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三菱の1枚焼きトースターとUCCドリップコーヒーが互いを引き立てる。味わいの変化を実感

三菱電機「三菱ブレッドオーブン TO-ST1」とUCC「ドリップポッド DP3」を体験

パンとコーヒーの組み合わせで「朝の時間」を豊かなものに――。UCCと三菱電機は4月、合同でメディア向けの製品体験会を実施した。三菱電機のパン専用オーブン「ブレッドオーブン」で焼いたパンを、UCCのカプセル式コーヒーメーカー「ドリップポッド」で抽出したコーヒーとともに飲食することで、“マリアージュ”を楽しめるという。

新型コロナウイルスの流行で、家で過ごす時間が増える中、おうち時間、特に「朝の時間」をより良くするという点で2社のコラボレーションが実現。実際に、ブレッドオーブンで焼いた食パンやフレンチトーストを、さまざまな産地のコーヒーと組み合わせることで味わいに深みが出ることを実感したので紹介していきたい。

1枚のパンをヒーターで包み込んで焼く「ブレッドオーブン」

三菱電機の「三菱ブレッドオーブン TO-ST1」の発売は2019年。1枚の食パンをプレートで包み込む形状で、フレンチトーストや総菜トーストも焼けるトースト専用オーブンだ。実売価格は30,000円ほどと高価ではあるが、昨今のコロナ禍における巣ごもり需要で、発売から2年が経っても売れ行きは好調で、現在は生産が追い付かない状態だという。

温度センサーを内蔵し、食パンや総菜パンの具の状態に合わせて上下のプレートの温度を制御する。トースト両面の温度をセンシングして焼き上げることから、トースターで総菜トーストを焼いたときに起こりがちな「トーストの具は生焼けなのにパンが焦げてしまった」といったトラブルも防げるという。一度に焼ける枚数は1枚と少ないものの、密閉構造で水分や香りを逃さずにトーストを焼ける。

トーストは5段階で焼き加減を調整でき、焼き目の薄い設定であればパンの耳をふんわりと仕上げられる。5段階中2番目に薄い焼き加減のトーストを試食したが、パンの耳は指でつまむと潰れるほど柔らかかった。トーストの裏表にはカリカリとした焦げ目がついており、サクサクとふわふわを同時に楽しめた。

1枚ずつ焼き上げる
焼き加減を薄めに設定すれば、耳まで柔らかいトーストが焼ける。指で潰れるくらいの柔らかさだった

コーヒーとパンの組み合わせで、よりコーヒーの味を楽しめる

UCCのコーヒーアドバイザーの土井克朗氏によれば、コーヒーと食事のマリアージュは「同調」と「補完」の2種類があるという。同調とは似たような味のコーヒーと食事を組み合わせて味わいを引き立たせるもので、補完は互いに異なる味わいで補うことで奥行きが生まれるもの。

今回のトーストと、カプセルから抽出した世界各地のコーヒーを組み合わせることで、コーヒーとトーストの味をさらに楽しめるという。トーストを食べる前にコーヒーを飲み、食べた直後にコーヒーを口に含むとコーヒーの味わいが変わる“マリアージュ”を実感した。

UCCのカプセル式コーヒーメーカー「ドリップポッド」では紅茶や緑茶も含めた14種類のカプセルを展開。コクや酸味が異なる世界各地のコーヒーを採用しており、新たなフレーバーも年に数種類追加されている。

UCCのドリップポッド DP3

これらのUCCのカプセルと、さまざまなトーストの組み合わせを両社が紹介。例えば、薄い焼き目に設定したパンにあんバターを塗ったものを、コクの強いコーヒーの「マンデリン&ブラジル」と組み合わせると、どちらもコクのある味のため「同調」が発生する。あんバターを塗ったパンを食べる前に飲んだコーヒーに比べて、食べた後に飲んだコーヒーはコクが増したように感じた。

フレンチトーストやカレートーストもコーヒーとあわせて味わいが変化

ブレッドオーブンではトーストモードのほかに、フレンチトースト/総菜トースト/冷凍食パンの専用モードを備える。フレンチトーストはふわふわとした厚みのあるものを焼けるのが特徴だ。上下から加熱するためフレンチトーストをひっくり返す必要がなく、厚みを保ったままで焼けるという。

フレンチトーストに合わせるコーヒーは、酸味と苦み、コクのバランスの良い「ブルーマウンテンブレンド」。フレンチトーストを食べる前の印象は「やや酸味を感じる」といったもの。ここで、卵の味を感じるフレンチトーストを合わせると、コーヒーのコクが前面に出てきた。さらに、フレンチトーストにイチゴと生クリームを合わせると、イチゴの酸味によりコーヒーの酸味が強化された味わいとなった。

厚みのあるフレンチトースト。フライパンで焼くときに比べて厚みを保てているように感じる
試飲したコーヒーはブルーマウンテンブレンド
イチゴを乗せる前後でコーヒーの味わいも変化

また、トッピングを乗せたトーストを焼ける「トッピングモード」で作ったカレートーストも試食した。パンの焼き加減は5段階中2番目に焼き目の濃い設定。焼き色が薄めの設定のトーストは耳まで柔らかかったが、こちらは耳もカリカリに仕上がっていた。

カレートーストには、酸味の強い「キリマンジァロ」を合わせた。それまで試飲したコーヒーに比べて、かなりフレッシュな酸っぱさを感じた。だが、カレートーストと合わせて飲むことで、酸っぱさがまろやかになった。

カレートーストは「キリマンジァロ」とあわせた

こだわりのコーヒーメーカーとブレッドオーブンで充実した「朝時間」を過ごせそう

3種類のコーヒーを試飲して、トーストと組み合わせることでどれも味わいの印象が変わった。筆者はこれまで、酸味の強いコーヒーよりは香ばしさのあるコーヒーを好んでいたが、トーストと組み合わせることで酸味のあるコーヒーにもおいしさを感じた。「酸っぱいコーヒーは少し苦手」、逆に「苦いコーヒーは好みじゃない」と感じている人にぜひ、さまざま産地のコーヒーと食材の組み合わせを試してほしい。

今回2社が体験会を合同で開催したのは、「とっておきの朝時間の新提案」が目的という。1枚焼きでトーストの質を追求する三菱電機「ブレッドオーブン」と、世界各地のコーヒーを抽出するUCC「ドリップポッド」の組み合わせで、トーストとコーヒーの組み合わせを楽しむ、余裕のある朝の時間を過ごせそうだ。

ちなみに、今回試食したトーストを焼いたブレッドオーブンは各種通販サイトや家電量販店のオンラインストアなど、オンライン限定で販売を行なっている。現在は入荷待ちの状態で、三菱電機によれば入荷は1~2カ月後とのことだ。ドリップポッド DP3はオンラインストアや家電量販店の店頭販売のほか、カプセルを定期購入することでDP3の本体価格を割安で購入できるサブスクリプションサービスも展開している。