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パナソニック、世田谷区での宅配ボックス実証実験結果を報告 ~利用者100%が荷受けストレス減
2019年6月24日 15:58
パナソニック ライフソリューションズ社は、2018年12月~2019年1月末に東京都世田谷区で行なった宅配ボックス実証実験「子育て家族の受け取りストレスを減らせ! プロジェクト」の最終結果を報告した。報告では、宅配ボックスの設置により、再配達率が34%から14%に減少。荷物の受け取りに関するストレスについての質問では、「軽減された」という回答が100%になった。
実証実験では、東京都世田谷区の戸建て住宅に住む、子育て世帯50世帯に宅配ボックスを設置。再配達の削減効果に加え、荷物の受け取りに関するストレスの変化を調査した。実施期間は、2018年12月3日~2019年1月31日。
使用された製品は、同社の戸建住宅用宅配ボックス「COMBO(コンボ)」シリーズの「ミドルタイプ」。電気工事不要で、住宅の壁面などに簡単に後付けできる点が特徴。電源も不要で、押印・施錠が可能。受け取りできる荷物の最大サイズは、340×350×500mm(幅×奥行き×高さ)で、120サイズ(縦・横・高さの合計が120cm以下)に該当する。
同報告によると荷物の再配達率は、宅配ボックスの設置前が34%だったのに対し、設置後は14%まで削減されたという。また、再配達による待ち時間は、一世帯あたり年間約72時間だったのが、設置後は約39時間に削減された。
荷物の総配達個数においては、設置前の10月が412個だったのに対し、12~1月の平均総配達個数が553個に増加したという。
こうした結果を踏まえ、「宅配ボックスにより、荷物の受け取りに関するストレスは軽減されたか」という質問では、「軽減された」と回答した人は100%になった。
運送業者と非対面での受け取り率は、在宅・不在関わらず30%に
また、事前調査で挙がっていた意見として、「荷物を受け取るために土日に外出できないときがある」「在宅でも、家事や育児で玄関に出れない時がある」などがあったため、今回の調査では宅配ボックスを利用して、運送業者と対面せずに荷物を受け取った割合を調査。
結果、宅配ボックス設置後は在宅・不在時に関わらず、30%の荷物が運送業者と非対面で受け取られたという。
在宅時の荷物受け取りストレスに関しては、「子供の寝かしつけをしている時に無理に出なくてもよくなった」などの要因から、72%が「軽減された」と回答した。
さらに荷物の受け取り方法に関する質問では、「受け取れれば手渡しでなくても良い」と回答した人は95%となり、「直接手渡しで受け取りたい」と回答した人は5%に留まった。
インターネット上で不特定の人へ同じアンケートを取ったところ、「手渡しでなくても良い」は61%、「直接手渡しで受け取りたい」と回答した人は39%になった。ネット調査と比較すると、子育て世代がより非対面での受け取りを望んでいる傾向にあることがわかったという。
80サイズのコンパクトタイプが7月生産分よりリニューアル ~120サイズまで入るオキッパと接続可能に
また同社は、宅配ボックス「COMBO-Maison(コンボメゾン) コンパクト 一鍵タイプ」を、2019年7月1日生産分よりリニューアルすることも発表。置き配バッグ「オキッパ」と接続できるようになり、宅配ボックスに入らない荷物が到着した場合でも、オキッパで受け取ることが可能になる。
宅配ボックスの価格は75,100円。オキッパの価格は3,685円(いずれも税抜)。
コンボメゾンは今回の実証実験で使われたモデルとは異なり、集合住宅向け宅配ボックスと位置づけるが、戸建住宅向けにもニーズがあるという。電気工事不要で壁掛けのねじ取り付けなため、後付け設置が可能。対応荷物サイズは80サイズ。
リニューアルにより、Yper社の置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」と接続できるようになった。非使用時はコンパクトに折りたためる、ダイヤル式南京錠付きバッグで、玄関口に吊るしておくだけの簡単設置が特徴。荷物収納時は地面にまで引き下げ、バッグを広げて荷物を収納する。
オキッパの対応荷物サイズは120サイズで、ヤマト運輸の12号大箱とAmazonの平箱が重ねて入る。耐荷重は13kg。生地には撥水加工が施され、止水ファスナーを採用。
さらに同社は、在宅時の宅配ボックス利用を促す啓発活動を実施する。2019年7月1日生産分より、戸建て向け宅配ボックス全商品および、「コンボ-メゾン コンパクト 一鍵タイプ」、「不在・在宅を問わず宅配ボックスをご利用ください」と記載された、屋外用シールを同梱。すでに同社の宅配ボックスを設置している家庭に向けても、本シールを無償配布するという。