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山善、ヒト型ロボットで生産性向上へ

山善がヒューマノイドロボットの社会実装に向けINSOL-HIGH社と業務提携

山善のトータル・ファクトリー・ソリューション支社(TFS支社)は9日、ヒューマノイドロボットに特化した産業プラットフォームを構築するスタートアップ企業INSOL-HIGH(インソルハイ)と業務提携契約を締結したと発表。生産と物流の現場において日本初とする「ヒューマノイドロボットの社会実装」に向けた共同プロジェクトを進め、2026年以降の本格導入を見込む。

製造業や物流業界で人手不足が深刻化する中、現在のロボットシステムは搬送やピッキングに特化した単機能型が主流で作業効率が高い一方、指定された作業以外の業務ができず、柔軟な対応は難しいとされる。

人間に近い動作ができるヒューマノイドロボットのメリットは、現状の人手作業中心の現場にそのまま活用できること。現場の大規模な改修や設備変更を必要とせず、単機能型のロボットや自動化システムと比べて実効性と汎用性を持つ。物流施設内、自動倉庫やAGV(無人搬送車)など他のシステムとの親和性の高さも特徴。

今回の業務提携では、山善の生産現場における自動化ノウハウや独自の販売ネットワークと、INSOL-HIGHが持つヒューマノイドロボットに対応したWES(Warehouse Execution System/物流の倉庫内における作業や設備を管理するシステム)や物流ノウハウを掛け合わせ、様々な生産や物流の現場に適応可能なヒューマノイドロボットの社会実装を目指す。

共同実証実験では、山善の物流施設においてWESと連携したヒューマノイドロボットを使用し、人とロボットが協調する次世代オペレーション構築を進める。

ヒューマノイドロボットの最適化を図るため、物流施設や工場では、移動や物の把持、柔軟な作業が可能なロボットを運用。AIを活用して作業効率を向上させる。

計画では、2026年以降に全国の生産や物流現場へ展開して生産性の向上を図っていく。