東北電力、33.9万kWの東新潟火力5号機が試運転開始

~夏の電力不足に向けて緊急設置電源が稼働

 東北電力は7日、東新潟火力発電所5号機が試運転を開始したと発表した。出力33.9万kWのシンプルサイクルガスタービンで、LNG(液化天然ガス)を燃料とする。

東新潟火力発電所5号機シンプルサイクルガスタービンの構造。構造が単純なため工事期間が短い

 東北電力では、東日本大震災で被災した火力発電所や定期検査中の原子力発電所の発電能力を補うため、昨年から火力発電所の敷地内に緊急設置電源の設置を進めている。

 東新潟火力でも、2011年8月に港3号系列(出力5.38万kW)が設置されており、5号機はそれに続くもの。昨年7月に工事を開始し、今回試運転にこぎつけた。7月には営業運転を開始する予定となっている。同時期に、秋田火力5号機(33.3万kW)と八戸火力5号機(27.4万kW)の2つの緊急設置電源も運用を開始する予定だ。

 これらの緊急設置電源の稼働もあって、東北電力管内では3.8%の供給予備率を確保できる見通しで、節電の数値目標は設定されず、生活に支障のない程度の節電が要請されている。

2012年4月の決算発表で公開された発電所の運転状況。緑色の枠が緊急設置電源





(伊達 浩二)

2012年6月8日 01:53