ぷーこの家電日記
第626回

我が家にお婆さん犬がやってきた!
2026年7月10日 07:04
私は昔から動物が大好きだ。そして我が家には今、3匹の猫がいる。性格が3匹とも全然違って非常に面白い。猫を飼っているからといって、猫派というわけでもなく、犬も大好きだし、我が家には4年ほど前までは老犬がいた。
本連載にもたびたび登場していたのでご存じの方も結構いるかもしれないが、長い保健所生活の後に我が家にやってきたその老犬は、目も見えない、耳もほとんど聞こえない、歯もない、鼻も曲がっているという、もう大変個性的な出で立ちと、なかなか大変な生い立ちの中、めっちゃくちゃ性格が良く陽気で、食い意地と甘えん坊具合が半端ないとにかく面白い子だった。いつ旅立ってもおかしくない状況下だったが、人間に飼われることの面白さに気づいてしまったのか、そこから若返りと健康を手に入れ、2年と数カ月我が家にいてくれた。
今も思い出話をする時は、誰1人しんみりもせず笑い話しか出てこない愛されBOYだった。欲を出せばもっと長い時間一緒に過ごしたかったし、ずっと寂しい。この子に限らず今まで見送ってきた子全員に対しての喪失感はずっと消えないし悲しい。ペットロスへの向き合い方は人によっても様々だろうけれど、私の場合はこのつらさや寂しさもその子と過ごした幸せの一部だと思っているので、忘れず抱えたままでいたいし、別に乗り越えようとも思わないタイプだ。つらさの何十倍も幸せの方が大きかったおかげだろう。
その幸せを知っているからこそ、動物がいない生活もどうにも想像がつかないし、なくてはならない存在だ。「また犬も迎えたいなぁ」と、ことあるごとに口に出していた。とはいえ、犬も猫も縁だと思っているので、積極的に選んだり探したりはしておらず、それこそ「縁があれば」くらいの願望。でも「飼うとしたらどんな子がいい?」という話は、「住むとしたらどんな家に住む?」という話に似ていて、真剣にならなくても夢や妄想が膨らんで楽しいものだ。例えば大型犬との生活は、運動量や家の広さや介護など現実を見ると厳しいけれど、たらればの話だったら最高に楽しい。
我が家の3匹の猫も前の老犬も、保護活動もしている友人獣医師からの紹介で我が家にやってきた。友人は姉妹で動物病院をしながら、保護団体との連携や譲渡会の開催など、精力的に活動していて本当に頭が下がる。野良猫を保護して飼い主を探すというだけでなく、多頭崩壊で保護される子、ブリーダーの廃業で行き先を失う子、飼い主と死別した子、保護猫・保護犬の事情は様々だけどかなり深刻で、有人は自分の都合なんて二の次で時間も関係なくずっと働いている気がする。
私はそんな大変な活動と仕事を手伝うなんてことは絶対に無理なので、できることといえば、ときどき美味しいものでも食べさせて見守ることくらい。一緒に美味しいものを食べながらお喋りするのはとても楽しく、日々の深刻さから束の間離れる時間なんだけど、自然と動物の話になることも多い。なので「また犬も迎えたい」という話もよくしていた。
何事もタイミングで、「犬を迎えたいなぁ」と言いながら早数年、縁は突然に訪れる。その友人から「短期間でもいいのだけど預かりムリだよね?」と、保護犬の預かりの相談が舞い込んできた。推定13歳の美人なお婆さん犬。「明日迎えに行くね」と、とりあえずの預かりを快諾した後、色々考える。
「短期間でも」って言うけど、高齢の犬の里親を探すのはそう容易ではない。短期間じゃなくてうちを終の住処にするくらいの気持ちで受け入れなきゃなぁと思いながら、「高齢だけど病気はあるのか」「猫との相性は大丈夫か」「お留守番できる場所をどう確保するか」などなど考えることはたくさん。でも常に直感とノリと運で生きてきたような私、こういう直感は大体良い結果をもたらすことも知っているので、突然舞い降りてきたご縁に、心配よりもワクワクが大きい。
翌日迎えに行くと、きっと大切に育てられてはきたのだろう。綺麗な毛並みの大人しくて美人なお婆さん犬が寝ていた。保護犬から飼い犬になり、飼い主の急死でお別れを体験し、さらにその後引き取った飼い主もまた体を壊して動けなくなってしまったという経緯で来たらしい。幸せな時間もあっただろうに。きっと飼い主のことが恋しいだろうなぁと切なくなりながら一緒に帰る。
数日一緒に過ごしても、ちっとも心を開かない(笑)。怒ったりはしないのだけれど、人間にも猫にも全く興味を示さない。「気長にごゆっくりしていってよ」なぁんて言いながら、いい距離を保ちながら自由にさせている。とはいえ老犬なので、本当にほぼ寝ている。ずっと寝ている。起きた時にちょっと話しかけて撫でたりしているけど、基本無視される(笑)。それでも数日経つと、何となく私にピタッと寄り添ってきたりして嬉しい。少しずつ距離を縮めて、仲良くなれたらなぁと思いながら、辛抱の時期。
高齢でほとんど運動をしないので、散歩もそんなに必要ないとのことだったけど、ベランダに出してあげると結構楽しそうに歩いていたのでどうやら散歩は好きなよう。好きなものを1つ見つけて私の心も踊る。つい私の愛とエゴと物欲が爆発してきてしまった。可愛いハーネス買わなきゃ! お散歩グッズも可愛いのがいいなぁ。肉球ケアのクリームもいる!? とか、もうメロメロでやられてる(笑)。
なかなか距離が縮まらないので時間はまぁある。ついには洋服を作り始めてしまう。「ちょっと失礼しますねー」と言いながら採寸し、何となくの勘で型紙を作り、ノリと勢いで洋服を縫い始める私は我ながらどうかしてる。別に着飾って遊びたいわけではなく、体の負担や汚れを考えてのことなんだけれど、美人で何でも似合いそうなのでついつい。家にあった可愛い布を使い、100均でアジャスターとか紐などを買って、300円くらいで作ったベスト型のハーネスは初めて適当に作った割にはなかなか良い出来だ。
「やっぱり私って天才!?」なぁんて自画自賛しながら、型紙を改良して次の作品に取りかかる。飼い主になれなくてもいい、専属ファッションデザイナーで、専属ヘルパーで、専属給仕になって、お婆さんの世話をさせていただこう。完全に心開いた時にめっちゃワガママだったらどうしよう。それもそれで楽しそう! なぁんて色々妄想を膨らませながら、新しい家族とのこれからの生活を楽しみにしているのであります。ちなみに猫たちの反応はそんなに悪くなく、観察してたり、近くで寝てみたり、案外すんなり受け入れているようであります。


