹介します。

最初は同じように見えたルンバ j7(左)とルンバ コンボ j7+(右)の本体。並べてみると、メタリック部分の大きさが違いました
手前が開き、モップが取り付けられるようになっています

もちろん、特徴である独自のエッジクリーニングブラシや2本のゴム製デュアルアクションブラシ、パワーリフト吸引も備えています。これに床拭き機能が加わり「4段階クリーニングシステム」へ進化したというわけです。アイロボット公式オンラインストアでの価格は159,800円です。

底面。独自のエッジクリーニングブラシや2本のゴム製デュアルアクションブラシでしっかりゴミを集めてくれます
左が床拭き+吸引掃除、右が吸引掃除のみの底面。床拭き時は、吸引と同時にモップで水拭きしてくれます

カーペットを濡らさないため、モップをリフトアップ!

さっそく自宅の1階を掃除してみました。

ルンバ コンボ j7+はスマートフォンのアプリで操作設定することで、その真価を発揮します

ルンバ コンボ j7+を使用するときは、スマートフォンにアプリをダウンロードし、本体とWi-Fi連携させます。これによって、アプリから操作できるだけでなく、ルンバ コンボ j7+が認識した間取りや障害物の情報がマップで表示されたり、進入禁止エリアを設定したり、掃除する部屋や順序も決められるのです。

床の水拭きも同時に行なう場合は、ダスト容器と一体型の水タンクに水を入れます。

サイドのボタンを押すと、ダスト容器が取り出せます
最大水量は210ml。計量カップ1杯ちょっとですね

ちなみに、ルンバ コンボ j7+は障害物回避性能が高いというので、今回は床にスリッパと小さいペットのおもちゃを置きました。ほかにもコードがたくさん床を這っていますし、犬の飲み水も置いてあります。またオートミールを数カ所に撒き、ゴミの吸い残しがないかもチェック。

スリッパやペットのおもちゃをスタンバイ。日によっては、畳んだ洗濯物の山があることも

さっそくアプリから掃除をスタートしたところ、スタート音とともに、掃除が始まりました。最初は、今までのルンバと同じ動きでしたが、ここからが面白い。床が水拭きできるフローリングであることを認識したルンバ コンボ j7+は、天面にあったモップを床の下に移動させたのです。この動きがダイナミック!

モップが可動して床拭きのモードに変形!

逆に、フローリングからカーペットに差しかかるときは、その前にモップをリフトアップし、天面に格納してからカーペットに乗りこみます。まさにこれが、アイロボットがこだわったところ。このモップがもし床面のままカーペットに乗ったら、毛足の長いカーペットは濡れてしまうし、摩擦で動きも悪くなります。

だからといって床拭きモード時はカーペットを掃除しない、と決め込んでしまうのも困りもの。ルンバ コンボ j7+は、カーペットを濡らさず掃除するために、天面に格納するという大胆な動きをすることにしたわけです。

このモップの動きがあまりに大胆かつなめらかで、つい見守ってしまうのですが、筆者が見ている限り、正確なタイミングでモップを上げ下げしていました。最初はカーペットを検知すると、一度後退して下がってモップを格納していましたが、カーペットの位置を覚えた後は、格納してから一気にカーペットへアプローチするように。思わず「おっ! いよいよカーペットに行くんですね?」と応援したくなります。

カーペットに乗る前にすでに、モップは天面に格納しています

ちなみに床拭きの際は、しっかり圧をかけながら掃除してくれるので、日常的な汚れはほぼ落としてくれます。しかもモップを濡らす水量が絶妙なのか、床が濡れすぎることもありません。

うっすら水の筋がつきましたが、しばらくすると乾いてしまう絶妙な水量

スリッパやペットのおもちゃ、さらに犬の排泄物も華麗に避ける

ところで、床に置いたスリッパやペットのおもちゃはどうなったか。ペットのおもちゃは置いた場所からは動いていません。スリッパの場所もそのまま。それでいて、ちゃんと2つの間を縫って、その奥に撒いたオートミールはしっかり吸い取ってくれていました。

障害物を華麗に避けながら、隙間を掃除してくれました

では肝心の犬の排泄物は本当に避けてくれるのでしょうか。もちろん本物を用意するわけにはいかないので“限りなくそれっぽいもの”を置いてみましたが、ちゃんと避けてくれました! 何度か試しましたが、今のところ失敗はなし。よかったよかった(笑)。

排泄物(っぽいもの)をしっかり避けて掃除してくれました

こうしてリビング・ダイニングからキッチン、廊下、洗面所を掃除し終えたルンバ コンボ j7+は、クリーンベースに戻っていきます。1階全フロアを掃除する時間は、たいてい50分ぐらい。そしてクリーンベースに戻ると10秒ほど、本体のダスト容器に溜まったゴミを吸引します。この音が結構大きいので、音が苦手なワンちゃんやお子さんのいるご家庭は、設置する場所に気を付けるとよさそうです。

