ダイキン、ブラジルに現地生産工場を設立

 ダイキン工業は、ブラジル国内の空調市場の需要に対応するため、現地生産工場を2014年初旬に設立すると発表した。南米に工場を設立するのは同社では初めて。

 新工場では、店舗用エアコンや、ビル用の「VRV」などの業務用空調機を生産し、ブラジルにおける公共施設や商業施設などの空調需要に対応する。工場の建設予定地はサンパウロ市近郊。敷地面積は約20万平方m。

 同社によると、ブラジル経済は急成長を遂げており、今後も持続的に経済発展する見込み。2014年にはFIFAワールドカップ、2016年にはリオデジャネイロ夏季オリンピックと、大規模なイベントも開催されるため、インフラ整備に伴う設備投資や、空調需要の増加が予想される。さらに、富裕層が増加し、住宅用空調機市場の拡大も見込まれる。同社の推定では、2010年度のブラジル国内での空調市場の規模は約1,800億円だが、2015年度には4,000億円超になるとしている。

 同社が現地で本格的に空調事業を展開するためには、現地のニーズに合わせた商品の開発や供給が求められるとして、現地生産工場の設立を決定した。

 なおダイキン工業は、1992年よりブラジルで業務用空調機を販売してきた。2010年5月には、現地に空調機器販売会社を設立。業務用だけではなく、家庭用空調機から大型空調機までの幅広い製品を販売している。

 生産体制の充実に先立ち、空調需要の60%を占めるサンパウロ市や、リオデジャネイロ市などの都市部に販売網を構築する。工場の設立と販売体制の確立により、2015年度には売上高350億円を目指す。





(小林 樹)

2011年4月28日 18:04