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ふわふわ米粉パンが簡単に! 米粉料理研究家・多森サクミさんに聞く「グランエックス IHホームベーカリー」の魅力
2018年4月19日 07:00
タイガー魔法瓶が2017年に発売した『GRAND X(グランエックス)』シリーズの「IHホームベーカリー<やきたて> KBD-X100」の人気が、クチコミで広がりつつある。発売当初から"グルテンフリーの米粉100%の食パンがふっくら焼ける"とうたわれていた製品だが、実際に使ったユーザーから「想像以上にふっくらした米粉パンが焼ける」とSNSを中心に話題になっているのだ。
その発信源のひとつである、米粉料理研究家として著名な多森サクミさんに、このIHホームベーカリー「KBD-X100」で焼ける米粉パンの美味しさについて、編集長の岩崎がお話を伺った。
人気の米粉料理研究家、多森サクミさん
今回お話を伺った多森サクミさんは、小麦・卵・乳製品不使用の米粉のパンとお菓子の教室「あれこれキッチン」を運営する米粉料理研究家。2009年に炊飯器を使った米粉パンの作り方を解説した書籍「炊飯器で超かんたん ふんわり米粉パン」(家の光協会)を執筆して以降、2017年執筆の「小麦なしでも本当に美味しい フライパンでできる米粉のパンとおやつ」(立東舎)まで米粉パンや米粉で作るおやつに関する書籍をすでに5冊執筆しており、体質上、小麦を食べられないお子さんを持つご家族にとても知名度が高い方だ。
神奈川県川崎市にある古民家カフェのような小さな一軒家のキッチンスタジオ「あれこれキッチン」で料理教室を実施するかたわら、クッキングスクールのレシピ監修、企業や雑誌へのレシピ提供も行なっている。
お子さんが小麦が食べられない体質だと判明、自分のためにも米粉パン作りを開始
──多森さんが米粉パンを作り始められたきっかけは?
多森サクミさん(以下、多森):子どもが0歳のとき、体質上、小麦や卵を食べられないことがわかったことがきっかけです。2006年のことなので、もう10年以上前ですね。そのとき受診した病院の先生に、授乳中はお母さんも対象の食べ物を摂取しないように指導されました。今は授乳中のお母さんまで摂取禁止ということはないそうなんですが……。小麦が食べられなくなった私は、本当に途方に暮れました。パンからお菓子までいろいろなものが食べられなくなって、「逆に何なら食べられるんだろう」とスーパーでパッケージの裏側を見て回る日々でしたね。
──なるほど、突然パンを食べちゃダメ! と言われると辛いですよね。
多森:そうなんです。小麦を禁止されて一番食べたかったのがパンでした。もうすごいストレスで、「どうしても自分がパンを食べたい一心で米粉パンを作り始めた」というのが本当のところです(笑)。
当時はまだオーブンで焼く米粉パンのノウハウも少なかったので、"ういろう"みたいな硬いパンが出来てしまうことも多かったんですが、そんなときたまたま夫が買ってきた炊飯器が温度設定のできる機種で、「これなら発酵もパン焼きもできる!」と思ってやってみたら今までになく上手にパンが焼けたんです。
実は米粉パンは、どんな種類の米粉でも上手に焼ける訳ではないので、米粉パンに向く米粉を偶然使っていたこともありましたね。うまくできたので「ぜひみんなにも食べてほしい!」と思って、この炊飯器で焼く米粉パンのレシピをミクシィの自分と同じようなお子さんを持つお母さんのコミュニティに投稿しました。それが話題になった勢いで、自分で書籍の企画を立てて、各社に持ち込んで発行にたどり着いたのが最初の本ですね。
──自ら書籍を企画するというのはすごいですね。
多森:当時の本業は、IT会社でデザインやプロデュースをやっていたので、企画書慣れしてたんですね(笑)。しばらくの間は書籍の執筆は副業でした。ただその後、本業のハードワークと子育てが重なったことに限界を感じて会社を辞め、自分のペースでできる今の仕事を本業にすることにしました。起業する過程でこの古民家に巡り合い、「3カ月だけやってみてダメならやめる」と家族に約束して始めました。
──そうして3カ月を過ぎ、今まで続けられているわけですね。
多森:始めたのが2013年なので、もう5年ですね。米粉パン作りのきっかけになった子どもは、小学校に入る頃には小麦を食べられるようになったので、実はもう米粉料理を作る必要性はなくなってはいます。
ですが、米粉パンや米粉のお菓子を美味しいと食べてくださる方がいらっしゃるとうれしいですし、「今度は何にチャレンジしようかな」と考えるのがとても楽しく、やりがいを感じながら今まで続けられています。最近はお子さんの体質以外にも、ご自身の体調不良でグルテンフリー生活を始められた方も多く教室に来られていますよ。
グランエックスで焼ける美味しい「グルテンフリー食パン」に衝撃
──炊飯器パンを作り続けられてきた多森さんが、タイガー「GRAND X(グランエックス)」のIHホームベーカリーを使われたきっかけは?
