東京電力、今夏は850万kWの電力不足に

~供給力増強も大きく及ばず

 東京電力は、今夏の需給見通しとその対策を発表した。

 今夏の電力需要は、1日の最大値で5,500万kW程度と予想している。これは、記録的猛暑だった昨年より約500万kW低い。1日の平均では約4,800万kW程度と想定している。

 これに対し供給できる電力は約4,650万kWと見ており、850万kWの不足となる。4,650万kWは、3月24日の3,650万kWに比べ、1,000万kW高い数字になっている。追加供給力の主力としては、震災で被害を受けた火力発電所の復旧や定期点検からの復帰が見込まれている。また、必要に応じて供給力を調整する需給調整契約の活用も行なうとしている。

 現時点では、計画停電の有無には触れられていないが、受給ギャップがかなり大きいため、現在以上の大幅な計画停電が実施される恐れがある。

今夏の需給見通し


3月24日(実績)7月末
需要(発電端1日最大)3,7295,500
供給力3,650(3,850)4,650(※)
予備力▲50(150)▲850(※)
【注記】単位:万kW。()内は揚水発電含む。※揚水発電の供給力については需給の動向により変動するため未定

追加供給力の明細

(1)震災による停止からの復旧 【760万kW】:鹿島火力1~6号機、常陸那珂火力1号機など
(2)長期計画停止火力の運転再開 【90万kW】:横須賀火力3,4号機/ガスタービン1・2号
(3)定期点検からの復帰 【370万kW】:品川火力1号系列第1軸、横浜火力7号系列第2軸など
(4)ガスタービン等の設置 【40万kW】
(5)その他 【▲260万kW】:既設火力の夏期出力減少分(大気温上昇による出力減)など





(伊達 浩二)

2011年3月25日 15:52