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ノーリツ、掃除しづらい風呂の配管まで除菌するガス給湯器

ガスふろ給湯器「GT-C72シリーズ GT-C2472PWAW BL」と、無線LAN対応高機能リモコン「RC-K001Wシリーズ」

ノーリツは、普段は見えない風呂の配管まで除菌できるガスふろ給湯器「GT-C72シリーズ GT-C2472PWAW BL」と、無線LAN対応高機能リモコン「RC-K001Wシリーズ(RC-K001PEW マルチセット)」を7月3日に発売する。価格は順に586,630円、71,940円。

残り湯やふろ配管まで除菌

ガスふろ給湯器「GT-C72シリーズ」の「GT-C2472PWAW BL」は、従来機から搭載されている「LED-UV除菌ユニット」と、新搭載となる「オゾン水除菌ユニット」を内蔵。2つの除菌ユニットを備えることで、「UV除菌」と「オゾン水配管クリーン」の2つの機能を実現した。オゾン水除菌ユニットは、工学院大学の独自技術を実装した小型の「AQUA OZONE(アクアオゾン)」を採用している。

衛生微生物研究センターによる試験では、オゾン水に菌液を接種して10秒で99%以上除菌しており、今回の技術は家庭用ガスふろ給湯器で初としている。なお、99%以上の除菌は実使用での実証ではなく、効果は使用環境によって異なる。

2つのユニットが、ガスふろ給湯器に搭載され、ふろの水を除菌していく
左が「LED-UV除菌ユニット」で、右が新搭載の「オゾン水除菌ユニット」

「UV除菌」は、ユーザーが浴槽から出た(退浴した)ことを検知すると作動するもの。浴槽の湯が、ガスふろ給湯器へと流れていくと、器内の「LED-UV除菌ユニット」でUVを照射し、水中の菌を除菌。湯は浴槽へと戻り、次の人も気持ちよく入浴できるとする。

ユーザーが浴槽から出ると作動する「UV除菌」
従来機から搭載されている「LED-UV除菌ユニット」。吸い込んだ浴槽の湯に、UVライトを照射することで水中の菌を除く

新たに搭載された「オゾン水配管クリーン」は、浴槽の湯を抜いている(家族全員が入浴し終わった)と判断すると、作動するもの。

同機能が作動すると、ガスふろ給湯器に吸い込まれた残り湯は、まず「オゾン水除菌ユニット」を通過して除菌され、さらに「LED-UV除菌ユニット」を通って除菌される。

浴槽内の湯を抜き始めると作動する「オゾン水配管クリーン」。2つの除菌ユニットを通過する

「オゾン水除菌ユニット」は、水道水を電気分解してオゾン水を生成するもの。生成されたオゾン水を水中へ溶解しつつ、搭載したダイヤモンド電極により、水中のオゾンの分解を促進させる。これにより除菌力の高いOHラジカルを生成し、除菌効果と脱臭効果を実現するという。

このOHラジカルを含むオゾン水が溶解した残り湯は、浴槽とガス給湯器をつなぐふろ配管や、浴槽からの排水溝まで、除菌と脱臭をしていくことが、期待できるとする。

除菌効果と脱臭効果を有す、OHラジカルを生成する「オゾン水除菌ユニット」
「オゾン水除菌ユニット」の内部構造のイメージ
「オゾン水除菌ユニット」は、水を電気分解してオゾン水を生成。オゾン水は、除菌効果が期待できるという

ちょうどいい湯上がり時間を教えてくれる

新たに専用アプリとの連携で使用できる、のぼせやヒートショックなどを予防する「ホッと湯上がりモード」と、就寝したい時刻に合わせて、おすすめの入浴時間などの目安を知らせる「あったか睡眠サポートモード」を搭載する。

「ホッと湯上がりモード」と「あったか睡眠サポートモード」を搭載

これらは、独自の人体熱モデル技術「HIITO(ヒート)」によるもの。同技術は、入浴と深部体温との関係に着目し、同社が神戸大学の高田暁教授や九州大学の前田享史教授との共同研究により開発。浴室の湯温や室温に応じた入浴時間を算出可能にしたものという。

深部体温とは、体の中心の深い部分の体温で、外部環境の温度変化の影響を受けにくい。だが研究により、入浴中の深部体温の変化を、湯温と室温から高精度に推測できるようになったとする。

