ニュース

エアコン丸洗い!? 富士ゼネの徹底分解洗浄サービスを見てきた

一見キレイに見えるエアコンも、内部にはカビが付着しているかもしれない

「エアコンをつけたらイヤなニオイがする」「最近エアコンの効きが悪くなった」という経験をしたことがある人は少なくないだろう。これはエアコンの室内機内部に汚れやホコリ、カビが付着していることが原因だ。

「ノクリア」シリーズを展開する富士通ゼネラルは、汚れたエアコンの室内機を徹底的に分解洗浄する「プレミアムクリーニング」サービスを提供している。同サービスでは室内機を取り外して預かり、自社で洗浄剤による洗浄や高圧洗浄を行なう。

富士通ゼネラルの本社へ足を運び、プレミアムクリーニングの工程を見学してきたため、その様子をレポートしたい。

富士通ゼネラルの本社で「プレミアムクリーニング」サービスを見学してきた

エアコンを丸洗い!? 徹底洗浄が気持ちいい

今回プレミアムクリーニングを行なうエアコンは、同社社員の私物。設置以来7年間クリーニングを行なっておらず、犬を飼っている環境かつリビングに設置されているということで、かなりの汚れが蓄積していそうだ。

分解された洗浄前の室内機を見ると、熱交換器はところどころ黒ずんでおり、ファンにはホコリがびっしり。しかし、担当者によると「これでもキレイなほう」とのこと。

手前の熱交換器にはカビと思われる黒ずみ汚れがあちこちに。中央のファンにはホコリが目立つ
こちらは新品のエアコン。比較すると一目瞭然だ

クリーニング工程ではまず、アルカリ性の洗浄剤に浸けてブラシで汚れをかき出す。すると洗浄液の中に黒い汚れがどんどん浮き始めた。洗浄中の動作がとても丁寧で、もっとゴシゴシしたほうが汚れが落ちるのでは? と思ったが、部品の損傷を防ぐために力を入れすぎないようにしているとのこと。

先の工程で表面の汚れを落としたら、次は高圧洗浄機を使って細かい部分に入り込んだ汚れを吹き飛ばしていく。この工程が圧巻で、高圧水で汚れがどんどん落ちていく様子は見ていて気持ちがいい。半分だけ洗浄して見せてくれたが、その差は歴然だ。

アルカリ性の洗浄剤に浸けて、まさに丸洗い
フィンの奥や細かい部分に入り込んだ汚れは高圧洗浄機で落としていく
ファンを右半分だけ洗浄剤で洗浄した様子。この後、熱交換器同様に高圧洗浄機を使用する

先日、自宅のエアコンを業者に訪問クリーニングしてもらったが、プレミアムクリーニングのように分解していないため、奥の汚れは落ちていないのではないかと不安になった。それくらい、スッキリと気持ちのいい徹底洗浄ぶりだ。

エアコンを分解して洗浄剤と高圧洗浄機で隅々まで洗い流す

今回は熱交換器とファンの洗浄工程のみを見学したが、結露水が溜まって汚れやすいドレンパンなども同様に洗浄するという。洗浄後はエアコン生産時と同様の動作確認をするため、安心だ。

洗浄剤を見ても、最初はキレイな水色だったものが濁り、いくつもの黒い何かが浮いている。これはホコリやカビ、汚れが混ざったものだそうだ。

汚れやすいドレンパンももちろんキレイにする
洗った後の洗浄剤には汚れがたっぷり

プレミアムクリーニングは富士通ゼネラル製のエアコンが対象だが、購入から10年を経過したものは対応できない可能性があるとのこと。料金は25,300円で、フィルター自動掃除機能が付いた機種は30,800円、サイドファン付き機種は34,100円。この料金には、エアコン取り付け時の真空引きの作業代なども含まれている。

壁に設置したままの一般的なエアコンクリーニングの相場が1~2万円程度と考えると、安いとは言わないが高すぎることはないと感じた。誰よりも製品のことを知りつくした自社スタッフが、壁に設置したままでは手の届かない部分の汚れまでしっかりと落としてくれるのは、他には代えられない安心感があるのではないだろうか。

エアコンクリーニングのメリットは「キレイになる」だけではない。室内機のフィルターや熱交換器に汚れが付着していると冷暖房の効率が悪くなり、消費電力が増えてしまうという。室内環境を快適にしつつ省エネで過ごすためにも、エアコンクリーニングを検討してみるのもいいだろう。

洗浄が完了したエアコン部品。今回デモに使用したものとは異なるが、新品のようにキレイになっている
フィルター自動掃除の部品。自動掃除機能が付いていると分解や洗浄の工数が増えるため、少しクリーニング料金が高くなっている