パナソニック、“使うだけで省エネ”の「エコナビ家電」戦略を語る


「エコナビ家電」のラインナップ
 パナソニックは、同社のセンサー機能とプログラム機能を併せ持った家電を「エコナビ搭載家電」と命名。冷蔵庫や洗濯乾燥機など、8ジャンルの商品を“エコナビ”家電に設定。テレビCMなどで広告展開を行なうと発表した。




“エコナビ家電”は冷蔵庫、洗濯乾燥機のほか全8ジャンル


センサー技術とプログラム技術で、使用環境に合わせて省エネするのが「エコナビ」
  家電業界では近年、各社とも製品の省エネ性能の高さを競っており、パナソニックも“業界No.1”の省エネ性能を謳う製品を展開してきた。今回の「エコナビ」は、その省エネ性能の高さに加え、センサー技術とプログラム技術によって運転を制御することで、より高い省エネ効果を実現することを狙っている。

 例えば、10月発売予定の冷蔵庫「XVシリーズ」と「4Tシリーズ」は、高効率のコンプレッサーと冷却器、断熱材を使用することで、“業界No.1”の省エネ性能を実現。さらに、本体内部の4つのセンサーにより、本体内の使用時間やドアの開閉頻度、部屋の明るさなどを検知し、自動的に生活パターンに合わせて運転を自動制御することで、冬季で約15%、夏季で約12%の電気代をカットできるという。

 「エコナビ」を搭載した家電は以下の8ジャンル。なお、中には従来も搭載されていたセンサー機能を改めて“エコナビ”と銘打ったものもある。

冷蔵庫の「XVシリーズ」と「4Tシリーズ」。使用時間や開閉頻度などを検知し、省エネ運転を行なうななめドラム洗濯機の「NA-VR5600」は、汚れなど全3種類のセンサーを備えているサイクロン式掃除機の「MC-JC20WX」(左)。4月に発売した紙パック式の「MC-P9000WX」(右)もエコナビを搭載している
温水洗浄便座「ビューティートワレ WBシリーズ」は、人と室温の2つのセンサーを備える部屋の明るさに応じて自動調光する「オートエコ調光付ツインPa」。3月に発売したモデルと同機能だが、カバーのデザインや蛍光灯の色にバリエーションが加わっている汚れや食器量に合わせて運転することで、節水・省エネ効果がある食器洗い乾燥機「NP-TR1」
エコキュート「HE-KU37CQS」は、7月に発売済み。入浴検知センサーを「エコナビ」として扱っている参考出品として展示されたエアコン。詳細は不明だが、部屋や人の状態に合わせて、さらに省エネ運転ができるらしい

ジャンル品番(一部機種)センサー機能発売日
冷蔵庫NR-F504T開閉/照度センサー10月10日
ななめドラム式洗濯乾燥機NA-VR5600L/R泥汚れ/汗汚れ/布量センサー9月26日
食器洗い乾燥機NP-TR1汚れ/食器量センサー発売中
エコキュートHE-KU37CQS入浴検知センサー発売中
温水洗浄便座DL-WB50人/温度センサー10月1日
掃除機MC-JC20WXハウスダストセンサー10月下旬
シーリングライト ツインPaHHFZ4324明るさセンサー10月1日
※エアコンは「エコナビ搭載家電」だが、9月1日時点では未発表

“スペックはもちろん、エコナビでさらなる省エネの提案を”


パナソニック アプライアンス・ウェルネス マーケティング本部 石井純本部長
 パナソニックのアプライアンス・ウェルネス マーケティング本部の石井純本部長は、エコナビを導入した理由について、「家電は省エネ技術が進化する一方で、お風呂の水を洗濯物に使用したり、季節に合わせて冷蔵庫の温度を変えるなど、まだまだ省エネすることも可能となる。しかし、そうした行為は手間も掛かるためなかなかできていない。そこでパナソニックは、省エネNo1を達成することを目指したうえに、さらに暮らしの中でムダな電力を省くよう、機器自らが省エネを実現する『エコナビ』を搭載する。スペックで優れた性能を出すのはもちろんだが、これからはスペック競争よりも、エコナビでさらなる省エネ提案を実現していきたい」と述べた。

 石井本部長はまた、「エコナビ」を搭載することで、ドラム式洗濯乾燥機でシェア40%、500L以上の大容量冷蔵庫で35%のシェアを目指すとした。さらに、白物家電全体でも30%の大台を目指すという。

家電は意識して使えば省エネになるが、意識して使うにはなかなか難しいエコナビは基本的な省エネ性能の高さに加え、使用することでさらに省エネ効果が上がる点が特徴

“エコナビに賛成”をテーマとしたキャンペーン、広告展開も

 同社ではまた、今回の新商品マーケティング展開の一環として、「『エコナビ』賛成キャンペーン」をスタートする。

 具体的な内容としては、エコナビ家電を1台購入するとともに、世界31カ国の幼稚園や小学校などに1本の植樹を実施する「エコナビ搭載家電1台で、1本の植樹を!」キャンペーンを10月1日より開催。同時に、「エコナビ」の趣旨に賛成する人を専用サイトで集い、声が集まるほど植樹活動を拡大する「あなたの賛成で、グリーンサンタの森を広げよう」キャンペーンも、9月1日に実施する。キャンペーンは12月31日まで。

同社の広告キャラクターを務める吉瀬さんをはじめ、フリーアナウンサーの久保純子さんなどの有名人を「エコナビ」の広告塔に起用

 また、エコナビに賛成する有名人を起用した広告も実施。昨年から同社の広告キャラクターを務める女優の吉瀬美智子さんをはじめ、フリーアナウンサーの久保純子さん、写真家の浅井慎平さん、お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さん、スキー選手の皆川健太郎さん、上村愛子さん夫妻が、同キャンぺーンのテレビCMや店頭のPOP、WEBに登場する。

 発表会には、エコナビ賛成キャンペーンに参加する吉瀬さんと久保さんが登壇。エコナビ商品についての感想を求められると、吉瀬さんは「エコナビは自動的にエコ運転をしてくれるので、本当に賢い商品だと思いました。今後“エコについて何かやってますか”と聞かれた時は『エコナビ商品を使うこと』と伝えていきたいです」、久保さんは「家電は日々の生活の中で使う物なので、使うだけでエコというのは“地球人”としてうれしいことだと思います。消費者の皆さんにもどんどん伝わっていけば良いと思います」と回答。エコナビ家電をアピールした。

女優の吉瀬美智子さん。身近なエコに関する取り組みとしては「基本的に家にいることが多いので、エアコンの温度を1℃下げるとか、詰め替え用の製品を使うといったことをしています」とのことフリーアナウンサーの久保純子さん。同じく身近なエコについては「7歳になる娘が“エコ大臣”になって、シャンプーやリンスを使いすぎない、ごはんを残さずに食べる、といった『地球を守る10箇条』を紙に書いています」会場に掲載されていた「エコナビ」のポスター

「エコナビ」のテレビCMも公開された。CMの冒頭では、洗濯乾燥機は久保さん、冷蔵庫は浅井さん、温水洗浄便座は徳井さんが最初に登場し、その後に吉瀬さんが製品の特徴を解説する流れになっている



(正藤 慶一)

2009年9月2日 00:00