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パナソニックが小世帯向け家電を本格展開「小さくても上質」
2025年8月21日 11:02
パナソニックは、単身世帯や二人暮らしなど「小世帯」をターゲットとした、小型ながら上級機の機能を持つ付加価値の高い家電を提案すると発表。第1弾として「冷蔵庫」「電子レンジ」「コンパクトベーカリー」「ななめドラム洗濯乾燥機」「食器洗い乾燥機」「レイアウトフリーテレビ」「マッサージチェア」の7製品を展開する。
「小さくても機能は妥協したくない」ニーズに
日本国内の世帯構成の変化により、単身世帯や夫婦のみといった「小世帯」が、1980年の約32%から、2020年時点で約58%まで拡大している(出典:国立社会保障・人口問題研究所の将来予測)。
一方で家の中で過ごす時間をより大切にしたいという考えや、都心部を中心とした住宅面積の縮小傾向を背景に、省スペースでも空間を最適化する「スぺパ(スペースパフォーマンス)」のニーズの高まりを受けて発足したもの。“コンパクトなのに上質で心地よく過ごせる家電”をコンセプトとしている。
同社を含め、特に大手メーカーの高機能家電は、本体も大型(大容量)になるのが一般的。これまでは小世帯の家電でも高付加価値モデルを使いたい場合は、必然的に広い設置スペースを要していた。
そこで、今回の7製品は本体サイズや容量は小世帯向けにしつつも、高級機に搭載している人気の機能を厳選して搭載。既存の低価格でシンプルな一人暮らし向け家電とは差別化を図り、性能やデザインにできるだけ妥協をせずに、適切なサイズと機能の製品を選べるようにするのが狙い。
これらは最初の商品企画段階から統一したシリーズとして開発されたものではなく、現時点でシリーズ名も存在しない。ただ、同社調査などで家電のニーズを検討してきた過程で共通する部分も多かったことから、結果としてこうした製品に市場の可能性があるとして今回の提案に至った。
フルオープンの冷蔵庫、あえてオーブン省いたレンジなど
“最後までおいしく食べきれる”ことを価値としたキッチン家電は、冷蔵庫「NR-C33JS2」、電子レンジ「NE-FB2D」、コンパクトベーカリー「SD-CB1」の3製品。
冷蔵庫「NR-C33JS2」(10月発売、オープン/市場想定価格17万円前後)は、3ドアの326Lタイプ。このサイズで業界トップクラスとする奥行き60cmのコンパクト設計で、狭小キッチンにも入れやすい高さ170cmの低背モデル。
一方で「サクッと切れる微凍結(パーシャル)」や、フルオープン野菜室を備えるなど上位機の機能を持ち、食材をムダなく食べきれるサポートをしてくれるという。
電子レンジ「NE-FB2D」(9月発売、オープン/市場想定価格45,000円前後)は、26Lサイズながら高級機と同様の「高精細・64眼スピードセンサー」と3D形状のアンテナを持ち、食品の温度を検知してご飯やおかずの温めムラを防ぐのが特徴。温度が異なる冷凍と冷蔵の2品を同時に適切に温めることもできる。
一方でオーブン機能は搭載しない単機能レンジとして温めに特化し、価格も抑えている。
コンパクトベーカリー「SD-CB1」(2024年9月発売済み、オープン/市場想定価格22,000円前後)は、約0.6斤の食べ切りサイズでパンを作れるのが特徴。作り置きせずいつも焼きたてを楽しめる、業界最小のコンパクトサイズとしている。
小容量ドラム洗、小さくてもフライパン入る食洗機、置き場所自由なテレビなど
“時間と空間にゆとりを作る”ための家電が、ななめドラム洗濯乾燥機SDシリーズの「NA-SD10HBL」と「NA-SD10UBL」(いずれも11月発売、オープン/市場想定価格20万円前後)。主な違いは、NA-SD10HBLのみ温水洗浄機能を備え、NA-SD10UBLはスマホ連携に対応する点。
いずれもタテ型洗濯機からの置き換えなどを想定。限られたスペースにも置きやすい設計ながら、洗剤自動投入や、新しい上位モデルにも採用されたダウンジャケットの洗浄機能(家庭で洗濯できる容量800g/1枚までのもの)に対応している。乾燥機能は上位機のような省エネのヒートポンプではなく、ヒーター式となっている。
【訂正】初出時、NA-SD10HBLとNA-SD10UBLの違いについて逆になっていました。お詫びして訂正します(13時49分)
時間にゆとりを生んでくれる食器洗い乾燥機「NP-TSK2」(10月発売、オープン/市場想定価格8万円前後)は、約29cmの奥行きと、上に開くリフトアップオープンドアで、狭い場所にも置きやすいのが特徴。同社の最小モデルSOLOTAとは異なり、食器だけでなくフライパンなどの調理器具も入るサイズで、調理器具と2人分の食器12点を一度に洗える。
5月より販売中のHDD(ハードディスク)搭載レイアウトフリーテレビ「TH-43LF2」(オープン/市場想定価格21万円前後)と、HDD非搭載の「TH-43LF2L」(同17万円前後)。
チューナーとのワイヤレス接続に対応し、壁のアンテナ線がある場所から遠くても、好きな場所に置きやすくなっている。テレビでは珍しい白い本体デザインも特徴。
【訂正】初出時、レイアウトフリーテレビの2機種の特徴について誤った説明をしておりました、お詫びして訂正します(18時10分)
“自分のからだと向き合う”ためのマッサージチェア「EP-MA110」(12月発売、オープン/市場想定価格50万円前後)は、同社の本格モデル「リアルプロ」が持つマッサージ機能と、家具調デザインを両立したというスリムさが魅力。フットマッサージなど一部は省いているが、もみ玉など基本機能は高級機から継承している。