ニュース
ミライ人間洗濯機の技術応用 こすらず汚れ落ちる風呂を介護現場に
2026年10月26日 18:11
サイエンスは学研ホールディングスと共同で、学研グループのメディカル・ケア・サービスが運営する介護事業所にて、ファインバブル技術を活用した入浴設備の導入実証を11月より開始する。
学研グループは教育事業に加えて介護事業にも進出しており、現在グループ全体での売り上げの半分程度が介護事業によるものだという。また国内の高齢者施設の運営数でも1位となっている。グループ内では学研ココファン、グランユニライフケアサービスが主にサービス付き高齢者向け住宅を運営し、今回検証を行なうメディカル・ケア・サービスは、認知症グループホームの運営を中心に事業を展開している。
こすらず汚れ落とす技術で負担軽減
本実証では、2025年の大阪・関西万博にサイエンスが出展した「ミライ人間洗濯機」の技術が活用される。ミライ人間洗濯機は、水中にマイクロバブルを発生させて皮脂などを吸着、浮上、分離して体を洗浄する仕組み。お湯に浸かっていない顔などにはウルトラファインバブルを含むシャワー水流でアプローチする。いずれも洗浄剤やスポンジなどで体をゴシゴシこする必要がない点を特徴としている。
サイエンスではまたぐ必要のないドア付き介護浴槽「ミラブルアシストバス」を展開しているが、こちらは新築向けとなっているため、本実証では既存住宅向けに後付け可能な「どこでもミラバス ポータブル」やシャワーヘッド「ミラブル」シリーズなどを活用する。
実証は11月にスタート。第1段階では導入前後の浴槽細菌検査/評価、入居者の皮膚汚れ/保湿状態の比較などを行なう。第2段階では入院予防、皮膚トラブル予防、QOL向上などの相関関係についてデータを蓄積し、第3段階で効果検証を実施。結果により検証事業所を増設したうえで、最終的に共同研究の実施を検討する予定としている。
介護の現場では、尿路感染症やIAD(失禁関連皮膚炎)などを防ぐため、体をしっかり洗って細部まで清潔に保つことが必要だ。一方で高齢者の肌は表皮が極めて薄く、わずかな摩擦で剥離や内出血が起こりやすい。また、認知症のある人は感覚が繊細で、一般的なシャワーの刺激を強く受けやすい状態にあるほか、不安から入浴を拒否することもあるという。
このため、入浴は介護の現場において入居者・介助者双方の負担が大きいものとなっている。本実証では、「こすらずに汚れを落とす」入浴スタイルを通じて、入居者・介助者の心身への負担軽減を目指す。
メディカル・ケア・サービスの山本教雄 代表取締役社長は、サイエンスの技術を活用した入浴ケアにより、肌へのダメージを防ぎながら清潔を維持できること、入居者自身が爽快感を得られること、現場で働くスタッフの心理的負担が軽減されることを期待したいとコメントした。

