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ドラム式とタテ型洗濯機どっちが良い? ライオンのお洗濯マイスターが洗濯のコツを解説

 パナソニックは、6月25日に発売を予定している、同社初の洗剤・柔軟剤の自動投入機能を搭載した「縦型洗濯乾燥機」のメディア向けセミナーを開催した。会場には、ライオン お洗濯マイスターの大貫 和泉さんが登壇。パナソニックの洗濯機担当者とトークセッションを行ない、洗濯のコツや、ドラム式とタテ型洗濯乾燥機それぞれのメリットなどが紹介された。

洗剤・柔軟剤の自動投入機能を搭載した、同社初の「縦型洗濯乾燥機 NA-FW100K7」

 自動投入機能は、本体に備えられたタンクにあらかじめ洗剤と柔軟剤を入れておくことで使用可能。洗濯のたびに洗剤を自動計量して投入してくれ、計量の手間が省けるほか、洗剤の入れすぎや不足などを防げるという。

 タンク容量は、液体洗剤が約390ml、柔軟剤が約490mlで、濃縮液体洗剤・柔軟剤の詰替え用パウチが1本分入るサイズとしている。

タンク容量は、液体洗剤が約390ml、柔軟剤が約490ml
濃縮液体洗剤・柔軟剤の詰替え用パウチが1本分入るサイズ
目盛り付きの窓があり、残量は一目で確認可能
外して洗えるタンク

 厚生労働省の調査によると、1980年~2018年の約30年間で専業主婦世帯数と共働き世帯数は逆転し、2018年には共働き世帯(1,219万)が、専業主婦世帯(600万)の2倍以上になったという。こうした背景から、同社は家事の時短・簡便化のニーズがあるとし、洗剤の自動投入機能を搭載。

 今回新たに発売する縦型タイプは、洗濯/乾燥容量が10kg/5kgの「NA-FW100K7」、9kg/4.5kg「NA-FW90K7」、8kg/4.5kg「NA-FW80K7」の3機種をラインナップ。より多くの人に洗濯の負担軽減を提案するとしている。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に、23万円前後、22万円前後、21万円前後(税抜)。

2018年には共働き世帯が、専業主婦世帯の2倍以上になったという
新発売の縦型タイプは容量違いで3機種をラインナップ

洗剤は入れすぎても無駄になるだけ、お洗濯マイスターがコツを紹介

 会場には、ライオン お洗濯マイスターの大貫 和泉さんが登壇。洗濯のコツや、ドラム式と縦型の違いなどを紹介した。まず、洗濯機に投入する洗剤の量について、大貫さんは以下のように説明。

 「洗剤は多く入れれば入れるほど汚れが落ちるという訳ではありません。適量を越えると洗浄力は頭打ちで、多く入れた分だけ無駄になります。また、泡切れも悪くなるのですすぎ時間を長くして使う人もいますが、水や電気代が無駄になるだけなので、洗剤は適量を入れることがポイントです。柔軟剤についても、入れすぎると香りが強くなりますし、吸水性が悪くなるといったデメリットがあります」

 洗剤を適量入れるという観点からも、洗剤の自動投入機能は有効だという。洗剤の投入は、洗濯槽内に入っている布量を検知してから行なわれる。洗剤の銘柄や温度環境などによる粘度の違いにも対応し、さまざまな環境下においても過不足なく投入されるという。

ライオン お洗濯マイスターの大貫 和泉さん
洗剤は適量を越えると洗浄力は頭打ちになるという
洗剤自動投入はピストンポンプ式。布量を検知後に投入する
投入後に給水が始まり、経路に残った洗剤を洗い流す

 さらに今回紹介された新モデルでは、パルセーターも改良。従来は羽根サイズを大小に分離していたが、新モデルでは大型の羽根を3枚採用した。これにより羽根の断面積の大きさがアップし、パワフルな立体水流を生み出すという。

 これとパナソニック独自の「泡洗浄」で、高い洗浄力を実現。泡洗浄は、給水と同時に水が洗剤ケースに入り、水圧で洗剤を溶かして泡立てる。たっぷりの泡水を衣類の上にふりかけ、衣類全体に泡立てた洗剤液を浸透させて洗うため、泥汚れなどにも強いとしている。

 このほか、温風で約40℃まで衣類を加熱して汚れを効果的に落とす「温風つけおきコース」、軽い汚れの化繊衣類を洗濯から乾燥まで約60分で終了する「化繊60分コース」(容量0.6kgまで)なども搭載。いずれも本体サイズは、599×664×1,089mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約51kg。乾燥方式は水冷除湿式。

パルセーターも改良され、大型の羽根を3枚採用
パワフルな立体水流を生み出すという
立体水流による衣類の撹拌比較。従来モデル(左)よりも新モデル(右)の方が早くハンカチが中に入り込んでいった
水圧で洗剤を溶かして泡立てる「泡洗浄」
操作部は奥に配置

 また、洗濯ネットを使う際は、衣類に最適な大きさのネットを使うことを推奨。洗濯ネットは、洗濯時の衣類の損傷を防止するが、正しく使うことで汚れ落ちを向上させられるという。Yシャツであれば、中サイズ(30×33cm)が最適で、ネット1枚につき衣類1枚を、たたんで入れることが重要としている。

 これは、シャツをそのまま入れると衣類の重なりが多くなり、洗浄力が落ちるためだという。なお、大サイズ(35×50cm)のネットは衣類の重なりが少なくなるが、洗濯中にネットの中でシャツの形が崩れやすく、結果的に重なりが多くなってしまう。シワも増えるため、Yシャツは中サイズが最適としている。

衣類に最適な大きさのネットを使うことを推奨
Yシャツであれば、中サイズ(30×33cm)が最適
小サイズは衣類をたたみすぎて重なりが多くなる
大サイズは洗濯中に形が崩れるという

ドラム式と縦型の違いは?

 また、パナソニック アプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 縦型洗技術部・櫛田 茉実氏とのトークセッションも行なわれた。櫛田氏は、ドラム式洗濯乾燥機と縦型洗濯乾燥機のメリットについて説明。それぞれ得意とする汚れに違いがあるという。

 「縦型の方が洗浄力が高いと思われる人が多いのですが、洗浄力に違いはあまりなく、どういう汚れに強いかという点が主な違いです。ドラム式の洗い方は、もみ/おし/たたきがメインなので、皮脂汚れに強いといった特徴があります。反対に縦型は、こすり洗いなので泥汚れなど固形の汚れに強いのです。またドラム式はヒートポンプ式の乾燥方法もあり、省エネ性が高いので乾燥機能も使うならドラム式ですね。ただし設置スペースが大きいので、乾燥機能をあまり使わない、省スペースに置きたいなら縦型が良いです」(櫛田氏)

 大貫さんは、泥汚れの落とし方についても紹介し、「泥汚れはやはり予洗いが大事です。ただし、いきなり水につけるのはNGで、これは泥汚れをさらに繊維の奥に入り込ませるだけです。予洗いをするときは、衣類に直接液体洗剤を塗って汚れを浮かせるか、洗剤を使った手洗いがオススメです」と話した。

省スペースに置きたいなら縦型がオススメだという

【お詫びと訂正】
記事初出時、登壇者の名前に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。