家電Watch logo
記事検索
バックナンバー
【 2009/03/30 】
やじうまミニレビュー
DO-SEE「LEDライト付きスタンドルーペ」
[00:01]
家電製品ミニレビュー
ツインバード「コンパクトフライヤー EP-4694」
[00:01]
【 2009/03/27 】
家電製品ミニレビュー
三菱「蒸気レスIH NJ-XS10J」
[00:02]
やじうまミニレビュー
L.L.Bean「ボート・アンド・トート・バッグ」
[00:01]
【 2009/03/26 】
やじうまミニレビュー
アイリスオーヤマ「サイバークリーン」
[00:01]
家電製品長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」(4/4)
[00:00]
【 2009/03/25 】
やじうまミニレビュー
オーエフティー「自動給餌機 Newビストロ」
[00:01]
家電製品ミニレビュー
日立「クリエア7 EP-CV1000」
[00:00]
【 2009/03/24 】
やじうまミニレビュー
「家庭菜園 かいわれくん」
[00:02]
長期レビュー
シャープ「プラズマクラスターイオン発生器&加湿空気清浄機」 (4/4)
[00:01]
【 2009/03/23 】
やじうまミニレビュー
撥水ペーパーのメモ帳と“現場仕様”のボールペンを試す
[00:01]
長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」 (3/4)
[00:00]

家電製品ミニレビュー
三菱電機「サラリ MJ-H100CX」

~強力な浴室乾燥機能が魅力の除湿乾燥機
Reported by 本誌:伊藤 大地

三菱電機「サラリ MJ-H100CX」
 6月2日、関東地方は例年より20日早く、梅雨入りした。

 洗濯乾燥機を導入したおかげで、衣類の乾燥には困っていないのだが、部屋の湿度上昇と浴室のカビには相変わらず、悩まされている。我が家の旧式エアコンでは、ドライ運転をすると寒くなる。気温も低い今では、到底使えそうにない。

 そこで、部屋を除湿し、かつ浴室乾燥もできる除湿器を購入しようとリサーチを始めた。しかし、意外に選択肢がない。というのも、除湿器のほとんどが衣類乾燥や冷風機能をウリにしていて、いまいち私のニーズに合わない。そんな中、目に止まったのが浴室のカビ抑制モードをはじめ、多機能さをウリにしているのが三菱電機の「サラリ MJ-H100CX」(以下、MJ-H100CX)だ。メーカー希望小売価格は72,450円。Amazon.co.jpで39,872円で購入した。


本体正面
本体上部。操作部はここに固まっている 操作部の左端には現在の湿度が表示される

本体側面
本体背面
外側のカバーを外すと中には「銀イオン除菌脱臭フィルター」が設置されている

水がたまるタンクは本体左側面の下側にある。外側から中の水の量が分かるように小窓が設けられている
タンク本体
排水はタンク上部から行なう

 お目当ての浴室乾燥機能の話をする前に、まず、除湿乾燥機のトレンドとMJ-H100CXの基本的な機能についてまとめておきたい。

 MJ-H100CXは、取り込んだ空気を冷やして、水分を結露させて除湿する、コンプレッサー式の除湿器だ。コンプレッサー式の除湿器はその構造上、冷却器を通過した冷たい空気と、コンプレッサーの排熱による温風が同時に出る。この機構をうまく利用したのが近年、メーカーを問わず流行している冷風機能と衣類乾燥機能だ。人に向かって冷風を吹き出して涼めるようにし、一方で後ろ側には温風を吹き出して、衣類を乾かす――といった具合に、冷風と温風を吹き分ける発想だ。MJ-H100CXにも吹き分け機能は搭載されている。

 もう1つのトレンドは衣類乾燥機能。スイングルーバーで吊した洗濯物にまんべんなく乾いた風を当て、短時間で乾かすというものだ。MJ-H100CXでは、乾燥効率をさらに上げるため、衣類乾燥カバーが付属。ハンガーに吊るした洗濯物をすっぽりとカバーで包み、カバーの内部に集中的に乾いた風を吹き込むことで、乾燥のスピードがさらにアップするというものだ。また、ヒーターも内蔵しており、暖めた風を集中的に衣類に当てて早く乾かすモードもある。


MJ-H100CXを購入した決め手はなんといっても浴室乾燥機能にある
 MJ-H100CXは吹き分けと衣類乾燥という2つのトレンドをきっちり抑えているが、ここまでは三菱独自というほどではない。なんといっても、MJ-H100CXを選んだのは、浴室のカビに対する機能が他の製品より充実しているからだ。

 実際に使った結論から先に言ってしまうと、これは最高だ。今まで、歯ブラシに薬剤を付けてこすったり、対策に苦労していた黒カビ防止に、明らかな効果が見られた。電源を入れた直後は80%近かった湿度が、20分で60%、30分で50%台にまで下がったのだ。

