ニュース

冷蔵庫の中央に欲しいのは「野菜室or冷凍室」どっち派? パナソニック新機種の特徴とトレンド

パナソニック冷蔵庫「MEXタイプ」

パナソニックの大容量冷蔵庫「MEXタイプ」が、10月30日の発売を前に報道関係者らに披露された。自宅時間が増える中での冷蔵庫のトレンドや、新しい「野菜室真ん中レイアウト」などの特徴、進化ポイントについて、同社が調査結果を交えて解説した。

説明を行なったパナソニックのコンシューマーマーケティングジャパン本部 商品センター 冷蔵庫担当 田原奈津子氏

「MEXタイプ」新製品は、野菜を新鮮なまま約1週間保存できるという「Wシャキシャキ野菜室」を中央に配置、下が冷凍室となっているモデル。定格内容積513Lの「NR-F516MEX」と、同483Lの「NR-F486MEX」の2種類で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に35万円前後、34万円前後。

歴史を振り返ると、かつては野菜室が中央にあるのが主流だったが、2010年頃のエコポイント制度や、省エネ性能への関心の高まり、冷凍食品のニーズなどを背景に、冷凍室が中央になる製品が増加した。

今回のMEXタイプは野菜室が真ん中だが、同社は冷凍室が真ん中の「WPXタイプ」も展開している。コロナ禍を経て冷凍への高い関心は続いている中、2020年の同社調査によると、冷蔵庫の購入意向+実際に購入した人の合計は、真ん中が「野菜室派」38.7%、「冷凍室派」42.5%と約半数で分かれているという。

左が定格内容積483Lの「NR-F486MEX」、右が同513Lの「NR-F516MEX」。カラーはそれぞれステンレスシルバー、セラミックホワイトの2色を用意

レイアウトの好みは生活スタイルによって違いがあり、「冷凍食品をどれだけ活用するか」などで分かれるが、調査結果を見ると、年齢が上がるにつれて野菜室派が多い傾向が出ている。自宅で料理する回数が増え、野菜を頻繁に出し入れする人などは、中央に野菜室がある方が楽ということのようだ。

同社IoT対応冷蔵庫のログデータから見た、使用状況は増加傾向が続く
「野菜室が真ん中」と「冷凍室が真ん中」のニーズはほぼ半々
年齢が高いほど、野菜室派が多い傾向

一方で、野菜室が中央だと断熱壁の数や構成が変わり、冷凍庫が中央の場合に比べて庫内容積が小さいのも実情。本体サイズ685×699×1,828mm(幅×奥行き×高さ)の2モデルでMEX(中央が野菜室)は定格内容積513Lに対し、WPX(中央が冷凍室)は550Lという違いが出る。これは、断熱壁の数がMEXの方が多く、その分の容量をとられるためだ。

同じ本体サイズでも両タイプで断熱壁の構造が異なり、内容積も変わる

そうした違いもあるとはいえ、これまでの慣れや、使いやすさなどから、野菜室が中央がいいという声も根強く、その声に応えているのが今回の新モデル。野菜の鮮度保持や、冷凍機能の温度切り替えなど、各所で機能強化を図っている。

また、他社との違いとして、冷却に必要なコンプレッサー部分を本体の下部ではなく、人の手が届きにくい上部に配置する「トップユニット構造」を採用。これによって、下の冷凍室や野菜室の奥行きスペースを確保しているのも特徴だ。

トップユニット構造により、スペースを確保
WPXとMEXを、ライフスタイルに合わせて提案

野菜室に2つのフィルターで湿度とエチレンガス対策。新鮮さを1週間保つ

新しい「Wシャキシャキ野菜室」は、鮮度を保つために2種類の新フィルターを搭載。「モイスチャープラスフィルター」は、野菜が多く入っている時に湿度が高まると吸水、湿度が低い時にその分を加湿できるというもの。自然の原理を活用しており、加湿器のように湿度を高めるものではないが、従来モデルに比べて庫内の湿度が急激に変化せず保てるようになったという。

Wシャキシャキ野菜室
「モイスチャープラスフィルター」で湿度を保つ

もう一つの「パラジウム保鮮フィルター」は、野菜から出るエチレンガスを水と二酸化炭素に分解するもの。エチレンガスは野菜が自ら熟成を促す働きを持つ一方で、腐敗の原因になる。触媒を用いた同フィルターで分解することにより、鮮度を長持ちさせる。同社がこの素材を使ったフィルターを冷蔵庫に採用するのは初めて。

パラジウム保鮮フィルター
野菜を1週間保存した時の比較

これらの機能により、1週間保存しても、例えばキュウリにはハリがあってシワがなく、レタスの葉がみずみずしく保てるなど、野菜全般に効果があるという。なお、どちらのフィルターも交換などの必要はないとのこと。

アレンジストッカーで小物整理、庫内に「朝食セット」や「晩酌セット」

このほかの新機能として、温度帯の切替が可能な「パーシャル/はやうま冷凍 切替室」を採用。「パーシャル」に設定した場合は、約-3℃~-1℃の微凍結で肉や魚、作りおきの鮮度を保つ。「はやうま冷凍」では業務用レベルの約-19℃~-17℃の急速冷凍により、霜を抑えて冷凍する。

同社製品のアプリ登録者で「はやうま冷凍/冷却」を使う人は、朝は「冷ます(弁当のあら熱取りなど)」、夕方は「急冷(余った野菜やご飯など)」を使う人が多いという。

パーシャル/はやうま冷凍 切替室
各室内の温度
はやうま冷凍/冷却
「はやうま」利用者の満足度

新しい「アレンジストッカー」は、広い庫内で調味料や卵など、小物を整理するのに活用できる。付属する2種類のフリーケースを2段で使えるほか、卵トレイによって好みの場所で卵を保存できる。

このトレイは、生活スタイルに合わせて、「朝食セット(ジャムやバターなど)」や「晩酌セット(ビールとつまみなど)」、「健康セット(栄養ドリンクや美容ドリンクなど)」といった、様々な使い方ができる。

2つのトレイと卵トレイで様々な構成ができるアレンジストッカー

さらに、清潔への関心が高まっている中、冷蔵庫内の菌の繁殖やニオイを抑制し清潔に保つ、独自の「ナノイーX」を冷蔵室に搭載した。調査では、同社冷蔵庫の購入の動機となった上位5番目の項目にナノイーXが入っているという。

ナノイーXで冷蔵室を除菌/脱臭
ニーズに合わせた製品の特徴まとめ