多森:実は昨年、教室に来ている生徒さんに「もう使いました?」と聞かれたことがきっかけですね。先生なら当然もう使いましたよね、という勢いだったので、慌てて試してみました(笑)。
──感度の高い生徒さんが多いから情報が早いんですね。試してみてどうでしたか?
多森:米粉と水、砂糖、塩、サラダ油、ドライイーストだけで、ふんわり膨らんだ軽いグルテンフリー米粉パンが作れて、本当に衝撃を受けました。一般的には増粘剤を使うことが多いんですが、使わずにここまでできるなんて、と。米粉パンって、私が作り始めてからも結構進化しているんですが、その進化が一気にグンと進んだ感じがしました。
また発酵や焼きあげの様子を見ていると、これまでの米粉パン作りで常識だと思っていたことも、いろいろな点で違っていました。ホームベーカリーで細かい温度管理ができて、IHのパワーで高温で一気に焼き上げるからこそできることなんじゃないかと思います。レッスンに参加される皆さんに毎回試食していただいているんですが、みなさんその軽さと、ふわふわ感にびっくりされています。
──実際に食べてみると、正直、小麦のパンと違いがわからないですね。これまで米粉パンをあまり食べていないからでしょうか。先生の感動がちゃんと理解できていないかもしれません。
多森:そうなんですよ(笑)。グランエックスで焼いた米粉パンはあまりにうまくできるので、米粉パンを知らない人には小麦のパンとの違いがわかりにくいかもしれません。一般的な米粉パンは、もっと目が詰まっていて小さめで、持つとずっしり重いものが多いんです。
──焼き上げまでの手間はどうですか?
多森:水と米粉を入れてスタートボタンを押したら、約21分後にアラームが鳴るので、砂糖、塩、サラダ油、ドライイーストを入れてまわりの粉を落とし、再びスタートボタンを押すだけと、ごく簡単です。焼きたての米粉パンはネバついて切りにくいので、朝パンを食べたいときは、夜のうちに焼いて冷ましてから切るのがおすすめです。
──なるほど、前日に焼いておく方がいいんですね。さらにうまく焼くコツはありますか?
多森:説明書にも書かれていますが、最初に米粉と水を冷蔵庫でよく冷やしておくことがポイントですね。あとは材料を正確に計量すること。米粉の種類も影響が大きいです。説明書では群馬製粉の米粉「リ・ファリーヌ」が指定されているのですが、他にどんな米粉だと美味しく焼けるかをいろいろチャレンジしているところです。実は米粉は、製造日やロットによっても少し出来上がりが変わってしまうので微妙な水加減が必要になるんですが、確かにリ・ファリーヌは安定しているので使いやすいと思います。自分でいろいろ試した限りだと、他には「ミズホチカラ」でもうまく焼けました。
──今日は黒ゴマのパンもご用意いただきましたが、具材を入れたパンも美味しそうですね。
多森:生地がペースト状なので、ナッツなどの大きな具だと下に沈んでしまいますが、黒ゴマ、白ゴマ、あとはハーブも美味しかったです。今はいろいろな米粉のパンを試しているところですが、本体のメニューや説明書には、黒糖やバジルなどを使ったグルテンフリーのメニューがとても充実しているので、いろいろ試すのが楽しみです。
"大きくてふわふわの食パン"がグルテンフリー料理の幅を広げてくれる
──今後さらに試してみたいことはありますか?
多森:グランエックスのホームベーカリーだと、ふんわりした大きな米粉パンができるので、具がたっぷり入った"わんぱくサンド"も作れるんです。時間が経っても軽くてふわふわなので、お弁当にもピッタリ。これまでの米粉パンは、どうしても膨らみにくいので大きい断面を作るのが難しかったですし、ふんわりしにくいのでパンが折れてしまうこともあります。それから、トーストにしてもサクッと軽くて美味しいですよ。あとはこの軽さを生かして、ラスクを作っても美味しそうですね。
──ラスクですか! それも美味しそうですね。「あれこれキッチン」はお菓子も人気ですもんね。多森さんの今後の活動など、考えられていることなどありますか?
多森:この古民家があと何年もってくれるかは心配なところではあるんですが(笑)、前職でハードワークしすぎた反省もあるので、ここで少人数にゆっくりペースで米粉パンやお菓子作りをお伝えできることを楽しんでいます。これからも、お声がけいただいたことに取り組んだりと、自分のペースでやっていきたいと思っています。
提供:タイガー魔法瓶