東京/東北電力管内の節電目標が「15%」に正式決定

~計画停電を避ける警報発令を計画

 政府は、今夏の電力需給対策として、東京電力および東北電力管内で、15%の電力削減を行なうことを正式決定した。

 公開された資料によれば、電力需要が大きくなる夏の需要期に、東京電力では10.3%、東北電力では7.4%の抑制が必要となる。これを基に、企業や家庭(個人)を問わず、15%という削減目標が設定された。

 制度としては、大口需要家向けの電気事業法第27条による強制措置や、地域を指定した計画停電も用意されているが、これらは非常時のセーフティネットと位置づけられており、基本的には企業や家庭の自主的な節電対策に頼る形になっている。

「家庭の節電対策メニュー」

 家庭向けについては、各家電製品の節電方法をまとめた「家庭の節電対策メニュー」が用意され、これを基に節電の呼びかけを行なう。また、Webなどで、電力需給状況や予想電力需要を公開するなどの「見える化」や、計画停電が発生しそうな場合の「需要逼迫警報」(仮称)の発令などが計画されている。

 また、社会全体の取り組みとして、企業の休業/休暇の分散化と長期化などで、ピーク期間の電力需要を抑制する。

 計画停電については、実施する場合でも1日1回限りとし、停電時間も2時間程度に短縮するなど、負担を軽くする。また、医療機関への配慮も謳われている。被災地および東京23区内は警戒停電の対象から外される。

 需要削減の抑制比率は、次のようにして計算された。まず、現時点での供給力見通しは、東京電力が5,520万kWで東北電力が1,230万kWまで積み上げられている。しかし、被災地への配慮から、東京電力から東北電力への融通が140万kW予定されているため、最終的な見通しは5,380万kWと1,370万kWとなる。






(伊達 浩二)

2011年5月13日 15:34