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パナソニック、“鮮度センシング”で古米も美味しく炊ける高級炊飯器「Wおどり炊き」

 パナソニックは、鮮度の落ちた乾燥米も美味しく炊き上げる「スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 Wおどり炊き SR-VSX8シリーズ」を、6月1日に発売する。5.5合炊き「SR-VSX108」と、1升炊き「SR-VSX188」の2機種で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は110,000円前後、115,000円前後(税抜)。

スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 Wおどり炊き「SR-VSX108」

 同社の炊飯器において、最上位モデルに位置づけられる「スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 Wおどり炊き」シリーズの新モデル。高速対流と可変圧力で、とことん米を踊らせる「Wおどり炊き」が特長で、米を釜底からしっかりかき混ぜ、均一に熱を加えるため、一粒一粒の甘みや旨み、香りを丁寧に抽出する。

 今回新たに、圧力センサーにより釜内の圧力をリアルタイムに検知する「鮮度センシング」を搭載。米の鮮度に合わせて自動で炊き方を調整できるようになった。炊飯中に、圧力センサーが釜内の圧力を計り、減圧スピードの違いで鮮度を検知する。減圧が遅いと新米、速いと乾燥米と判断し、お米の鮮度に合わせて自動でおどり炊きの圧力制御を調整してくれる。

 これにより、鮮度の落ちた古米に圧力をしっかりかけられ、新米のような美味しさを実現したという。第三者機関の調査によると、2017年モデル(SR-SPX107)と比較して、古米を炊いた際のパサつきは約16%抑えられ、甘さ低下は約15%改善されたとしている。

鮮度の落ちた古米も美味しく炊けるという
パサつきは約16%抑えられ、甘さ低下は約15%改善された

あああ

精米後から劣化するお米を“鮮度センシング”で美味しく炊く

 会場には、5つ星お米マイスターであり、家業である米屋を継いで自らお米を販売する澁谷梨絵さんが登場。美味しい米の特徴や、正しい保存方法などについて説明した。

 「お米は生鮮食品なので、精米後からすぐに劣化が始まります。大きく違う点は米に含まれる水分量で、精米直後の含水率が14%なのに対し、2週間後になると12%に低下します。なので、古米は乾燥米ともいえ、パサついており甘味も少なくなります。乾燥を防ぐにはお米を密閉容器に入れて冷蔵庫などで保存するのが一番ですが、5kg/10kgとまとめて買う方が多いのでなかなか正しく保存できません」

5つ星お米マイスターの澁谷梨絵さん
乾燥米はパサついて甘みが少なくなる

 実際に食べ比べも行なった。鮮度センシングなしの乾燥米、精米したてのお米、鮮度センシングありの乾燥米の3つを試食。鮮度センシングなしの乾燥米は、やはりパサパサ感があり甘味も少ない。精米したてのお米は当然美味しく、ふっくらとしていて甘味があり、口のなかでほろっとほぐれる食感も良かった。

 そして、鮮度センシングありの乾燥米は、精米したてのお米に近い食感で、甘みもしっかりあって驚いた。鮮度センシングなしと比べると差は歴然だ。

圧力センサー
減圧スピードで釜内の圧力を検知する
3種類のごはんを食べ比べた
左から、鮮度センシングなしの乾燥米、精米したてのお米、鮮度センシングありの乾燥米

ごはんのトレンドが変わってきている。1粒1粒しっかりした食感が人気に

 また、標準コースである「銀シャリふつう」では食感を変えており、ユーザーの支持が強い“甘みがあり、一粒一粒がしっかりした食感”に炊き上げられるという。これは、昨今ユーザーのごはんの嗜好が変わってきたためとしている。5年前はツヤがあることや1粒1粒ふっくら、もちもちしたごはんが人気だったが、2018年の調査では甘みやしっかりした食感が美味しいご飯と感じる人が増えたという。

 そのため、SR-VSX8シリーズでは「銀シャリふつう」コースで炊いた際に、従来よりもハリ(粒感)を約10%、旨み(アミノ酸量)を約12%アップさせたという。

 パナソニック アプライアンス社 キッチンアプライアンス事業部 ライスレディ 塚原 知里氏は、「1粒1粒しっかりしたごはんが昨今のトレンドということがわかったので、そこを踏まえて開発し、ハリと旨みを両立したごはんに仕上げました」とコメントした。

 なお、圧力センサーにより食感の炊き分けはさらに細かく設定可能になった。圧力の強さも調整できるため、これまで9通りだった炊き分けコースが、SR-VSX8シリーズでは13通りにアップした。より好みの食感に近いごはんが炊けるという。

パナソニック アプライアンス社 キッチンアプライアンス事業部 ライスレディ 塚原 知里氏
美味しいごはんの嗜好が変わってきているという

 このほか、銘柄米の特長に合わせて火加減を調整し、美味しさを引き出す「銘柄炊き分けコンシェルジュ」に新銘柄追加。もち米のような弾力が特長の宮城県「だて正夢」と、コシヒカリ発祥の地である福井県がコシヒカリを超える美味しさを目指して6年の歳月を掛けた「いちほまれ」を追加。対応する銘柄は50銘柄で、そのお米に合った炊飯プログラムで炊き上げる。

 澁谷さんは、銘柄炊き分けコンシェルジュについて、「正直、だて正夢は炊くのが難しいお米です。もちもち感が強いのでべちゃっとしてしまったり、水を少なくすると固くなったりしてしまいます。この銘柄炊き分けではきちんとお米の良さが引き出されており、個性的な銘柄米も美味しく炊けて感動しました」と話した。

 5.5合炊き「SR-VSX108」の本体サイズは、275×361×234mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約7.8kg。消費電力は1,210W。内釜はダイヤモンド竈釜を採用。カラーはブラックとホワイトの2色。

宮城県「だて正夢」、福井県「いちほまれ」を新たに追加
銘柄米は全50種類に対応。50音順で検索できる
だて正夢
いちほまれ

 また、新米の時期は1日4合はごはんを食べるという澁谷さんは、近年の糖質制限ダイエットについても言及。

 「ごはんは太ると思われがちですが、そんなことはありません。ごはんに含まれる糖は2割が脳に使われ、後は筋肉に影響します。糖質制限は非効率的で、ごはんを食べないと確かに短期間で4~5kg痩せることはありますが、それは本来筋肉に吸収されるはずの糖がまわらなく、水分が放出されて筋肉量が減るためです。痩せたと思ってまたご飯を食べると、今度は体が過剰に糖を吸収しようとします。ごはんの量を減らすのは有効的ですが、完全に食べないのはダイエットとしてはオススメできません」

ダイエットをする際もごはんは食べたほうが良いという
内釜はダイヤモンド竈釜
ブラック
ホワイト
カラーは、既に発売しているキッチン家電と統一されている