 使い方は簡単。浴室のドアを開け、浴室に向けてMJ-H100CXを設置し、「浴室カビモード」で運転するだけだ。では、なぜカビに効果があるのか。仕組みを追ってみよう。

 浴室のカビ対策として、MJ-H100CXではソフト面、ハード面両方から攻めている。まず、ソフト面。浴室に出る黒カビは、湿度50%以下で大幅に抑制できるという。そこで、「浴室カビガード」ではまず、一気に冷風で除湿。湿度50%まで下げる。そこから50%の状態を4時間維持することによって、カビの菌糸の成長を8割抑制する。

 これだけ聞くと、「なにも専用のモードじゃなくても、普通に除湿すればいいんじゃないの」と思うかもしれないが、それは違う。人間が快適と感じる湿度は50~60%と言われている。つまり、自動運転を選ぶと、MJ-H100CXに限らず多くの除湿器では湿度50~60%の間を維持するように自動制御する。つまり、カビの成長を抑制するには、50~60%の間では物足りないわけだ。かといって、自動制御せずに連続運転をすると、エネルギーも無駄になる。だから、このカビ専用モードが活きてくるわけだ。

 ハード面では、ほぼ真下方向に風を送れるルーバーが特徴的だ。


本体のルーバーが動く様子

 思い出してみて欲しい。浴室内でもカビの繁殖が激しいのは、ドアのレール付近だったりしないだろうか。こういった凹凸のあるポイントは水分が溜まりやすく、それゆえ、カビが生えやすい。しかし、こうしたポイントはドアに向けて除湿器を設置すると、ほぼ真下になるため、「灯台もと暗し」ではないが、風が当たらなかった。

 これを防ぐために、MJ-H100CXではルーバーの羽を伸ばし、吹き出した風をほぼ真下方向に吹き出す仕組みを採用した。実際使ってみても、これの効果は相当大きい。確かに、ほぼ真下に風が当たるのだ。


用途に合わせて送風方向を変えられるルーバーが大きな特徴の1つ ドア付近の凹凸部分などカビが発生しやすい場所に直接、送風できる

 この真下吹きつけが効果を発揮するのは、浴室だけでない。湿気を不快に感じるのは、主に足下。集合住宅でありがちな、暗くじめっとした靴が並ぶ玄関や、どこか湿気を含んだ洗面所のマット、水分をたっぷり含んだ敷き布団――こうしたものに、直接風を当てやれば、30分ほどでカラっとなるのだ。

 布団などは、もちろん専用の布団乾燥機のほうが乾きがよいのは当たり前だが、大きなシートを布団に仕込んだり、準備と片付けが面倒で月に2度やれば良いほうだった。しかし、ただ下向き送風をすればよいだけなら、もっと頻繁に乾燥できる。

 というわけで、我が家ではリビングの除湿はもちろん、浴室・玄関・下駄箱・布団・押し入れ・台所と、場所をかまわず、あらゆるところで活躍している。今回のレビューでは、利用シーンを絞って解説したが、それだけ、下向きルーバーの便利さを伝えたい思いが強い、ということをご理解いただきたい。

 要望は、取り回しが悪いこと。もともとコンプレッサー式は重量があるため、14.2kgという重さはしかたないとしても、残念なのは底面についたキャスターが横方向にしか動かず、方向転換ができないことだ。

 おそらくこの仕様は、電源コードが接続されたまま、スーツケースのように全方向に動くとかえって危ない、という配慮によるものだろう。しかし、各部屋に1台ずつ導入するようなモノでもない。また、衣類乾燥から浴室乾燥まで、応用範囲が広いことが、MJ-H100CXの最大の利点であることを考えると、全方向に動くメリットは、そのデメリットを補ってあまりあると思うのだが、いかがだろうか。このあたりは、持ち運びをより意識した、シャープの「コンビニクーラー」のほうが私の考えに近い。


本体上部には移動を考えて持ち手が備えられている 本体底部には4カ所にキャスターがついているものの横方向の移動にしか対応していない 電源コードの接続状態を考慮されているのかもしれないが、使用してみた感じでは全方向に移動が効かないことでのデメリットは大きかったように思う

 「動かす」ことに関連してもう1つ付け加えると、コードリールが欲しい。コードを抜いて引きずるとなると、どうしてもコードを手に持たなければいけない。これにリールが付いていたら、より動かすことへの抵抗がなくなるだろう。

 まず私と同じように、浴室のカビに悩む人にまず勧めたい。衣類乾燥、部屋の除湿はもちろん、快適な「足下除湿」をぜひ体感してもらいたい。





URL
  三菱電機株式会社
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/
  製品情報
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/jyoshitsuki/lineup.html#h100cx
  除湿器関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/air.htm

関連記事
三菱、浴室の黒カビを抑制する除湿乾燥機(2008/02/18)
そこが知りたい家電の新技術
シャープ「コンビニクーラー CV-U71」(2007/07/30)




PR  




2008/06/05 00:03

- ページの先頭へ-

家電Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.