三菱、“世界初”洗濯物の乾きムラを狙って乾かす除湿乾燥機

~新機能「部屋干しムーブアイ」搭載

 三菱電機は、洗濯物の位置と乾き具合を検知して乾かす“世界初”の除湿乾燥機「衣類乾燥除湿機 MJ-100EX/80EX」を、5月10日に発売する。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は、1日の除湿能力が最大10Lの「MJ-100EX」が43,000円、最大8Lの「MJ-80EX」が37,000円。

1日の除湿能力が最大10Lの「MJ-100EX」除湿能力は最大8Lまでの「MJ-80EX」

ルーバー内部に搭載されているのが「部屋干しムーブアイ」。
前方から上方にかけての441エリアの温度を赤外線センサーで検知し、
洗濯物の位置と乾き具合を検知する
 部屋干し時の乾きムラを抑えることをテーマとした除湿機。同社の調べによると、部屋干しの仕上がりに対する不満の多くに「乾きムラ」を挙げる声が67%と多く、既に除湿機を使用している人でも59%と半数以上を占めていたという。

 このことから本製品では、洗濯物の位置と乾き具合を自動で検知し、乾きムラを抑えるセンサー技術「部屋干しムーブアイ」を新たに採用した。これは運転をスタートすると、約3分間、上下左右の全441エリアの温度を赤外線センサーで検知し、洗濯物の位置と乾き具合を細かく判別、洗濯物が干してある部分だけに送風するというもの。一部の衣類が乾いた場合は、濡れている衣類のみに絞った運転に自動で切り換える。衣類の乾燥後は、自動で運転を停止する。

電源を入れると、「部屋干しムーブアイ」が洗濯物をチェック。約3分後に、洗濯物が干してある場所に向けて送風する

乾いたバスタオル(左)と濡れたバスタオル(右)によるデモが行なわれたこちらがムーブアイが検知した温度。濡れたバスタオルが置いてある右下の部分だけ、温度が下がっている。なお、検知単位は0.2度ムーブアイが検知した温度を使ってサーモグラフィー処理をすると、濡れたバスタオルの部分だけ温度が低くなっている(赤い部分は照明の 影響を受けている)

 さらに、上下150度、左右100度に自動でスイングする送風口「3次元広角狙えルーバー」も新たに搭載。部屋干しムーブアイが検知した洗濯物の位置と乾きムラに向けて、ピンポイントで自動送風できるという。また、風路を絞り風の勢いを強めることで、厚手の洗濯物や遠くに干した洗濯物の乾きムラも解消し、ニオイや不快感も抑制できるという。

 なお「部屋干しムーブアイ」は、三菱電機のエアコン「霧ヶ峰」シリーズで、床の温度や人の状態を検知し省エネ運転する「ムーブアイNavi」でも採用されている、三菱独自のセンサー技術。霧ヶ峰のムーブアイは縦に8個並んだセンサーが左右を動きながら測定するが、除湿乾燥機でのセンサーは1つで、ルーバーの動きに合わせて洗濯物を検知する仕様となっている。

送風口には、上下150度、左右100度に自動スイングする「3次元広角狙えルーバー」を搭載。写真は下方向に送風している状態上方向に送風しているところ。本体の背面方向へも風を送れるこちらは従来モデルの送風口

電源を入れた時の「3次元広角狙えルーバー」のようす

運転開始後、約3分間は、ムーブアイが洗濯物を確認するための時間となる
ムーブアイが衣類をチェックした後は、濡れた衣類に向けてピンポイントで送風する。動画中でも、左の乾いたバスタオルでなく、右の濡れたバスタオルに送風されているのがわかる
【お詫びと訂正】初出時、上の2つの動画が逆に表示されていました。訂正してお詫びさせていただきます。

 このほか、就寝時に運転を開始し、朝までに衣類を乾かす「夜干しモード」、脱衣所から浴室に向けて送風することで、カビ菌の成長を抑える「浴室カビガード」、本体内部の冷却器を乾燥し、本体のカビの発生を抑える「内部クリーン運転」などの機能も用意されている。

 なお本製品では、従来モデル「MJ-H100DX」にあった冷風の送風機能は省かれている。そのため、本体サイズは360×210×534mmと、従来モデルよりもコンパクトになっている(MJ-H100DXは390×205×568mm[同])。

本体サイズは、従来モデル「MJ-H100DX(右から2番目)」と比べてコンパクトになっている取っ手も用意されているタンク容量は3L。縦長のデザイン

操作パネル「部屋干しムーブアイ」のロゴ

 三菱電機ホーム機器の家電製品技術部 任田保満次長は、梅雨時の衣類乾燥について「室内干しはニオイが発生しやすく、また部屋の湿度も上がる。洗濯乾燥機は電気代が安いものも増えているが、初期費用は高く、シワがあったり使えない素材もある。浴室乾燥機は導入されていない家も多く、また電気代が高い」と説明。そのうえで、「除湿機は、においや仕上がりも良く、初期費用も電気代もそれなりに安い。除湿機は一番欠点が少なく、実用性に富んだ衣類乾燥手段。使った方からも『こんな便利なものはない』という声をいただいている」と、除湿機のメリットをアピールした。

三菱電機ホーム機器の家電製品技術部 任田保満次長梅雨時における、衣類乾燥方法の比較。除湿機は欠点が一番少ない手段という

 ラインナップの詳細は以下の表の通り。なお、部屋干しムーブアイ、3次元広角狙えルーバーを省いたモデル「MJ-180EX」「MJ-70EX」も、同時に発売する。

型番MJ-100EX MJ-80EX MJ-180EXMJ-Z70EX
除湿方式コンプレッサー式ゼオライト式
1日の除湿能力
(50/60Hz)
9/10L7.1/8L15.5/17.5Lいずれも7L
最大消費電力
(50/60Hz)
245/270W220/245W355/400Wいずれも595W
タンク容量3L4.7L2.4L
部屋干しムーブアイ-
3次元広角狙えルーバー-
衣類乾燥時間75分85分58分65分
4輪キャスター横方向自在-
運転音(衣類乾燥)50dB46dB
運転音(夜干し)39dB38dB
本体カラーパールホワイトピュアホワイトターコイズブルー
店頭予想価格43,000円前後37,000円前後50,000円前後27,000円前後



(正藤 慶一)

2010年4月8日 16:50