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フィリップス補聴器、うなずきなど人の動きに合わせて聞きやすく

フィリップス ヒアリンク 50

デマント・ジャパンは、フィリップスブランドのAI搭載補聴器「フィリップス ヒアリンク 50」を6月19日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は片耳で20万円~60万円前後。

ラインナップは上位モデルから順に「9050」「7050」「5050」「3050」の4機種で、装着は耳掛けの「ミニRTEスタイル」。IP68の防水防塵仕様。バッテリーは充電型。

新機能として、装着している人の動作を検知して分析し、その情報を補聴器の聞こえ方に反映させる「サウンドガイド」を9050と7050の2モデルに搭載。人が聞き取りたい会話に対して耳を傾けるために頭や身体を動かす動作に合わせて補聴器が聞こえやすくすることで、周囲の環境や動きに合わせてシームレスでクリアに会話を聞き取れるようにしている。

周囲の騒がしさだけでなく、装用者の動きにも応じて音の聞きやすさを調整するサウンドガイド機能を搭載

例えば1対1で話す時は正面の声によりフォーカスする。複数人の会話では、うなずきや振り向きといった小さな動作があると、左右の人の声も聞き取りやすくする。そのほか、散歩時やジョギングなど一定の速度で動いていると、周囲の音を聞きやすくするためにノイズ低減を弱めるといった動作を行なう。

このように異なる状況に応じて、ヒアリンク 50が装着する人の行動を認識して、周囲の環境に合わせて聞きたい音を最適化。どこにいても会話や音声をクリアに聞き取れるという。

スピーカー部分の最大出力もアップしており、補聴器の電源を入れるたびに自動で音響校正を行ない、常に正確でクリアな音を届けるという。低い周波数帯域の音については従来の200Hzよりももっと下の80Hzまで拡張。低い音もよりリアルに聞ける。

AIサウンドテクノロジーも引き続き搭載。Bluetoothの新しい規格であるLE Audioもサポート。対応するAndroidスマートフォンなどのLE Audio端末から、音楽や、テレビ/映画の音声なども補聴器で高音質かつ長時間聞ける。Androidの場合は補聴器用オーディオストリーミング(ASHA)対応であれば、中継器を利用してヒアリンク 50へのストリーミングが可能。そのほか、ハンズフリー通話にも対応する。

Bluetooth LE Audioに対応。スマホなどの対応拡大も期待される

最上位の「9050」は、AIノイズ抑制の強度が細かく5段階で選べるほか、突発音の抑制機能の強度変更や、騒音下での音声強度の3段階変更、騒がしい環境での微細なノイズ抑制などの機能を備え、店頭予想価格は50~60万円前後。シリーズで最も手ごろな3050は、AIノイズ抑制が2段階で、動き検知によるサウンドガイドなどは搭載せず、店頭予想価格は20~30万円前後。

専用アプリ「Philips HearLink 2」には新機能として「フィリップス ダイアリー」を採用。ユーザーが一日の装用時間の目標を立てて、使用時間を確認でき、目標を達成できるアドバイスなどで、装着に慣れていくことをサポートする。

アプリで装用時間の目標を設定できる

接触型の高速充電器を採用し、バッテリーは1回の充電で終日利用でき、充電時間は約1時間。15分間充電した場合は最大4時間使用できる。

充電器の使用例

適合範囲は、軽度~高度・重度難聴(105dBHLまで)。カラーは髪の色にマッチするベージュ系やグレー系の7種類で、ベージュ、ダークベージュ、トープ、ブラウン、ブラック、ダークグレー、グレー。

カラーバリエーション
目立ちにくい装着感
デンマークより来日したフィリップス ヒアリングソリューションズのソーレン・スケーベック副社長。補聴器市場の成長が今後も続くとの見方を示した
予防医療に詳しい、MEDU代表 ウチカラクリニック代表医師である森勇磨先生(左)と、フィリップス ヒアリングソリューションズ 武田和浩セールスマネージャー(右)のトークセッションでは、難聴と認知症リスクについて語られ、補聴器をより身近なものとして活用する重要性が強調された