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【CES 2020】LG、スマートな「ドラム洗濯機」「冷蔵庫」「ワインセラー」を発表 ~AI進化のフレームワークも披露

 LGエレクトロニクスは、1月7日から10日(現地時間)にアメリカ・ラスベガスで開催されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショー「CES 2020」内の、メディア向けカンファレンスで、ドラム式洗濯機と同乾燥機「LG ThinQ Washer and Dryer」、冷凍冷蔵庫「LG InsraView Door-in-Door Refrigerator」、「LG SIGNATURE」シリーズのワインセラーを発表した。同時に「AIの未来」のタイトルで、AI進化のためのフレームワークも披露した。

ドラム式洗濯機と同乾燥機「LG ThinQ Washer and Dryer」

ドラム式洗濯機と同乾燥機「LG ThinQ Washer and Dryer」

 AIを搭載したダイレクトドライブ方式のドラム式洗濯機と同乾燥機。洗濯容量のほか、おしゃれ着など内部の衣類の種類も自動検知し、衣類に最適化された洗浄パターンを自動選択可能。それにより、服の傷みを従来比で約15%抑えるという。

洗濯容量を自動検出
おしゃれ着を自動検出
衣類に最適化された洗浄パターンを自動選択
服の傷みを従来比で約15%抑える

 「3D Multi Spray」機能では、ドラムの周囲に5つあるジェットノズルからドラム全体360度に水を吹き出し洗浄・すすぎを行なうという。洗剤・柔軟剤の自動投入機能を搭載。同社のプレミアムブランド「LG SIGNATURE」シリーズの従来製品「LG SIGNATURE DualWash」と同様に、本体下部にミニ洗濯槽を備える。

ドラムの周囲に5つあるジェットノズルからに水を吹き出し洗浄・すすぎを行なう「3D Multi Spray」機能
洗剤・柔軟剤の自動投入機能を搭載
「LG SIGNATURE DualWash」と同様に、本体下部にミニ洗濯槽を備える

冷凍冷蔵庫「LG InsraView Door-in-Door Refrigerator」とワインセラー

 冷凍冷蔵庫「LG InsraView Door-in-Door Refrigerator」は、同社のプレミアムブランド「LG SIGNATURE」シリーズの従来製品「LG SIGNATURE InstaView Door-in-Door 冷蔵庫」同様に、冷蔵庫の右ドアに窓のようなガラス扉を備えており、ノックすることで内側に入っているものを外から目視で確認できる。

冷凍冷蔵庫「LG InsraView Door-in-Door Refrigerator」

 冷蔵庫左ドアに自動製氷機能が追加されたのが特長で、通常の氷やクラッシュアイスのほか、直径5cm程度の球形の氷も自動で製氷可能。冷水機としても利用できるという。

通常の氷やクラッシュアイスのほか、冷水機としても利用できる
直径5cm程度の球形の氷も自動で製氷可能
実際のサイズの氷

 同社のプレミアムブランド「LG SIGNATURE」シリーズからは、ノックすることで内部が透けて見える「LG InsraView」の名を冠した、ワインセラーが登場した。「LG InsraView冷蔵庫」同様に、ドアの目の前に足を差し出すと、ドアが自動で開く機能「Auto Open Door」と、複数温度の設定機能を搭載する。設定可能な温度帯は、赤ワイン用が11~18℃、白ワイン用が5~11℃、シャンパン用が5~7℃。

「LG SIGNATURE」シリーズの「LG InsraView」の名を冠したワインセラー
ドアの目の前に足を差し出すと、ドアが自動で開く機能「Auto Open Door」
赤ワイン用が11~18℃、白ワイン用が5~11℃、シャンパン用が5~7℃と、複数温度の設定機能を搭載

AI進化のためのフレームワークも披露

 同社 CTOのI.P. Park氏と、Element AI社 共同創設者でCEOのJean-François Gagné氏が登壇。「Future of AI(AIの未来)」のタイトルで、AI進化のためのフレームワークについても披露した。

「AIの未来」のタイトルでAI進化のためのフレームワークが披露された
同社 CTOのI.P. Park氏
Element AI社 共同創設者でCEOのJean-François Gagné氏

 まず、AIの質的な向上のためには、Environmental Awareness(環境意識)、Collaboration(協調)、User Understanding(ユーザー理解)、Autonomy(自律)の4つの次元で評価する必要があるという。

AIの4つ評価基準

 そして、AIのレベルを4段階に分け、1段階目が「Efficiency(効率)」、2段階目が「Personalization(パーソナライゼーション)」、3段階目が「Reasoning(推論)」、4段階目が「Exploration(探査)」として話が進められた。

AIのレベルは、効率、パーソナライゼーション、推論、探査の4段階
AIの、4つの評価基準と4つのレベルは、マトリックスで表示される

 1段階目は、現在のスマートスピーカーとのやりとりに代表されるもので、ユーザーが言ったことをそのとおりにやってくれる。起床したユーザーが「オレンジジュースを注文して、着色料がないものね」「注文しました」といった具合だ。

 これが、2段階目になると、AI自身が学習するようになる。ユーザーの好みを知り、記憶している状態。先程のオレンジジュースの例で言えば、「オレンジジュースを注文して」とユーザーが言ったタイミングでは、AIはユーザーのオレンジジュース注文サイクルから判断して、すでにオレンジジュースを注文しており「昨夜注文しました」と返答する。ロボット掃除機で言えば、備え付け家具の配置を学習して、その配置に合った経路で移動するといったことがある。

1段階目は、ユーザーの言った通りに行動してくれる状態
2段階目になると、ユーザーの好みが分かっており、注文まで行なう

 3段階目では、推論が可能となる。2段階目まででは、ユーザーがなぜオレンジジュースを注文するのかいとう理由は理解できていない状態だ。これを推論するためには、ユーザー行動の因果関係を確立させる必要があり、それには複数機器による複数のタッチポイント同士が、それぞれの持つユーザー動向データを相互に共有しあって推論するのだという。先のオレンジジュースで言えば、ユーザーが起床したタイミングで、ユーザーが何も言わなくとも、AIが各種機器から得たユーザー情報を元に「ライトグリーンサラダを用意しました。ストレスを軽減するのに適しています」と、健康状態に応じたメニューを推論し用意してくれる状態となる。

3段階目になると、複数機器が協調して、ユーザーにとってよりよい状態へと導くようになる

 4段階目は、AIが継続的に改善できるという視点から、実験的な学習という意味だという。さまざまなユーザー動向を元に、新しい情報を積極的に探し、得たものを新しいパラメーターとしてAIへ統合していく過程を指す。この探査の過程は、AIの未来との関係をマッピングする試みであるとして締めくくられた。