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ツインバード、「心にささる」家電づくりでブランド刷新。ロゴはツバメブラックに

ツインバードの野水重明社長と、新製品のスチームオーブンレンジ

ツインバード工業は、 創業70周年を迎える2021年にブランドを再構築し、「新生・ツインバード」として新しいコーポレートロゴや2つのブランドラインを発表。その第1弾製品として、スチームオーブンレンジ「DR-F871W」を披露した。

新生・ツインバードについて説明した野水重明社長(左)と、マーケティング本部長/ブランド戦略部長の浅見孝幸氏(右)

同社は、金属加工をはじめとするものづくりの町として知られる新潟県燕三条地域において、1951年にメッキ加工業として創業。1984年から本格的に家電事業を始めた。近年では、カフェ・バッハ店主の田口護氏が監修した全自動コーヒーメーカー(2018年)や、 厚生労働省からの依頼で製造したコロナウイルスワクチンの運搬庫(2021年)なども展開している。

野水重明社長は2011年に先代から事業を承継
コロナウイルスワクチンの運搬庫

新たに野水重明社長が“ブランドプロミス”として掲げたのは「心にささるものだけを。」という言葉。300人の会社規模であることを強みとして、必要以上の機能付加や頻繁なモデルチェンジをするのではなく、長く使える機能やデザインなどにフォーカスした家電で、本質的な価値を追求するといった意図が込められている。

“一対の鳥”を表現しているツインバードのロゴも刷新。カラーを従来のスカイブルーから、TSUBAME BLACK(ツバメブラック)に変更した。

なお、同社は“ツバメ”の球団であるプロ野球・東京ヤクルトスワローズのオフィシャルスポンサーも務めている。

これまでのロゴ(左)と、新しいロゴ(右)

新製品と既存製品を含めた、2つのブランドラインが新たにスタート。“匠の技を、おうちで好きなだけ味わう”ことを実現する「Takumi Premium(匠プレミアム)」と、“本当に必要なものだけがくれる感動と快適を長く提供する”という「Kando Simple(感動シンプル)」を立ち上げた。

「Takumi Premium(匠プレミアム)」と「Kando Simple(感動シンプル)」の2つのブランドラインを立ち上げた

高付加価値なTakumi Premiumの製品として展開するのは、全自動コーヒーメーカーの「CM-D457B(3杯用)」や、「CM-D465B(6杯用)」、防水ヘッドケア機の「TB-G001JPPW」。

全自動コーヒーメーカー「CM-D457B(3杯用)」(左)、「CM-D465B(6杯用)」(右)

一方のKando Simple製品としては、スチームオーブンレンジ「DR-F871W」を発表。2022年1月14日発売で、11月25日から予約を受け付ける。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は49,800円。

2つの蒸気口を備えた独自技術「上下で包むWスチーム」で包み込むような蒸気で均一に加熱することで、肉まんなどもパサつきのない食感で温められるという。スチーム温度は65~100℃で設定でき、低温調理などもできる。製品の詳細は別記事で紹介している

スチームオーブンレンジ「DR-F871W」

野水社長「価値観の変化にフィットする製品を」今期10億円の戦略投資

人口減少や巣ごもり需要の落ち着きなどで、家電市場全体が厳しいトレンドにある中、ツインバードの野水重明社長は「“大量生産・大量消費の時代”から、“本質的に豊かな生活を求める時代”へとコロナ禍も含めた生活者の価値観の大きな変化を強く感じている」と説明。

野水重明社長

同社の2021年度業績予想は中期経営計画の目標を上回ると見ており、今期は約10億円の戦略投資を実施して事業拡大を計画。「リブランディングに、その可能性を強く感じている」(野水社長)とした。

事業拡大のイメージ
2つのブランドの販売計画イメージ

調理家電は、在宅時間の増加で注目されており、それゆえに競争が厳しい市場でもある。新生ツインバードが第1弾としてこの分野でオーブンレンジの新製品を投入することについて野水社長は「燕三条は、もともとおいしい料理を作るための道具の産地であり、そうした経営資源が江戸時代から脈々と受け継がれている。ツインバードの売上で構成比が高いのも調理家電。そうした強みを活かして、世の中のライフスタイルの変化にフィットしながら、豊かな生活を提案していきたい」と述べた。