湯温と室温から、深部体温を高精度で推測できるとする

「ホッと湯上がりモード」は、主に長湯による、のぼせ対策をサポートする。従来機から搭載されていた見まもり機能のうち、「入浴タイマー」が進化したもので、深部体温を高精度で推測可能になったことで実現したという。

同モードでは、ユーザーが浴槽に浸かったことを検知して、タイマーが起動。ふろ設定温度と浴室の室温から、そろそろ上がった方がいいですよという、おすすめの退浴時間(5〜20分)を、メロディと音声で知らせてくれる。

「ホッと湯上がりモード」では、浴室リモコンから最適なタイミングでメロディと音声で知らせてくれる

一方の「あったか睡眠サポートモード」は、就寝予定時刻から逆算した入浴タイミングと、浴室環境に合わせた退浴タイミングを知らせてくれる新機能。

寝る前の入浴は、深部体温を上げ下げすることになるので、自然と眠りにつきやすいと言われている。ただし、適切な時間や温度での入浴が大切だとし、それらをサポートするのが「あったか睡眠サポートモード」だという。

同モードを利用するには、専用アプリで「あったか睡眠サポートモード」画面を表示し、就寝予定時刻を設定する。その後、おすすめの入浴時間帯が近づくと、プッシュ通知で知らせてくれる。入浴する際には、アプリの「入浴開始」をタップしてから入浴。おすすめの退浴時間になると、浴室リモコンで知らせてくれる。

専用アプリで、就寝予定時刻を設定。画面下には「おすすめの入浴開始時間帯」が表示される(アプリ画面はイメージ。以下同)
設定したら「閉じる」をタップし、普段の生活に戻ればよい。その後、おすすめの入浴時間帯が近づくと、プッシュ通知で知らせてくれる。入浴する際には、アプリの「入浴開始」をタップしてから入浴する。入浴中に、おすすめの退浴時間になると、浴室リモコンが知らせてくれる

ノーリツが解決すべき5つの社会課題

ノーリツ・代表取締役社長の腹巻知さんは、便利なもので溢れている日本に必要なものは、生活の中で抱える悩みや社会課題を解決する商品であるべきだという。

そうした中で、同社が解決できるとともに解決すべき社会課題は、5つあるとする。

その1つが、コロナ感染拡大をトリガーにして拡大してきた「除菌ニーズへの対応」。2つ目は、高齢化社会において顕在化した問題である「入浴事故への対策」。3つ目は、世界ワーストレベルと言われる日本人の「睡眠不足への対応」。4つ目が、コロナの感染拡大以降、自宅調理の機会が増えたことにより増してきた「日常の調理に対する悩みへの対応」。そして5つ目が、共働き世帯の増加に伴う、積極的な「男性の調理への参加機会の創出対応」だとした。

「したがって我々の商品は、これら5つの社会課題を解決する、社会価値をともなった付加価値商品であるべきと考えております。つまり我々ノーリツが提供する商品の役割は、温水分野と厨房分野ともに、社会に役立つ付加価値をお客様に提供することであります」(腹巻さん)

そしてこれらの社会課題を解決するための、温水分野における製品が、除菌と見守り機能を強化し、睡眠サポート機能を新搭載したガスふろ給湯器、「GT-C72シリーズ GT-C2472PWAW BL」と、無線LAN対応高機能リモコン「RC-K001Wシリーズ」だとする。

なお他の社会課題を解決するための、厨房分野の新製品に関しても、今後発表予定だとしている。

代表取締役社長の腹巻知さん
社会課題を解決すべく、厨房分野の新製品も今後発表予定

製品発表会では、タレントの藤本美貴さんとお笑い芸人の庄司智治さんがゲストで登場。新製品に関して、藤本さんは次のように語った。

「やっぱり主婦としてお掃除してきましたが、言われてみたら、これまでお風呂は除菌しているようでしていないなと、気が付きました。気にしているようで、気にしていない部分だったので、今回言われてみて、(新製品で)お風呂が綺麗になるっていうことはすごくいいですよね。お風呂は、1日の疲れを癒すところなので、家族でも1人でも、素敵な時間にしていただきたいなと思います」

藤本美貴さんと庄司智春さん、それに代表取締役社長の腹巻知さん