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リンナイの電気&ガスハイブリッド給湯器 電力需給で遠隔操作の実証実験
2025年2月4日 10:05
リンナイとエリナスは、ハイブリッド給湯・暖房システム(ハイブリッド給湯器)「ECO ONE(エコワン)」のDRready(ディーアールレディ)の実証実験を、2月より開始する。
家庭用蓄電池やヒートポンプ給湯器、電気自動車など、家庭が所有する低圧リソースの普及が進む中、これらの機器を通信ネットワークを介して遠隔操作し、DR(デマンドレスポンス)に対応させるDRreadyへの取り組みが、経済産業省を中心に広がっている。DRとは電力の供給にあわせて電気の使用量を調節することで、DRreadyは、家庭などの需要家側の機器を通信ネットワークを介した遠隔操作により、DRに対応させる仕組みのこと。
ハイブリッド給湯器「ECO ONE」は、電気ヒートポンプとガス給湯器を組み合わせた家庭用給湯・暖房システム。
タンクユニットには、通常時、ヒートポンプユニットで大気中の熱を活用して加熱した必要最低限のお湯を貯めているが、タンク内のお湯がなくなった場合は、ガス補助熱源機に運転を切り替えて必要なお湯を瞬時に供給することが可能。ヒートポンプ給湯器に比べて湯切れの心配がないという。
この特性を活かし、電力が余剰する時間帯には積極的にお湯を沸かし、消費電力を増やす(「上げDR」)、冬季などの電力需給がひっ迫する時間帯には沸き上げを停止し、消費電力を抑える(「下げDR」)といった制御が可能であり、ユーザーの利便性を損なうことなく需給調整に貢献できる。
ハイブリッド給湯器は省エネ機器であるため、1台あたりの電力消費量が抑えられている。そのため、多数のリソースを集めながら、全体の制御精度を維持することが課題とされてきた。今回の実証では、MEC技術を活用し、他の機器と組み合わせたリソースの群管理・群制御を実施するほか、より精度の高いDR対応を実現することで、この課題を解決できるかを検証する。
実証期間は2025年2月~2026年1月(予定)。対象リソースは、ハイブリッド給湯器「ECO ONE」が最大100台(実フィールド設置)。家庭用蓄電池が約100台(シミュレータによる模擬)。実証エリアは北海道・沖縄を除く本州。
実証内容は、以下のとおり。
- ハイブリッド給湯器をエナリスの分散型エネルギーリソースマネジメントシステム(DERMS)と連携
- 「上げDR」および「下げDR」を想定したDERMSによる群制御を実施
- MECサーバーによる群制御(協調制御・高速フィードバック制御)
- 特性の異なる複数のリソース群を組み合わせた複合制御