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古いカセットボンベで火災の危険も 安全に使うためのポイント

経年劣化したカセットボンベを使用して漏れたガスに引火する様子(イメージ)

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、災害時に使用されるカセットボンベ機器や携帯発電機などの事故事例を紹介。2020年から2024年の5年間で、カセットボンベ関連の事故は204件、携帯発電機では21件が報告されており、中には死亡事故も発生しているという。

災害時に活躍する製品例

【事例1】カセットボンベのパッキン劣化が原因で火災

カセットボンベをガスストーブ(カセットボンベ式)に接続して使用中、周辺を焼損する火災が発生。カセットボンベの長期保管(製造から26年)により内部のパッキンが劣化し、亀裂が生じていたために、カセットボンベをガスストーブに装着した際にガスが漏れ、ガスストーブの炎が引火したものと推定される。

経年劣化したカセットボンベからガスが漏れている様子

【事例2】室内での発電機使用で一酸化炭素中毒

窓と玄関が施錠された一般住宅で携帯発電機を使用中、一酸化炭素中毒で倒れた。換気が十分に行なえない屋内で使用したため、排気ガスにより屋内の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素中毒になったものと推定される。

室内での携帯発電機の使用による一酸化炭素中毒で倒れる様子(イメージ)

気を付けるポイント

NITEは、以下の点に注意するよう呼びかけている。

  • カセットボンベには使用期限があるため、古いものから使い切るローリングストックを実践する
  • カセットボンベを機器に装着する際、異音や異臭があれば直ちに使用を中止し、換気を徹底する
  • 高温環境での保管や誤った加熱は避け、使用後は必ず取り外して涼しい場所に保管する
  • 携帯発電機は屋内やテント内では絶対に使用せず、屋外の風通しの良い場所で使う

特に携帯発電機は、四畳半程度の部屋で稼働させると8分で一酸化炭素濃度が2,000ppmを超えるという検証結果もあり、短時間で命に関わる危険性がある。