さて、ここからがルンバ コンボ j7+を使うもう1つの楽しみ。どこを掃除したか、どの障害物を認識したか、アプリで確認できるのです。まずマップで履歴を見てみると、ほぼ一通り掃除ができているのが分かりました。箱のようなマークがついているところが、障害物を認識したところです。

あらかじめ間取りに部屋の名前をつけているので、どこを掃除したのかも一目瞭然

さらに何を障害物と認識したのか、画像で確認することもできます。見ると、スリッパやペットのおもちゃも、ちゃんと障害物として認識されていました。もちろん“排泄物風”の物体も!

ペットのおもちゃ、スリッパ、“排泄物風”の物体、それぞれが障害物としてマーキングされていました。ほかにもコードが複数、障害物として認識されていました

障害物を確認したら、任意で障害物をアイロボットに報告したり、進入禁止エリアを設定することができます。こうしたユーザーの“振り返り”が、今後の掃除をよりスムーズにするだけでなく、より正確に障害物を判断できるようになり、ますます賢くなっていくのです。

ちなみに進入禁止エリア、拭き掃除禁止エリアも設定できます。ランドリールーム奥のお風呂場に入ると困るので、進入禁止(赤枠)にしました

思い通りに掃除してくれるから、生活に自然にフィットする

ルンバ コンボ j7+は使えば使うほど暮らしになじみます

ルンバ コンボ j7+を使い始めて1カ月が経ちましたが、使えば使うほど賢くなっていくなと実感します。少なくともペットオーナーの筆者のライフスタイルには、ルンバ コンボ j7+がマッチしていました。このモデルを選ぶべき理由を挙げてみました。

1.床拭きのことを考えなくなった

わが家では、犬がペットシートでおしっこしたときにたまに足が濡れてしまい、その足で家を歩き回るので床拭きが欠かせません。その床拭きをルンバ コンボ j7+がやってくれるので、床を拭かなきゃと思う頻度が減りました。ただし、床のこびりつきが気になるときは、スペシャルケアとして引き続きブラーバ ジェット m6を使用しています。

2.ルンバを使う頻度が上がり、常に清潔をキープ

以前のルンバは、床の靴下を巻き込んだり、犬の飲み水をひっくり返してしまうことが多く(かといって進入禁止を設定するのも面倒だった)、床のモノは掃除前にテーブルやソファに一時避難させたりしていました。でも今は障害物を避けてくれるので、躊躇なく使えるようになり、結果的に掃除頻度が上がりました。ただしモノがあってルンバが通れないと、その場所は丸ごと掃除できないので、できるだけ片付けるようにはしています。

3.学習してくれるから信頼度が上がった

かつてのルンバは、「今度はそっちに行ったか」「また同じ場所で立ち往生しているの?」というトラブルもあり、それらはすべて「ヤンチャで世話の焼けるヤツ」で許容されてきました(笑)。しかし今のルンバ コンボ j7+はとにかく賢い! 常に学習してくれるし、アプリできめ細かく設定できるので、同じトラブルを繰り返さなくなり、(ゼロではないにしても)エラーを心配することがなくなりました。

4.クリーンベースは必須

ルンバには、クリーンベース付きと、そうでないものがありますが、ゴミ捨てを忘れがちな筆者にとって、クリーンベースは必須機能。以前はダスト容器が満杯になってエラーというパターンも多かったですが、クリーンベースを使うようになってから、当然のことながら一度もありません。日本のユーザーの清掃結果から算出したデータによれば、なんと「最大1年分のゴミを収納できる」とのことです。

ルンバが帰還すると、ダスト容器内のゴミは、右側の紙パックに吸引されます。いっぱいになったら紙パックごと捨てるだけ。その頻度も1年に1回程度です

個人的にもルンバは、「ルンバ j7」シリーズで、かなり満足度が高いレベルまで来ていたのですが、床拭き機能が追加されたことで、満足度が違う次元に飛びました(笑)。掃除機がけのついでに床拭きができるのは、やっぱり便利。もちろん、床のこびりつきをしっかり落としたい人は、ルンバとブラーバ ジェット m6を組み合わせるのがいいですが、もし家事の時間をもっと短縮&効率化したいなら、しっかりした掃除を素早くスムーズに済ませてくれるルンバ コンボ j7+は、とても頼りになる存在。これからはこの床拭き機能が手放せなくなりそうです。

※価格はアイロボット公式オンラインストアの税込価格

(協力:アイロボットジャパン)