シャープ、安眠と癒し効果がある“さくら色”のLEDシーリングライト
シャープは、「安眠」と「癒し」の効果を実証したシーリングライト「さくら色LED照明」3機種を、3月16日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、14畳向けの「DL-C604V」が75,000円前後。12畳向けの「DL-C504」が65,000円前後、8畳向けの「DL-C304」が55,000円前後。
■さくら色の光で癒しと安眠効果。色は“ソメイヨシノ”と“八重桜”の2種類から選べる
光源にLEDを採用したシーリングライト。調色は寒色から暖色まで10段階、調光も10段階に変えられる。
本製品の一番の特徴は、現代人の多くが求めているという「癒し」と「安眠」を実現するために、“ソメイヨシノ”と“八重桜”という、2種類の薄紅色の光色を採用したところ。同社ではこの2つの光色について「さくら色」としている。
「さくら色」なる薄紅色の光を採用した点が特徴。癒しや安眠が得られる効果があるという | 深みのある“八重桜”カラー | 淡いピンク色の“ソメイヨシノ” |
シャープ 常務執行役員 健康・環境システム事業部 岡田守行本部長 |
同社によると、さくら色は“人間に幸せを感じさせる色”という。シャープの常務執行役員 健康・環境システム事業部 岡田守行本部長は、「2009年に、13色のLED照明を使い、人が快適に感じる色について比較実験したところ、人間が幸せに感じる色は薄紅色ということが分かった。被験者の反応が、場が和んだり、会話が弾むなど、(ほかの色とは)明らかに異なっていた」と説明する。
さらに2011年、シャープは民間の研究機関に対し、さくら色の明かりの効果を検証する試験を委託。この結果、寒色・暖色に比べて、「気持ちが癒される「快適感が高い」「寝付きが早い」「よく眠れる」「目覚めが良い」という、「癒し」と「安眠サポート」に関する効果があることが実証された。
シャープでは2009年、13色のカラーLEDが人に与える影響を調査 | この結果、薄紅色が最も幸せを感じる色だったという |
さらに、民間の研究機関にてさくら色が及ぼす影響を調査 | 寒色や暖色よりも、癒しの効果があるという結果になった | 安眠に関する調査結果 |
さくら色を演出するために、寒色と暖色に加え、赤色のLEDも搭載している |
2種類のさくら色のうち、八重桜は深みのある色、ソメイヨシノは淡い色となる。LED光源には、さくら色を演出するために、寒色と暖色のほかに赤色も採用。リモコンの「八重桜」「ソメイヨシノ」と書かれたボタンを押すと光色が変わる。10段階の調光に対応するが、調色はできない。
なおシャープでは、この2種類のさくら色が持つ特有の波長について、特許を出願している。
さくら色「八重桜」 | さくら色「ソメイヨシノ」 |
寒色 | 暖色 |
こちらは本体内部の光源部分。写真は寒色 | さくら色「ソメイヨシノ」では、ほぼ全色を混ぜているようだ | さくら色「八重桜」では、白色のLEDが抑えられているように見える | 暖色 |
シーリングライト本体は、各色のLEDを混ぜてもさくら色が面全体に広がるよう、薄型デザインとした。またカバー内部は、LED光源から放たれた光を集光・拡散レンズに通し、反射シートで光を反射、拡散カバーで空間に光を広げる三段構造となっている。このほか発光部の厚さは、電源と発光面を分離したことにより、現行機種の「DL-C501V」の43mmから、16%薄い36mmとなった。
省エネモードでは、一日の生活サイクルに合わせて、光色や明るさを自動的に変化する「エコあかリズム」に、さくら色を追加した「エコあかリズム さくらプラス」を搭載。起床時には寒色系の明かり、夕食時には暖色系のあかりにするのは従来と同じだが、就寝前にさくら色になる。
本製品を横から見たところ | 光源から出た光は、レンズ→反射シート→拡散カバーの順で光を通す | 光源部の厚さは36mm |
一日の生活サイクルで光色を変える「エコあかリズム さくらプラス」も搭載。就寝前にさくら色になる | 本体の中心部は常夜灯となる |
DL-C604Vの本体サイズは650×72mm(直径×高さ)で、重量は3.6kg。光束は6,000lmで、消費電力1W当たりのエネルギー効率は71.4lm/W。消費電力は84W。設計寿命は40,000時間。本製品はまた、大阪健康サービス産業創造協議会の「癒し快適エビデンス推奨マーク」の認定を受けている。
リモコン。さくら色に変えるには、リモコンのピンク色の部分を押す | 「エコあかリズム」などの機能は、リモコンのパネルを裏返したボタンで操作する | シャープでは、LEDシーリングライトがスマートフォンで操作できるAndroidアプリ「ELM シーリングライトリモコン」の配信も開始している。対応機種はシャープ製のスマートフォンとLEDシーリングライトに限られる |
■さくら色は光源がLEDだからこそ実現できた
岡田本部長は、本製品が製品化できたポイントについて、「蛍光灯や白熱電球が主流の時代には、薄紅色の光はできなかった。LEDだからこそ実現できた。業界に先駆けて新しい明かりが生み出せたのも、当社が40年以上もLEDに取り組み、調光の技術やノウハウを蓄積してきたからと考えている」と、光源に同社が長年取り組んできたLEDを採用している点を指摘。抱負については「ただ単に部屋を照らす道具から、健康をサポートする商品へとカテゴリーシフトさせて、新しい照明のあり方を提案する」と語った。
実際に本製品を使っているという岡田本部長は、感想について「本当に気持ちが落ち着く。目に対するストレスも少ない」と述べた。このほか、字が大きく見えるような効果もあるという。
シャープ 健康・環境システム事業本部 LED照明事業部の桃井恒浩部長 |
シャープの健康・環境システム事業本部 LED照明事業部の桃井恒浩部長は、さくら色の用法について「寝るときには八重桜、ソメイヨシノは昼間がオススメ。赤っぽい電球色に見えるが、3分ほど(空間に)入っていただければ慣れる」と説明した。
なお、さくら色というネーミングについては、「桜は古くから日本人にとって特別な存在。日本最古の歌集である万葉集にも、桜を詠んだ唄がある。日本人の心である『さくら色』がもっともふさわしい」(岡田本部長)という。
カメラの色温度を約5,200Kに固定し、各色を撮影した。写真は寒色 | さくら色「ソメイヨシノ」 | さくら色「八重桜」 | 暖色 |
(正藤 慶一)
2012年2月21日 17:01