アシックス、投げたボールの速さや回転数を測定できるIoT野球ボールを開発

　アシックスは、野球の硬式ボールにセンサーを内蔵した投球測定用ボール「PITCH ID(ピッチアイディ)」を、ユーテックと共同開発した。2018年9月から同社のベースボール能力測定プログラム「ASICS BASEBALL Lab.(アシックスベースボールラボ)」にて導入予定。

PITCH ID(ピッチアイディ)

　直球や変化球の球質を数値化し、投手の投球パフォーマンスを客観的に把握できる投球測定用ボール。加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサーを内蔵し、球速や回転数、回転軸の情報が得られる。

　測定データは、連携されたパソコンまたはタブレットに約10秒で転送され、初速や終速、平均速度の3項目の球速や、1分あたりの回転数、投手側と頭上からの2視点による回転軸の傾きが表示される。

　そのほか、ボールをリリースする位置やボールのホームベース上の到達点を表示。球速に対する多回転数を評価する機能なども搭載しているとする。

初速や終速、平均速度の3項目の球速などを計測

ボールをリリースする位置やボールのホームベース上の到達点を表示

　硬式ボールと同径、同重量で、同様の手法で作製されているため、違和感が少なく投球でき、グラウンドやマウンド、ブルペンで使える。製品化にあたっては、アシックススポーツ工学研究所にて、高い精度で測定できるうえ、耐衝撃性や耐久性も備えていることが実証されたという。なお、バッティングには非対応。

　同社は、プロ野球選手をはじめ、より多くの方に利用されるよう、システムや体制を整備し、商品化を目指していくとする。