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エアコンのお掃除機能ありとなし、どっち選ぶ? クリーニング業者の意見は

先日、エアコンのお掃除機能の必要性についてダイキンにうかがいました。

使用者が日頃手入れできる頻度、見た目の好み(厚さ)、省エネ性を重視するかなどでお掃除機能の必要性は変わってくるというのがメーカー側の意見でしたが、別の立場ではまた違うのでしょうか? そこでハウスクリーニングサービスを展開するベアーズ 東京本店 マネージャー 四本竜介さんにお話をうかがってみました。

ベアーズ本社受付。家事代行サービスのスタッフと同じ「赤エプロン」を身に着けた同社のマスコットキャラ「モモエちゃん」がお出迎えしてくれた
インタビューに応じてくださった、ベアーズ 東京本店 マネージャー 四本竜介さん

ランニングコストを考えるとお掃除機能無しがおすすめ?

――ずばりハウスクリーニング業者目線では、お掃除機能有り無しどちらがおすすめですか?

四本竜介さん(以下敬称略):個人的には、お掃除機能が無いタイプですね。

――即答(笑)。

四本:エアコンの“お掃除機能”って、フィルターのお掃除だけなんですよね。しかも全く掃除が不要になるわけではなく、フィルターの汚れを溜めておくダストボックスの清掃が定期的に必要になります。

フィルターのお掃除機能が搭載されていたところで熱交換器や送風ファンのカビ汚れを避けることはできないですし、汚れを除去しようとするとハウスクリーニング業者に頼んで内部洗浄するしかないので、業者に依頼するランニングコストっていうのを考えると、お掃除機能が無いタイプがおすすめになります。

――お掃除機能の有無で料金も結構変わってきますもんね。

四本:エアコン1台あたりのクリーニング費用は、ベアーズではお掃除機能有りで21,780円。お掃除機能無しで14,190円。差額は約8,000円ですが、エアコンが家に複数台あればそれが万単位になりますし、10年単位で考えると数十万にもなってきます。

お掃除機能有りは上位機種になるでしょうから、一般的に省エネ性能が高い傾向があるというメリットもあるとは思います。しかしそれを補って余りあるランニングコストになるんじゃないかというのが、私の意見です。

――購入時の金額時点でお掃除機能有りのほうが高いことが多い上に、ランニングコストの差額もまあまああるとなると、うーん確かに。ちなみにそのお掃除機能の有無で料金が変わるのは、なぜですか?

四本:各社・各機種仕様は様々ですが、お掃除機能有りのエアコンには、フィルターを掃除するためのロボットなどの機械が搭載されていて、その機械の取り外しに複雑な工程を要します。パーツの数も多く、お掃除機能無しのエアコンではネジが2本で済むところを、お掃除機能有りだと15~20本あるものもあり、分解・組み立てに時間がかかることが価格が高くなる理由です。

――それぞれ作業時間はどれくらいかかるのでしょう?

四本:お掃除機能無しであれば1台1時間から1時間半。お掃除機能有りであれば1台2時間から、長いと3時間近くかかる場合もあります。

――そんなに差が! お掃除機能有りがどれだけ複雑なのか想像できました。ちなみに日々依頼を受けていて、お掃除機能有り無しはどちらが多い印象ですか?

四本:半々くらいですね。お掃除機能有りの依頼は、市場への流通に伴ってここ数年でだんだんと増えてきているような印象です。

また、先程ランニングコストの面からお掃除機能が無いタイプがおすすめと答えましたが、上位機種が欲しい人や、フィルターを外してこまめに掃除をするよりも、ダストボックスを掃除するほうが楽という人には、お掃除機能有りのエアコンがいいかもしれません。

インタビューに答えてくださる四本さん

クリーニング頻度は1~3年が目安。日頃からの手入れをしっかりしよう

――お掃除機能の有無で、クリーニングの頻度が変わってくることはあるのでしょうか?

四本:お掃除機能の有無による、内部の汚れの付き方にそこまで違いは見られません。あくまでエアコンの“お掃除機能”は、フィルターのお掃除だけですので。

――ではクリーニングは、大体どれくらいの頻度で依頼したほうがいいのでしょう?

四本:使用頻度や使用する環境によります。たとえば人が多く出入りするようなリビングであれば、ホコリが舞って汚れやすいですし、エアコンの使用頻度も高いため、短いスパンで清掃したほうがいいと言えます。ペットを飼っているご家庭や、LDKでキッチンの油が空気中に含まれやすい環境ですと、より汚れやすいです。

リビングの場合は1~2年に1回、寝室などの寝ている間だけの稼働で、人の移動が頻繁に行なわれないような部屋であれば、2~3年に1回はクリーニングをおすすめします。

――エアコンを10年使うとしたら、最低でも3回はクリーニングをしておいた方がよさそうですね。ランニングコストの差はやはり侮れない……。ちなみにエアコンのクリーニングに最適な時期とかってありますか?

四本:一番依頼が多いのは暑くなり始める6月ですが、冷房を使い終わった秋頃に清掃しておくと、綺麗になった状態で翌年も使用できるので、ひとつおすすめのタイミングになります。冬の時期に使用するのは暖房だと思いますので、カビが生えるリスクというのは少ないです。

また費用を抑えたいという場合には、各社春頃からキャンペーンをし始めるので、その時期に依頼することをおすすめします。ベアーズは今年だと4月末からキャンペーンを行ないました。

――季節的にはこれからがまさに、最適なタイミングになるというわけですね。最後に、エアコンのお手入れについて何かアドバイスなどがあればお願いします。

四本:湿気とホコリが一緒になると、それがカビの原因になってしまいます。エアコンの省エネ性にも影響しますので、フィルター掃除をまずはしっかりやっていただいて、使用後には内部クリーニング(送風)を行なって乾燥させるという、基本的なお手入れを日頃から心がけてみてください。

――内部洗浄のランニングコストを考慮した、クリーニング業者ならではの貴重なご意見をありがとうございました!

モモエちゃんと四本さん

松川 叶実