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もうすぐ新米で米不足は解消? ごはんおいしく炊く方法を聞いた

ごはんをおいしく炊く方法を五ツ星お米マイスターと象印マホービンに聞いた

近頃、スーパーなどで米が売り切れるといった「米不足」が騒がれている。この米不足について、五ツ星お米マイスターの金子真人さんが解説してくれた。

令和5年産のお米は高温により収穫状況がよくなかったという。さらに、前年産のお米と新米が入れ替わる端境期と呼ばれるタイミングで、販売店が在庫調整をしているなか、報道などでお米が売り切れている様子が放送され、不安になった消費者がいつも以上にお米を購入する事態につながったことも、今回の米不足の要因のひとつと見ている。

五ツ星お米マイスターの金子真人さん

金子さんによると、9月に入る来週あたりから新米がどんどん出てくるため、米不足は徐々に落ち着くだろうとのこと。令和6年産のお米は現在、お米の粒が実っていく登熟期で、この時期に夜の気温が低くなるとおいしく育つのだという。最近になって夜の涼しさを感じている人もいると思うが、このことにより令和6年産の新米はおいしいお米になると金子さんは予想している。

お米の買い占めは控えつつ新米を楽しみに待ちたいところだが、せっかくの新米をおいしく食べるにはどうしたらいいのだろうか。金子さんと、炊飯器メーカーの象印マホービンに聞いた。

お米は1,000種類!? 好みに合わせて選んで

金子さんによると、日本において登録されているお米の品種は約1,000種類で、そのなかで実際に作付けされているのは300種類。高温に強い品種も開発されており、「つや姫」や「さがびより」などがこれにあたるという。

お米の品種にはそれぞれ粘りが強い、味が濃いといった特徴がある。各品種に合う料理や食べ方もさまざまで、例えば卵かけごはんには、「コシヒカリ」などのもっちりした品種は粘りが強くしつこく感じられてしまうため、「ななつぼし」などのあっさりしたお米が合うという。

お米にはそれぞれ特徴がある
料理や好み、ライフスタイルに合わせて選べる

お米はやさしく洗う

お米をおいしく食べるには、まず保存環境が重要だ。夏の高温の室内で保存すると、虫やカビの被害にあう恐れがある。象印は、1カ月で食べきれる量を目安に少量ずつ購入し、密閉容器や密閉袋に入れ、冷蔵庫で保存することを推奨している。

そして正しく計量することもポイント。計量カップにお米を山盛り入れ、すりきることで正確な量が計れるという。カップにお米を押し込んだりすると量が増えてしまい、炊き上がりに影響するそうだ。

計量カップに山盛りにしてすりきる。麺棒がなければ割り箸などでもいいとのこと

洗米の工程は次の通り。

1.お米を洗う内釜とは別にボウルを用意する。ボウルを使うことでスピーディな洗米が可能になるという。ボウルに水を溜めたら一気に内釜に注いで大きくかき混ぜ、すぐに水を捨てる。この工程を2回行なう。

2.水を捨てたら、指を立ててシャカシャカと30回ほどかき混ぜる。ギュッギュッと押し付けたりせず、軽い力で行なうのがコツだ。その後、ボウルに溜めた水を入れてすすぐ。すすぎは2回行なう。かき混ぜからすすぎまでを2~4回繰り返す。

3.すすぎのみを3~4回行なう。

なお、水を捨てるときは内釜に少し残っていても問題ないとのこと。水をきれいに捨てるよりも、お米が流れ落ちてしまわないほうが重要だとしている。

指を立ててシャカシャカと洗う

洗米時の水は、浄水やミネラルウォーターを使うのがベスト。特に炊くときの水と、乾燥している状態から一気に吸収するため最初に使う水が大切だという。

炊飯器に入れるときは、お米の表面が平らになるように内釜を揺らしてならし、炊飯する。こうすることでお米全体に熱が入りやすくなるとのことだ。

そして実は、炊けた後にもおいしくするポイントが。炊き上がったらすぐにフタを開け、しゃもじで十字に切り込みを入れる。4つに分かれたブロックのひとつを隣のブロックの上にのせるようにし、ひとつずつほぐすことで、全体がムラなくふっくら仕上がるそうだ。また、よそうときも、しゃもじをひっくり返すのではなく引くようにすることで、ごはんがつぶれず食感がふっくらするという。

炊けたら十字に切り込みを入れる
隣のブロックにのせてほぐすことを繰り返す
ごはんがおいしくなるお米の洗い方を実演

このほか、金子さんによると炊くときの水は冷たい方が「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ」を実現しやすいとのこと。目安として5~8℃くらいの水を推奨しているため、夏場は冷蔵庫で冷やした水を使用するのがいい。

夏場の予約炊飯は待機時に水温が高くなってしまうため、お米を洗って水加減をした状態で冷蔵庫に入れておき、早炊きモードで炊き上げることで、2割~3割増しくらいのおいしさになるという。

炎舞炊きは感動のおいしさ

洗米からこだわり、象印マホービンの「炎舞炊き NW-FC10」で炊き上げた「さがびより」を実食。まず驚いたのが、粒の大きさ。見るからにふっくらしている。金子さんによると、おいしく炊けたごはんはしっかり水を吸っているため、粒がふっくら大きくなるのだという。

見るからに粒が大きくふっくらしている

食べてみると、口いっぱいにごはんの香りが広がる。粘りがあり、もっちりした食感とほどよい弾力。いつも食べているごはんとはレベル違いのおいしさだ。粒立ちもしっかりしており、噛み締めるほどに甘みが感じられる。

象印の「炎舞炊き」シリーズは、かまど炊きを再検証し、炎のゆらぎに着目。「炎舞炊き NW-FC10」は6つのIHヒーターを採用し、縦の対流と横や斜めの対流を起こす「3DローテーションIH」で、お米の甘み成分を引き出すという。

炎舞炊き NW-FC10
「3DローテーションIH」で縦と横の対流を生み、お米の甘みを引き出す

「炎舞炊き NW-FC10」は店頭予想価格159,500円の高級モデルということもあって、同機で炊いたごはんは本当においしかった。しかし、なかなか簡単には買い替えられないものだ。それでも、お米の保存方法や洗い方などを工夫するだけで、いつものごはんがワンランクアップするはず。これからやって来る新米の季節に、今回紹介したコツをぜひ試してみてほしい。