セーラー万年筆、3万円を切る個人向け線量計

 セーラー万年筆は、個人向け線量計「PDM-122 マイ・ドーズ・ミニ」を8月8日より発売する。希望小売価格は29,900円。

PDM-122 マイ・ドーズ・ミニ本体裏面。洋服などに挟めるようにクリップがついている

 医療機器専門メーカーの日立アロカメディカル(日立アロカ)が製造した小型線量計。同製品は、医師や放射線技師、看護師向けに販売されていた製品だが、震災後の個人向け線量計の需要に対応する形で、セーラー万年筆が一般ユーザー向けに販売する。セーラー万年筆では、「医師や放射線技師が20年に渡って使ってきた実績があり、品質には定評がある」としている。

 放射線には、アルファ線やベータ線、ガンマ線など様々な種類があるが、PDM-122 マイ・ドーズ・ミニは、ガンマ線の外部被ばく量を測ることに特化している。同社によると、アルファ線やベータ線は、自然界にも存在し、衣服や皮膚を透過しないため、比較的安全だが、ガンマ線は透過性が強く、人体に有害であるという。使用時は、本体を胸の近くに付けて使用する。

 また、個人の外部被ばく量を、時間当たりの数値や積算数値で確認できる機能も搭載する。積算期間は電源を入れた時から切る時まで。PDM-122は、連続700時間作動するため、1カ月の積算量を確認することも可能。表示単位はμSv(マイクロシーベルト)。

 なお、ユーザーが微小な線量値に惑わされないように、小数点以下の表示は省略しているという。

 本体重量は39g。電源はコイン型リチウム電池[CR2450B]。測定範囲は1μSv(マイクロシーベルト)~10Sv(シーベルト)。

 セーラー万年筆では、ユーザー登録者向けに、放射線の知識や、使い方などの情報サービスを発信する予定だという。また、ユーザーにより測定値を基にした線量計マップ構築も計画しているという。






(阿部 夏子)

2011年8月5日 00:00