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シャープ、塩分とり過ぎ防ぐ家電を容器メーカー東洋製罐と開発

「ソルとも」IoT家電のプッシュタイプ

シャープは、調味料を使った量が可視化できて塩分のとり過ぎなどを防げるIoT家電とサービス「ソルとも」を、容器メーカーの東洋製罐グループホールディングスら2社と共同で開発した。2025年度中の実用化を目指して、実証実験を行なうパートナー企業の募集を1月11日より開始した。

厚生労働省のデータによると、平均的な日本人の食塩摂取量は、健康維持のための目標量に比べて必要以上に高い傾向にあるという。生活習慣病などのリスク対策として、家電メーカーのシャープと、容器の素材/成型技術を持つ東洋製罐が協力。AI献立・栄養管理アプリを提供する「おいしい健康」社との3社でソルともの開発を行なう。調味料を直感的に使うのではなく、アプリで見える化して、より簡単な減塩を可能にすることを目指している。

開発されたIoT家電は2種類あり、一般販売のほか、企業向けのBtoB展開も計画している。

中央がプッシュタイプ、左がトレイタイプ、右が専用アプリ

2種類のうち手に持てる「プッシュタイプ」は、ワンプッシュで塩などの顆粒を一定量(0.3g)出せるもの。プッシュするだけで計量レスで減塩料理を作れる。プッシュ回数はSaltomoアプリに記録され、毎日の食塩使用量を後から管理できる。容器内の残量も確認可能。

プッシュタイプで塩などの使った量を管理

醤油などの液体は、キッチンスケールのような形の「トレイタイプ」にのせると、使用前後の重量差で使った量が分かる。デバイスの上に市販調味料をのせるだけですぐに計測して記録。目分量も見える化できるため、いつもの味の再現性を高めるのにも適しているという。なお、アプリを見なくても本体のLED表示でおおまかな使用量がすぐわかるようになっている。

トレイタイプで醤油などの使用量がわかる
前面のLEDでも使用量が表示され、毎回アプリを開く必要はない

アプリでは、管理栄養士監修のレシピも提供。簡単においしい減塩料理を楽しめるようになっている。いつもの料理に慣れた味覚を、より健康に配慮したものに少しずつ修正していくことにも役立てられる。

チャーハンの調理例。計量スプーンを使わなくても3プッシュの味付けで同じ味を実現

使用量が分かることから、減塩だけでなく、調味料の在庫管理にも活用可能。買い忘れや買いすぎなども防げるという。

本体サイズと重量は、プッシュタイプが55×138mm(直径×高さ)、約148g。トレイタイプが98×98×43mm(幅×奥行き×高さ)、約177g。

実証実験は2024年度中に実施。今後の展開としては、製品の販売だけでなく、ユーザーが使った調味料のリアルデータを活用した、食品メーカーなどへのマーケティング支援のビジネスも見込んでいる。