全国清涼飲料工業会、自動販売機の25%電力削減を発表

~コカ・コーラは3グループ制の冷却停止で33%削減

 社団法人 全国清涼飲料工業会は15日、東京電力管内の飲料自動販売機(自販機)について、使用電力削減を行なうと発表した。

 工業会に所属する会員会社の自販機は、約87万台で、使用電力は約26万kWに達する。これは東京電力の本年度における電力供給目標5,000万kWの0.5%にあたる。

 工業会の自販機では、すでに電力需要のピークにあたる7月~9月の13時~16時の間、冷却機能を停止している。これにより、1台当たりの消費電力が、冷却時の299Wから17Wへと削減される。今回、これに加えて10時~21時の間、25%の電力カットを実施するとしている。なお、電力カットの具体的な方法については、近日中に公表するという。

 これを受けて、工業会の会員である日本コカ・コーラと、ダイドードリンコが節電対策を発表した。

 コカ・コーラの計画はさらに高い目標で、自社の東京電力管内自販機約25万台について33%の電力削減を目指す。具体的には、自販機をA/B/Cの3つのグループに分け、輪番制で冷却の停止を行なう。Aグループは10時~13時、Bグループは16時~18時、Cグループは18時~21時に停止する。13時~16時は3グループすべてが停止するため、Aグループは連続で6時間冷却を停止することになる。

 さらに、管内の8つの工場では平日に輪番で製造ラインを停止する。約120カ所のオフィスにおける節電対策も含め、6月上旬から9月までの約4カ月間で、事業全体で対前年比25%以上の電力削減を実現するとしている。

コカ・コーラの33%削減プランイメージ

 ダイドードリンコも、約9万台の自販機について、輪番制で冷却停止を行なう。これにより、10時~21時の間で25%以上の電力削減を行なうとしている。

 自販機の消費電力については、東京都の石原知事が、以前から規制の強化を訴えていた。さらに、4月10日の再選直後の会見で、パチンコ業界とともに強く指弾したことで政治問題化しつつある。

 すでに都議会民主党も、独自のプロジェクトチームを立ち上げ、「午前10時から午後9時までの間の冷却機能の停止を求める」内容の消費電力抑制条例案を発表している。






(伊達 浩二)

2011年4月15日 21:52