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グリルにアルミ箔を敷いたら火事に 気を付けたいガスこんろの事故

アルミ箔の使い方を間違えると大変危険という

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、「汚れの放置」や「誤った掃除の時短術」によるガスこんろの事故を防ぐために、使用時の注意点を紹介している。

ガスこんろの事故は、2018年度~2022年度の5年間に合計195件あり、全体の半分以上(108件)が使用者の誤使用・不注意によるもの。誤使用・不注意による事故の中で多いのが「汚れの放置」や「誤った掃除の時短術」による事故で、43件発生している。また約8割(195件中148件)が火災事故に発展しているという。

年度別の事故発生件数
誤使用・不注意によるものの内訳別件数
被害状況別の事故件数

事故を防ぐための4つのポイントと禁止例

NITEは、ガスこんろの「汚れの放置」や「誤った掃除の時短術」による事故を防ぐポイントを4つ挙げている。

1.煮こぼれが生じた場合はきれいに拭き取る
2.グリル使用後はこまめに掃除する
3.グリルの使用時や使用後は、点火・消火の確認をする
4.掃除時間を短縮するために、取扱説明書で禁止されている行為をしない

4の取扱説明書で禁止されている行為(誤った掃除の時短術)の中でも、特に下記の4つに注意して欲しいとする。

脂の多い料理では、グリル焼網の上や下にアルミ箔を敷かない

脂が多く出る食材(「鶏皮」や「脂がのったさんま」など)をグリルで焼く際に、グリル焼網の上や下(受け皿の上)にアルミ箔を敷いてしまうと、アルミ箔の上にたまった食材の脂が発火したり、飛び散った脂に引火したりするおそれがあるという。グリル庫内に入れるものは必ず取扱説明書で条件を確認し、機器指定以外のものは入れないよう呼びかけている。

脂の多い食材(鶏皮)を調理時に、グリル焼網の上にアルミ箔を敷いている様子

グリル調理中に安全機能が働いて火が消えても、繰り返し点火操作をしない

グリル過熱防止機能が備わっている製品では、グリル庫内が高温になるとセンサーが働き、自動で火が消える場合がある。しかし、グリル庫内に食材の脂がたまった状態で繰り返し点火操作をしてしまうと、脂が発火したり飛び散った脂に引火したりするおそれがあるため、センサーが働いて消火された後すぐに点火操作をしてはいけないという。グリル庫内に脂がたまっていない状態に限り、グリル庫内が冷めるまで5分程度待ってから点火を再開するよう案内している。

繰り返しスイッチを押す様子

汚れの付着を防ぐ目的であっても、グリル排気口をアルミ箔でふさがない

グリル排気口は、グリル庫内の煙や熱を外に逃がすためのもの。汚れの付着を防ぐ目的であっても、アルミ箔などで完全にふさいでしまうと、異常燃焼による一酸化炭素中毒や火災・機器焼損の原因になるという。またふきんなどの可燃物をグリル排気口の上に置いたままにしていると、熱で溶けたり発火することがあり危険だとし、グリル排気口の上や周囲には物を置かないよう呼びかけている。

グリル排気口をアルミ箔でふさぐ様子

ガスこんろの下に新聞紙などの可燃物を敷かない

ガスこんろの下に新聞紙やビニールシートなどの燃えやすいものを敷いてしまうと、飛び散った油から引火したり放射熱によって着火したりと火災につながるおそれがあるという。ガスこんろの下には可燃物を敷かないよう案内している。

ガスこんろの下に新聞紙を敷く様子