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マクセル、美容家電新ブランド「llexam」、第1弾製品は「光ドライヤー」など3製品
2018年10月11日 18:19
マクセルは、美容家電の新ブランド「llexam(レクサム)」と、美容家電3製品を発表した。光照射で髪を乾かす「光ドライヤー MXHD-3000」を11月25日に、「ナノイオンドライヤー MXHD-1000」と「多機能温冷美顔器 MXFC-1000」を10月25日に発売する。いずれも小売店での販売はされず、美容サロンルートのみの販売で、価格はオープンプライス。販売想定価格は順に、45,000円前後、15,000円前後、40,000円前後(いずれも税抜)。
製品は、美容院での施術にも実際に利用されるため、導入済みの美容院等で体験が可能。導入美容院等は、発売日以降、同社お客様ご相談センター(0570-783-137)で照会可能だという。
光照射で髪を乾かす「光ドライヤー」
「光ドライヤー MXHD-3000」は、ニクロム線によるヒーターを内蔵せず、ランプユニットからの光照射で髪を乾燥するドライヤー。髪に水分を残したまま乾かすことができるため、髪のうるおいとツヤを保つことができ、髪を傷めにくいとしている。
ヒーターとファンによる従来の温風ドライヤーは、加熱時に熱が周囲の空気で冷えるために高温ヒーターが必要であり、同時に温度ムラができてしまうという。各社ともさまざまな工夫を凝らしているが、この光照射ドライヤーは、ランプユニットによる光とファンで髪を乾かす。
光が直進する性質を利用するため、温度ムラやエネルギーロスを防ぐことができ、約50℃の低温で髪を乾かせるという。また、一般的なドライヤーの消費電力が1,200W程度であるのに対し、本機では加熱のプロセスがなく600Wで済むため、省電力性も高いとする。
光ドライヤーと温風ドライヤーを、タオルドライ後の髪を乾かして比較したところ、髪の水分量では約2倍、髪のツヤでは約1.7倍、髪のコシでは約3.5倍、髪の指通りでは約80%の摩擦を低減し、いずれも光ドライヤーの方が優れた結果になったという。
光ドライヤーのキモとなる「ランプユニット」は特許出願中とのことで、詳細に関する公表はされなかったが、ランプはLEDによるものではなく、また発する光の波長は可視光線と近赤外線であり、紫外線は含有しないという。
実際に稼働するドライヤーからはピンク色の光が出るが、ランプだけだと発する光が強すぎて目を傷めてしまうことから、フィルターを内蔵しており、ピンクはその色だという。また光は紫外線を含有しないものの、このフィルターには紫外線を防ぐ効果もあるとした。
風量は、COOL/SET/DRYを切り替え可能で、COOL専用のショットスイッチを備える。最大風量は1m3。
本体サイズは、235×90×223mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約835g。消費電力は600W、コード長は2.7m。本体カラーはホワイト。
しっとりまとまる仕上がりに、プロのヘアメイクさんも喜び
発表会には、ローラさんや水原希子さんも担当する、ヘア&メイクアップ アーティストの奈良 裕也氏が登場。光ドライヤーで、実際にモデルの髪を乾かすデモを行なった。日常的にドライヤーを利用する奈良氏は、ドライヤーについて、風量よりも髪の保湿など、髪が傷まない機能を優先して選んでいるという。
濡らした髪(写真右側)を、ブラシを使わず手ぐしと光ドライヤーだけで乾かしたところ、左側と比較して、毛先のツヤと全体のまとまりに差が出た。さらにブラシと光ドライヤーでブローを行なうと、髪のツヤが増し、さらにまとまりも良くなったことが分かる(写真下段)。
初めて光ドライヤーを使用したという奈良氏も「ブロー前の手ぐしだけで乾かした状態なのに、明らかにまとまりが良いのが分かります。サロンでは、カラーリングやブリーチの直後などの髪が傷んでいる状態でもドライヤーを使わなければなりませんが、これほどしっとり仕上がるのはうれしいですね」と語った。
大量のイオン発生が特徴の「ナノイオンドライヤー」
「ナノイオンドライヤー MXHD-1000」は、一般のナノイオンドライヤーと比較して、大量のイオンを発生させる点が特徴だという。イオン発生ユニットに電極を3つ搭載しているが、一般的なものは1つのみだという。また、ナノイオン発生ユニットには、ペルチェ素子を内蔵しており、これにより空気を冷やして水分を凝縮させ、イオンを発生させているという。
ナノイオンの髪への効果については、静電気を帯びた髪を中和でき、さらに水分を与えることで、髪をケアできるとしている。温度は3段階、風量は2段階で調節可能。遠赤外線グリルを搭載するほか、ダブルフィルター構造によりメンテナンス性にも優れるという。
本体サイズは、198×90×240mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約670g。消費電力は1,200W、コード長は2.7m。本体カラーはホワイト。セットノズルが付属する。
4ステップ機能を搭載する「多機能温冷美顔器」
「多機能温冷美顔器 MXFC-1000」は、4つのモードで肌をメンテナンスできる、充電式の美顔器。CLEANSINGモードは毛穴に残った汚れをイオンの力で引き出し、MOISTモードはイオン導入機能を搭載し、化粧水の保湿成分を角質層へ浸透させるとともに、保温ケアができるという。MOISTモードでは、検知したシミ等の濃度を、5段階の強弱の振動で知らせてくれるとしている。
MASKモードは、シートマスクや乳液などとともに利用し、電極を穏やかに切り替えながら微振動することで効果をサポートするという。COOLモードは、冷却効果で肌を引き締めるとする。
ハンドル部に電源ボタン、モード切り替えボタン、レベル切り替えボタンを搭載。レベル調整は、CLEANSING/MOIST/MASKモードで3段階で利用可能。
本体サイズは、52×67×179mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約200g。充電時の消費電力は8W。本体カラーはホワイト。電源アダプター、コットンリング2個、保護キャップが付属する。
美容家電新ブランド「llexam」と、泉精器との合併について
新製品発表会では、同社 取締役 ライフソリューション事業本部長・乘松 幸示氏が、美容家電新ブランド「llexam」立ち上げの経緯と、泉精器製作所との合併について説明した。
同社は1970年から、健康・理美容家電を開発している。しかしながら、OEM提供が中心であったために一般に広く知られてはいないとしつつも、50年弱の研究・開発期間があり、それまでのノウハウや資産があるという背景を説明。
同社が「スマートライフをサポート 人の周りにやすらぎと潤い」という経営ビジョンに沿って展開する事業のなかでも、「健康・理美容」「住生活・インフラ」「自動車」の3つが成長事業であるとした。
この成長事業のうち、美容分野を強化するためのブランドが「llexam」であり、人に寄り添い、未来の快適さを、未来を意識したデザインで、という意味を込めて"Future Amanity"を提供するとしている。今後は、発表されたヘアケア・フェイスケア製品のほか、ボディケア製品も展開を予定しているという。
今回発表される製品が、全て美容サロンルートのみの販売である点については、同社が美容家電分野へ初参入であることについて触れ、まずはプロからの評価を得て、その上で一般ユーザーに展開していきたいとした。
また泉精器製作所との合併に関しては、特に電設工具製品に関して、トップ事業であるとともに、シェアもトップであることを挙げ、各種製品のIoT化においてシナジー効果を発揮したいとした。事業統合等が具体的に開始されるのは、2019年4月以降になるという。