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階段のぼれる電動車いす型モビリティ 補助なしで電車やバスにも
2025年3月27日 13:05
LIFEHUBは、階段などの段差も上り下りできる次世代パーソナルモビリティの「AVEST Launch Edition」の先行予約を2024年10月に開始した。販売は2026年1月を予定し、台数は限定50台。価格は150万円(非課税)。購入者向けの保険サービスも準備中。販売に先立ち、報道陣に今回実機が披露された。
バリアフリーを自ら生み出し、好きな場所へのストレスのない自由な移動を実現するという、電動車いす型のパーソナルモビリティ。階段やエスカレーターを昇降でき、電車やバスに補助なしで乗車できることから、歩行者と同じルートでの移動を可能にする。なお、ナンバープレートや運転免許は不要。
なお、これまで海外メーカーなどで、階段昇降できる電動車いすが開発されてきたが、補助なしの単独で乗る人が力を使わずボタン操作などで昇降できるものは珍しく、AVESTが3例目になるという。また、既存製品は昇降ともに下を向くスタイルのため、上る際は後ろ向きで走行する形だった。AVESTは昇降ともに前向きで進めるため、より自然な走行を実現したのがユニークな点。
平地は4つの車輪で走行し、段差や不整地にはクローラー(キャタピラー)を用いた走行システムを利用、レスキューロボットにも使われているクローラー構造で、起伏の多い地形も走行でき、従来の電動車いすに比べて行動範囲を広げられる。IP66の防水防塵仕様を目指して開発中。
対応する階段の斜度は最大40度。エスカレーターの斜度は35度まで(開発中)。
後輪の左右独立駆動で、最高速度は時速6km。クローラーも左右独立駆動。タイヤは前輪が10インチオムニホイール、後輪が12インチのエアタイヤ。
リチウムイオン電池で駆動し、航続距離は40km(平地で最大7時間)。バッテリー容量は68Ah。家庭のコンセントで充電でき、充電時間は一晩ほどだという。
起伏の大きな場所も、アダプティブグラビティコントロール(AGC)で乗る人が同じ姿勢を保つように制御。車両と乗る人の重心位置をリアルタイムで推定して、シートの位置と角度を制御。転倒を防いで安心感をもって操作できるという。ヘッドライトやテールライトも備える。
障害物認識(プリクラッシュセーフティ)も備え、外界を認識するセンサーで障害物を認識して自動で減速。階段やエスカレーターへの安全な進入や、不意に横切る歩行者への衝突防止などを可能にする。
これまでは2025年8月の提供開始を目指して開発と生産体制の構築を進めてきた。プロトタイプでは22cmの段差や階段の昇降、電動車いすのエスカレーター昇降機能の検証を実施してきた。
ボディカラーは、シグネチャーホワイト、イタリアンレッド、ダークグレー、シャドーブラック、ロイヤルブルー、ディープレモンの6色。シートカラーはブラック、ワインレッド、ブルー、ホワイトの4色。サイドストライプカラーとしてブルー、レッド、ブラックの3色からそれぞれ選べる。
オプション装備として、背面ポケット、ドリンクホルダー、スマートフォンフォルダー、杖ホルダー、腰ベルト、大容量バスケット、ヘッドサポート。
ビジネス展開としては、一般向けに直販するほか、車いす販売事業者やカーディーラーなどを通じた販売や、短期間のレンタル、福祉用具レンタル事業者を通じたレンタル、シェアリングモビリティやバリアフリー設備としての事業者(百貨店や自治体など)の導入も見込んでいる。