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献立提案する冷蔵庫など“ココロとカラダを共有”する三菱電機スマートホーム

 三菱電機は、毎日の生活をサポートする機能を盛り込んだ「三菱電機スマートホーム」のコンセプトを発表した。

 「心理的なストレスを感じない、快適で気持ちのいい生活」をキーワードとした、スマートホームのコンセプト提案。従来のスマートハウスは、エネルギー活用の最適化を目的としたものが多く、家電や住宅設備をITで接続し、最適に制御することでエネルギーの見える化を進めていたが、三菱電機のスマートホームでは家の設備ではなく人の生活に着目して、コンセプトを立案した。

従来のスマートハウスは、エネルギー活用の最適化を目指して、エネルギーの見える化を進めていたが、今回のスマートホームでは家の設備ではなく、人の生活に着目したという
具体的には3つのプランを提案。体調センシングや、献立提案などを行なう
三菱電機 デザイン研究所 ホームシステムデザイン部 河村玲永子さん

 「人は相手の気分や体調を読み取り、それに合わせて行動するのが当たり前だが、機器もそれをできないかと思った。心理的なストレスを感じない、快適で気持ちの良い生活を送れるスマートハウスを目指した」(三菱電機 デザイン研究所 ホームシステムデザイン部 河村玲永子さん)

 具体的には3つのプランを提案。まずエントランスでは、ドアのハンドルを握るとハンドルから、体温や脈拍などの生態情報を取得し、体調センシングを実行。家族全員の健康状態や、予定などを玄関の壁面に表示する。

玄関のドアのハンドルを握ると、体温や脈拍などの生態情報を取得し、体調センシングを実行する
玄関横の壁面では、自分の体調や予定などを確認できる
家族の体調やその日の予定が表示される

 次にキッチンの冷蔵庫では、体調センシングから得られた情報と冷蔵庫の中の食材を基に推奨する献立を扉に表示する。常に3種類程度の献立が表示され、選んだ献立に合わせて副菜なども提案される。

キッチンスペース
大型の冷蔵庫が設置されている
その日の体調や庫内の食材から考えられた献立が表示される

 調理スペースでは、冷蔵庫で選んだメニューの調理フローが調理台に投影される。調理工程や、完成までにかかる時間なども細かく表示される。IHクッキングヒーターは可動式で左右にスライドできる。複数で調理する時など、調理を分担しやすいという。カウンター部分は、非接触給電エリアとなっており、ジューサーやスロークッカー、炊飯器などをコンセントを使わずに使うことができる。

冷蔵庫で選択したメニューが調理台に投影される
調理フローや調理時間なども投影される
IHクッキングヒーター
スライド式で、場所を自由に変更できる
キッチンカウンターは非接触給電エリアで対応の家電機器をコンセントを使わずに使える。手前がスロークッカーで、奥が炊飯器
カウンター手前は冷蔵庫になっており、リビングからものを取り出しやすくなっている。ここには飲み物やアイスクリームなどを収納するという

 今回の発表はあくまでコンセプトの提案であり、製品化の予定は現時点で未定となる。このタイミングでコンセプト提案したことについては「三菱電機は固いイメージだったり、技術先行のイメージが強い。しかし、今回のスマートホームは、こういう生活を作りたいというところからスタートした。人発信でものづくりをしているということを知ってもらいたかった」(河村玲永子さん)と、話す。

阿部 夏子