経済産業省、家庭用エネルギー管理システム「HEMS」の補助金制度を開始

HEMSのイメージ図

 経済産業省は、家庭用エネルギー管理システム「HEMS」の導入を促進する補助金の申請受け付けを、4月19日より開始した。補助額は定額10万円。公募総額は、ビル向けの管理システムの補助金と併せて合計300億円。申請期限は2014年1月31日まで。

 HEMSとは「Home Energy Management System」の略で、住宅に設置されるエアコンや照明などの家電製品と、太陽光発電システムやエネファームなどの創エネ機器、蓄電池などの蓄エネ機器をネットワーク化することで、家庭のエネルギーを管理するシステム。パソコンやスマートフォンなどでエネルギー消費量を“見える化”したり、エネルギー使用量を調整する制御を可能にするなど、一般家庭での電力需要の調整効果が期待されている。

 補助金制度の執行は、一般財団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が担う。SIIでは本制度を実施する目的として、設置する機器費用を補助し、エネルギー使用の効率化および電力需要の抑制を図ることを挙げている。

 補助金交付の対象者は、SIIが指定するHEMS機器を自宅に設置する個人。リース業者や新電力(PPS)事業者も対象となる。補助額は定額で10万円。2013年4月には、市場実勢価格を踏まえて補助額が引き下げられる予定。

 対象のHEMS機器はSIIのホームページで公開されている。4月19日時点では、家電メーカーでは、パナソニック/シャープ/東芝ライテック/日本電気(NEC)、住宅メーカーでは、積水ハウス/大和ハウス/トヨタホーム/ミサワホームが対象となっている。

 申請条件としては、計測した結果をモニタリングし、日常生活の電力需要の抑制に取り組むこと、計測・蓄積した電力使用量に関するデータを報告すること、SIIによるアンケートに協力することが挙げられている。

 公募総額は、ビル向けのエネルギーマネジメントシステム「BEMS」の補助金制度と併せて300億円。申請の合計額が予算額に達した場合は、補助事業期間内でも終了する。

 SIIでは4月中旬より、当補助金に関する説明会を全国で開催する。開催地は、4月は東京/仙台/大阪、5月は名古屋/札幌/広島/高松/福岡/沖縄。時間や会場の詳細はSIIのホームページで公開されている。

補助金制度のフロー。個人申請の場合





(正藤 慶一)

2012年4月19日 14:17