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全固体電池を大容量に マクセルが’24年サンプル出荷
2023年10月27日 06:05
マクセルは、容量200mAhの円筒形全固体電池「PSB23280」の開発を進め、2024年1月下旬に、サンプル出荷を予定している。
全固体電池は、現在主に使われている電解質が液体のリチウムイオン電池などとは異なり、電解質に固体を使用する電池。発火のリスクを抑えた安全性を特徴とする。
同社は、硫化物系固体電解質を使用した全固体電池のうち、セラミックパッケージ型とハイポーラ型を開発し、既にサンプルを供給している。
今回の円筒形全固体電池「PSB23280」は、電極構造と外装体を大幅に見直し、セラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」の25倍となる、大容量を実現したもの。
電極構造については、電極を大型化させるために、より高密度で充填可能なプロセスを導入。また外装体については、これまでの立方体形状から円筒形に変更。これにより、長期寿命特性や耐熱性などの諸特性を維持したままで、大容量化できた。
また昨今、インフラモニタリングなどのセンシング用途を含めた主電源用途でも適用可能な、全固体電池の大容量化を求めるニーズが増えているが、今回の円筒形全固体電池は、そのニーズに対応しているとする。
同社は、電極構造および外装体の技術をさらに応用・発展させることで、今後さまざまな市場ニーズにマッチした、全固体電池製品の開発が可能となるとしている。
円筒形全固体電池「PSB23280」の本体サイズは22.7×27.3mm(直径×高さ)。充電(CCCV)での定電圧値は2.6Vで、温度範囲は105〜-20℃。放電(CC)での下限電圧は0Vで、温度範囲は125〜-50℃。公称電圧は2.3V。